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栄養成分表示は、健康づくりに役立つ重要な情報源です。原則、加工食品の容器包装に記載されています。
スーパーやコンビニエンスストアなどで食品やお弁当を買うときや食べるとき、食品の袋や箱に「熱量、たんぱく質、脂質、炭水化物、食塩相当量」が書かれた「栄養成分表示」が表示されています。これらの5項目は生命を保つために重要で、生活習慣病と深く関わっています。日頃から栄養成分表示を確認して食品を選ぶことで、糖尿病や脂質異常症、肥満、高血圧などの生活習慣病予防やフレイル(虚弱)予防に役立ちます。
チラシ栄養成分表示ってなに? [PDFファイル/1009KB]


100gあたり、100mlあたり、1個あたり、1食あたり、1包装あたり等の単位ごとに栄養成分の含有量が表示されます。商品によって単位が異なります。
容器包装に入れられた加工食品には、「熱量、たんぱく質、脂質、炭水化物、食塩相当量」の表示が義務付けられています。これらは、生活習慣病や健康の維持・増進に深く関わる重要な成分です。日頃から食べている食品の栄養成分表示を確認してみましょう。

熱量はエネルギーとも表示ができ、生命の維持や活動のために必要な食品のもつエネルギーのことです。エネルギーの必要量は年齢や性、活動量や身体時状況によって異なります。エネルギーの摂取量と消費量が同じとき、体重の変化はありません。エネルギーの単位はcal(カロリー)で、1リットルの水の温度を1℃上げるのに必要なエネルギーが1kcal(キロカロリー)です。体内でエネルギーを生む栄養素は「たんぱく質、脂質、炭水化物」です。
たんぱく質は、骨格や筋肉、臓器など体をつくるもとになる他、酵素やホルモンの材料として代謝を調整するなど生命の維持に不可欠です。特に成長期の子どもや高齢者の低栄養の予防に重要な栄養素で、肉、魚、卵、大豆・大豆製品、牛乳・乳製品に多く含まれます。たんぱく質1gあたり4kcalのエネルギーを生みます。
脂質は、細胞膜の主要な構成成分です。主に生命維持に必要なエネルギー源となり、脂質1gあたり9kcalのエネルギーを生みます。脂溶性ビタミンの吸収を助けます。摂り過ぎは肥満や心疾患のリスクを高めます。脂身の多い肉、油、マーガリン、バターや油を多く使った揚げ物やスナック菓子、洋菓子に多く含まれます。
ご飯、パン、麺、芋、砂糖や砂糖を多く使ったジュースやお菓子に多く含まれる栄養素です。主にエネルギー源となり、炭水化物1gあたり4kcalのエネルギーを生みます。炭水化物は糖質と食物繊維に分けられ、糖質は体内で分解されるとぶどう糖等になります。脳や神経組織等の組織は、通常ぶどう糖しかエネルギー源として利用できないため、糖質は重要な栄養素ですが、余分に摂り過ぎると脂肪に変わり肥満の原因となります。
ナトリウムは「食塩相当量」として表示されます。とり過ぎは高血圧や胃がんなどの原因になります。
1日あたりの食塩相当量摂取目標量 男性:7.5g未満/女性:6.5g未満※
※疾患のある方は、医師の指示に従ってください。
食塩相当量(g)=ナトリウム(mg)×2.54÷1000 で求めることができます。
脂質のうち「飽和脂肪酸」と炭水化物のうち「食物繊維」は、現在義務表示ではありませんが、日本人の摂取状況や生活習慣病予防との関連から、表示することが推奨されている成分です。
脂質のうち「飽和脂肪酸」は、肉類や乳・乳製品の脂肪に多く含まれます。飽和脂肪酸は、中性脂肪やコレステロールなどの血液中の脂質濃度の上昇に関与し、とり過ぎは脂質異常症や動脈硬化を促進します。
炭水化物のうち「食物繊維」は、野菜や豆類、海藻、乾物、いも類等に多く含まれる「ヒトの消化酵素で消化されない食品中の難消化性成分」のことです。腸内環境の改善による便秘や大腸がんの予防、糖尿病や脂質異常の予防効果が期待されています。
ミネラル(カルシウム、鉄等)、ビタミン(ビタミンA,ビタミンC等)、n-3系脂肪酸、n-6系脂肪酸、コレステロール、糖質及び糖類は任意で表示されます。この他の成分については、枠の外に表示するなど、義務表示・推奨表示・任意表示とは区別して表示されます。
栄養強調表示とは、欠乏または過剰摂取によって人びとの健康に影響を与える栄養成分等について、補給や適切な摂取ができるという旨を強調して表示するものにです。
表示の一例:「○○たっぷり」、「高○○」、「○○入り」、「○○控えめ」、「減塩」、「○○30%カット」、「○○ゼロ」
消費者庁ウェブサイトには消費者向けに、栄養強調表示に関するリーフレットと簡単な動画が公開されています。
・リーフレット 食品のパッケージにある栄養成分の表示を活用しよう!~知っていますか?栄養強調表示~<外部リンク>
・消費者庁動画 食品のパッケージにある栄養成分の表示を活用しよう!~知っていますか?栄養強調表示~<外部リンク>
消費者庁から栄養成分表示に関するリーフレット等が公開されています。ご自身にあった活用方法を見つけてみてください。
・消費者庁 栄養成分表示の活用について<外部リンク>