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私たちのからだは私たちが食べたものでつくられています。バランスのとれた適切な量と質の食事を、1日3食規則正しく食べることが健康なからだの土台となります。生活習慣病を予防するためには、食生活を整えることが重要です。
☆☆ 目次 ☆☆
1.適正体重を維持しよう
2.主食・主菜・副菜を組み合わせてとろう
3.野菜をたくさん、果物も適度にとろう
4. 1日3食規則正しく食べましょう
5.塩は控えめにしよう
6.相談したい
7.学びたい
8.やってみたい
体重は健康と栄養状態の目安として重要です。太り過ぎはがん、循環器疾患、糖尿病などの生活習慣病の原因となりますが、一方でやせ過ぎも若い女性では骨量減少、低出生体重児出産のリスクがあり、高齢者ではフレイル(虚弱)の原因となるなどの問題があります。自分の適正体重を把握し、維持するようにしましょう。
自分の適正体重は、Body Mass Index(BMI、体格指数)という指標で知ることができます。
「日本人の食事摂取基準(2020年)」(厚生労働省 「日本人の食事摂取基準」策定検討会)
手ばかりで1日の目安量を確認することができます。
手の大きさにあった量が、自分の適量の目安になります。
質 問: A子さん(55歳)はテレビの健康情報に敏感で、体に良いと聞くとすぐに実行に移します。出産後に体重が増えはじめ、ダイエットとリバウンドを繰り返していて体重は20歳の頃より15kgも増加してしまいました。健康的な食事をしているつもりなのに、どうして体重が増えるのでしょうか?
A子さんの身長・体重: 155cm 65kg BMI27(肥満)(20歳の時の体重:50kg BMI21)
Aさんのある日の夕食 | 献立内容 |
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解 説:A子さんの食事は一見すると青魚や大豆製品を取り入れたヘルシーな和食のように思えますが、実はごまやオリーブオイルなど見えない油が多く含まれ、また、主菜の量が多いために1食で約1000kcalと高エネルギーの食事になっています。また野菜が少ないために、ビタミン・ミネラル・食物繊維が不足しており、食べた物が体の中で適切に利用されず、脂肪として徐々に蓄積され、体重が増加してきた状態です。
A子さんに必要な1日のエネルギー量は、53kg(標準)×30(係数)=約1600kcalです。1食にすると約500kcalの食事が適量となります。
そこでBメニューのような食事はいかがでしょうか?ご飯の量は同じですが、主菜の量を適正にし、野菜たっぷりにしています。ビタミン豊富な生フルーツをデザートに食べることで、栄養素の吸収を促進してくれます。
おすすめの夕食メニュー | 献立内容 |
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・ご飯(100g) ・豆腐ステーキ100g(1/3丁)野菜あん ・豚しゃぶ50g(薄切り1枚半)みぞれ和え ・ほうれん草のお浸し(80g) ・大根の味噌汁 ・いちご(120g) |
健康に良いと言われる料理でも食べ過ぎたら太ります。主食・主菜・副菜がバランスよくそろった食事を心がけて、適正な体重をめざしましょう。
野菜や果物にはビタミンやミネラル、食物繊維が豊富に含まれています。
毎日しっかりとることが、がんや循環器疾患、糖尿病の予防のために大切です。
野菜がからだによいことがわかっても、今まであまり食べていなかった場合には、たくさんとるのが大変かもしれません。野菜を食べるときには、いためたり、ゆでたり、蒸したりするなど、熱を加えると、かさばらずに食べやすくなります。なお、調理するときには塩分をとり過ぎないように注意しましょう。
生活習慣病予防のためには、1日350gの野菜が必要と言われていますが、野菜摂取量の平均値は1日280gです。つまり毎日1皿(約70g)不足しています。
まずは毎日野菜料理をプラス1皿増やしてみましょう!
付け合わせ野菜を冷蔵庫に常備する | 前日に下ごしらえをする | 残り野菜を いれて具だくさん味噌汁にする |
電子レンジを活用する | 冷凍野菜や市販のカット野菜、乾物野菜を活用する | 野菜料理がつかない定食や丼などの単品には野菜料理を追加する |
野菜たっぷりレシピ集もぜひご覧ください!
