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太宰府市は福岡県中部に位置しています。奈良時代、当時の太宰府市には、九州全体を治める「大宰府」という役所が置かれ、九州地方の政治、経済、外交の要をなし、役所としての「大宰府」が機能を停止した後もその権威は生き続けました。今もその歴史をしのばせる大宰府跡(国の特別史跡)、水城跡、観世音寺、太宰府天満宮など数多くの史跡が残されています。
戦後、太宰府市は福岡都市圏の膨張、大規模開発による住宅化の進行、大学の立地、交通網の整備などにより人口が急増し、昭和57年(1982年)に市制を施行しました。
文化面では、東京、京都、奈良に次いで全国で4番目となる「国立博物館」が平成17年(2005年)に開館されました。
太宰府市の花 うめ | 太宰府市の木 くす |
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写真提供:太宰府市
太宰府天満宮(だざいふてんまんぐう) 太宰府天満宮は、菅原道真を祀る霊廟です。 901年に無実の罪によって大宰府に左遷された道真は、2年後にこの地で亡くなりました。埋葬のために亡骸を運んでいた御車の牛が突然動かなくなり、不思議に思った人々はその場所を墓所とし、その上に社殿が造られたといわれています。 境内は梅・楠・花菖蒲などが四季を彩り、悠久の歴史をしのばせる様々な神事が今も受け継がれています。 |
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宝満宮竈門神社(ほうまんぐうかまどじんじゃ) 玉依姫命(たまよりひめのみこと)を祀る竈門神社は、縁結びの神様として古くから信仰を集めています。 また、大宰府政庁の北東に位置し、鬼門を守るとされています。 境内では、洗練されたデザインの建築や展望舞台、桜や紅葉など四季折々の色彩を楽しむことができます。 |
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大宰府政庁跡(だざいふせいちょうあと) 「都府楼跡」の名でも親しまれる、7世紀後半から12世紀前半にかけて、地方最大の役所「大宰府」が置かれた場所です。 九州全体の政治の中心であり外国との外交施設としても機能しました。大きな礎石は当時立派な建物があったことを物語り、周辺の景観は古代の面影を残しています。 大伴旅人が長官として執務し、菅原道真も漢詩に詠んだ当時の壮観なすがたは、現地にて使用できるVRアプリで見ることができます。 |
写真提供:太宰府市
梅ヶ枝餅(うめがえもち) もち米とうるち米で作った生地に小豆あんを包み、こんがりと焼き上げたお餅です。 浄妙尼という老女が不遇の日々を送っていた道真公を哀れみ、餅に梅の枝を添えて送ったのが由来といわれています。 太宰府天満宮参道周辺に多くの店舗があり、焼きたてのお餅を販売しています。 |
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木鷽(きうそ) 天神様のお使いでもあり、幸運を招く鳥といわれている鷽が、木にとまり羽を広げた姿を、木彫りで表しています。 毎年1月7日には、太宰府天満宮の境内で木鷽を互いに取り換え、一年間ついた嘘や災いを天神さまの誠に替えて幸運をいただく「うそ替え神事」が行われます。 |
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太宰府献上願塩(だざいふけんじょうがんえん) 古代天草から大宰府へ貢進されたといわれる塩を現代に蘇らせました。 現在では、太宰府天満宮に奉納・献上され、天満宮で行われる全ての神事に使用されています。 |
写真提供:太宰府市
奈良時代の太宰府市は、朝廷の九州統治と外交の任にあたる官庁「大宰府」が設置されたことで、遠の朝廷(とおのみかど)と呼ばれるなど、九州の政治・経済・文化の中心として栄え、そこを窓口として多くの大陸文化が平城京にもたらされました。また、天下の三戒壇の一つが、天平宝字5年(761年)に観世音寺に創建され、また、総国分寺としての東大寺に対して、筑前国分寺が建立されています。
このように、歴史的に縁が深い両市は、太宰府市の市制20周年に当たる平成14年(2002年)に奈良市で開催された「第11回東大寺サミット」会期中の6月27日に友好都市提携をしました。
「大宰府」と「太宰府」のちがい
一般的に、「太宰府市」や「太宰府天満宮」のように現在の地名などには「太」を使い、歴史的なものには「大」を使っています。
「大宰府」は、古代律令制下(奈良・平安時代)において、特に九州の位置的重要性を考え置かれた役所で、平安時代には、和名では「オオイミコトモチノツカサ」と読ませています。これは、「天皇の命をうけて政治をする役所」という意味で、この場合「大宰府」という点のない字をあてます。しかし、点を付けたものが歴史的に間違いだったかというと一概にそうとも言えません。
「ダザイフ」に点を入れることは、平安時代の古文書に既にみられ、中世文書では時代が経過するに従い「太」を使っているものの方が「大」のものよりも多くなり、近世に至ってはそのほとんどが「太宰府」となっています。
「太」と「大」の使い分けは、定まった学説というほどのものではなく、便宜上歴史的に律令政治機構の役所を指す場合は「大宰府」を使っています。
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令和発祥の都「太宰府市」の四季折々の様子をお楽しみください。