食物繊維は、魚介類や肉類などの動物性食品にはほとんど含まれず、植物性食品に多く含まれます。食物繊維は小腸で消化・吸収されずに、大腸まで達する食品成分です。便秘の予防をはじめとする整腸効果だけでなく、血糖値上昇の抑制、血液中のコレステロール濃度の低下など、多くの生理機能が明らかになっています。現在ではほとんどの日本人に不足している食品成分ですので、野菜から積極的にとりましょう。
野菜に含まれるビタミンは、摂取した食べ物の栄養素が体内で利用される手助けをしてくれます。ミネラルは、身体機能の維持・調整に不可欠で、特に野菜に多く含まれるカリウムは、余分なナトリウム(食塩)を体外に排泄するのを手助けしてくれ、高血圧の予防にもなります。また特に色の濃い野菜(緑黄色野菜)に多く含まれるビタミンAは、皮膚や粘膜の健康維持に重要です。
様々な野菜を「1日350g食べる」を目標にして、ビタミン、ミネラル、食物繊維をしっかり補給しましょう。
生果物もビタミン、ミネラル、食物繊維を豊富に含む食材なので、毎日少しずつ食べるように心がけましょう。
果物が不足すると、がんになる恐れが高まることがわかっていますが、果物をたくさん食べれば食べるほど危険性が低下するというものではありません。また、果物は野菜と異なり、糖質を多く含んでいるため、とり過ぎると中性脂肪が増えたり、肥満になったりする恐れがありますので、食べ過ぎには注意しましょう。
・朝食を食べる習慣は、食事の栄養バランスと関係しています
・朝食を食べる習慣は、生活リズムと関係しています
・朝食を食べる習慣は、心の健康と関係しています
・朝食を食べる習慣は、学力・学習習慣や体力と関係しています
※「農林水産省ホームページ」より一部抜粋
菓子や嗜好飲料は身体の栄養だけでなく心の栄養にもなります。楽しみながら適度にとりましょう。
あなたの夕食の時間は何時ごろですか?食べてからすぐ寝ると内臓脂肪の蓄積につながるので、夕食を食べてから寝るまでは3~4時間空けるのが理想的です。
仕事で帰りが遅く、寝るまでの時間が短い場合は、夕方におにぎりや牛乳などの軽食をとるのもお勧めです。
その場合、帰宅後の夕食は軽めにしましょう。翌朝には空腹感が出てきて朝食がおいしく食べられますよ。
塩をとり過ぎると、血圧が上がって循環器疾患のリスクが高まったり、胃がんのリスクが上昇したりします。日本の食生活では、伝統的にしょうゆやみそ、漬物など塩を用いた調味料や食品を多くとる傾向があります。低塩の調味料を使用したり、風味づけに香味野菜を使うなど、できるところから減塩に取り組んで、徐々にうす味に慣れていきましょう。
現在日本人の食塩摂取量の平均値は1日あたり10.1gですが、「健康日本21(第三次)」では2032年度までに7gまで減らすことを目標にしています。
目標達成に向けて、日頃の食生活を振り返ってみましょう。
適塩生活を送るために、まず日常食べているメニューの塩分量を知ることから始めましょう。
いかがでしたか?麺類や丼物は比較的塩分が多いですね。また調味料を替えることでも塩分を減らすことができます。
焼き魚のしょう油を麺つゆやポン酢に替えてみてはいかがでしょうか?
食塩を多く含む食品や料理を食べる頻度を少なくする | 調味料は小皿に出して、食材に付けて食べる |
麺類(うどんやラーメンなど)の汁を残す | 汁物に具をたくさん入れると、汁の量が減る |
メイン料理はしっかりと味付けし、副菜を薄味に することで味のメリハリをつける |
出汁をしっかりと取り「うま味」を利用することで、 塩味を引き立てる効果がある |
香辛料や香味野菜を利用する | トマトや柑橘類、お酢などの酸味を利用する |
市販食品には主な栄養成分が表示されたものが多くあります。何がどれだけ含まれているのか確認する習慣を身につけましょう。
<管理栄養士と保健師がご相談内容に合わせて対応しますので、お気軽にご相談ください>
Q: 健康的な食生活について学べる場所はあるの?
A: 25日は学ぼう!にこにこ奈良ごはん にご参加ください!
Q: 食事以外で健康づくりについて知りたいのですが…
A: 健康あっぷ講座 がおすすめです!
Q: 健康のため食事や運動を頑張っているが、一人で取り組んでもモチベーションが上がらない…
A: SmaNARA健康6か月チャレンジ で専門家からのコメントをもらってモチベーションアップ!