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2024 年3月19日、奈良県コンベンションセンターにて「シンポジウム「地域とつながる学生活動」~奈良の学生MeetUp!! 大学を超えてつながるDAY!~」を開催しました(主催:なら産地学官連携プラットフォーム/協力:奈良市)。奈良市の地域活性化や地域課題解決のために活動する学生団体を応援する「奈良市地域に飛び出す学生支援事業補助金」に選ばれた学生団体が活動成果を報告し、発表後は学生やメンター、一般の方を含む参加者約70名が交流を深めました。
「奈良市地域に飛び出す学生支援事業補助金」は、“学生が地域に飛び出し、地域活性化や地域課題解決のために行う活動に対して、市が補助金を交付することにより、その活動を促進し、奈良市への愛着を醸成すること”を目的としています。本年度採択されたのは、学生ラジオや詩吟体験、野球教室など多彩な12の学生団体。ここからは、発表順に各団体の取り組みをご紹介します!
テーブルごとの自己紹介タイムの様子
京都市立芸術大学大学院に所属する学生による空間のプロデュース。建築デザインとアーティストのメンバーで構成されており、2023年10月に奈良市役所屋上で開催されたビールマルシェの空間設計を実施した。「文化を育む日常的風景を生む非日常」をコンセプトに、マルシェ会場のなかで、色を使って限られたエリアに人を集めることや、彫刻作品を通して大人と子どもの遊びを作るなどで「1つの場所に多面的で豊かな情景」が生まれた。
縄文・弥生・古墳時代の出土楽器を復元する研究活動を行うプロジェクト。地域文化への興味を促し、地域への郷土愛を育むことを目的に、2023年11月文化の日に、奈良文化財研究所平城宮跡資料館にてワークショップ「琴づくりコトはじめ」を実施。当日は3歳の子どもから70代の大人まで約60名が参加し、平城京内の奈良時代の地層から出土した琴型をモデルに、実際に音が鳴るレプリカ琴を制作し、古代に想いを馳せ、琴を試奏した。
2023年9月と11月の2回にわたってワークショップ「さわって学ぶさんすうランド」を開催した。1回目は子どもたちに楽しんでもらうことを最優先に考え、「ピタゴラス」などの知育玩具や水遊びを交えたワークを実施。2回目は、算数や数学の力や知識を身につけてもらうことに焦点をあて、ワークシートを作る等の仕掛けを盛り込んだ。今年4月から教員として子どもたちの前に立つメンバーの貴重な学びの場となった。
漢詩や短歌、俳句などに節をつけて歌う日本の伝統文化である詩吟をテーマに、2023年11月に「~俳句で和の世界~おやこ詩吟体験~」を開催。当日は、詩吟についてのレクチャーの後、春日山で紅葉や鳥のさえずりなど自然の恵みを体全体で受け止めながら俳句の種を探し、会場である大学に戻って俳句を作り、詩吟の伝統的なリズムで歌い上げる活動を行った。寺院以外の奈良の新しい魅力に気づけたこと等が成果として発表された。
複合施設bird bird を母体に、nest=鳥の巣のような場所を街の中に作りたいと立ち上がったプロジェクト。マルシェ等で、ただ出店するだけでなくイベント自体を盛り上げる空気感を出せる出店者を目指し、奈良女子大学、京都市立芸術大学、大阪芸術大学のメンバーが建築チームとサービスチームに分かれて活動した。低コストかつ女性2人程度で簡単に組み立てられる屋台を企画し、9月と12月の奈良蚤の市に出店した。
小中学生が科学技術や環境に関心を持つきっかけづくりを目的として、2024年2月、小中学生を対象に、奈良市の廃材を活用して木の飛行機を製作するワークショップ「木製飛行機をつくろう」を開催した。CAD のソフトを使って設計し、材料に彫刻を入れたり切断したりできる最新技術であるレーザー加工機を使って材料を加工。参加者は、出来上がった飛行機を飛ばしてみて、うまくいかなかった点は設計に戻ってみる等の試行錯誤を経験した。
小学生の林間学校で出前授業を行う等、学校支援を活動の柱の一つとしているサークルのプロジェクト。2023年12月、“地域を愛し、より良い地域づくりの担い手を育成する契機とする”ことを目的に、中高生を対象として「集まれ!奈良市バンビ―フォーラム」を開催した。参加者は奈良市の魅力と“その魅力がなくなる可能性”を考え、それを守るにはどうすればよいかを検討。「奈良市バンビー宣言」としてまとめて発表した。
奈良市が抱える観光問題の一つである「観光客の滞在時間の短さ」。それに対して、観光地で感じた気持ちを表す色を観光客に調査し、奈良市の新しい観光マップを作成することで“目的地数”を増やし、滞在時間を伸ばす取り組み。学生262名への予備調査、奈良市を訪れた観光客約670名に対して実施したアンケートをもとに、観光マップを作成・配布した。今後、観光マップの有用性の実証や地図範囲の拡大等を考えていることが報告された。
「既婚女性の就業率の回復が鈍い」等の奈良市の課題に対する取り組み。「女性エンジニアへの道を踏み出そう!」をテーマとし、小学生の女の子に向けたものづくりの場の提供を企画した。使わなくなったものを価値のある新しいものにつくり変える“アップサイクル”と、デジタルデータを元に創造物を制作する技術“デジタルファブリケーション”を題材に、材料には地元企業ご提供の廃材を活用し、2024年1月と2月にワークショップを開催した。
部活動の地域移行や地域との交流を目的に、中学生のための野球教室を2023年11月〜2024年3月にかけて5回実施。野球部のなかで、宣伝活動やメニューの検討など役割を決めて分担し、指導は部員全員で行った。大学OBの方の力も借りながら、ウォーミングアップやトレーニングなどで科学的な知識も取り入れつつ運営し、延べ約100名が参加した。開催後のアンケートでは、回答した全員が「楽しかった」と答えるなど高評価を得ることができた。
元NARACITYコンシェルジュの3人が企画・出演するラジオプロジェクト。コンシェルジュの活動中に感じた奈良の伝統行事などに訪れる学生の少なさ。自分たちから奈良の魅力を発信し、学生の活気に溢れる奈良にするためにラジオ番組を企画。“推しのイケメン仏像グランプリ” など、SNSを活用したリスナー参加型の企画も実施した。2023年8月から3月まで、計16回放送された。来年度も放送を継続し、奈良は青春ができる場所であることを発信していく。
奈良教育大学、奈良女子大学、奈良県立大学の学生で運営している吹奏楽部の取り組み。奈良市内の各学校園や福祉施設に案内状を送り、依頼のあった先を訪問して演奏を行う活動で、3月19日時点において計6回開催した。演奏を聴いてもらうだけではなく、指揮者体験や手作りおもちゃを用いて演奏に参加してもらうのが特徴。参加者は各回50名を超え、大和西大寺ふれあい祭りでは100名を超える方々に演奏を届けることができた。
発表は休憩をはさんで前後半で行われ、休憩時間には発表者やメンターを交え、グループ内で感想を共有。最新技術を使ったものづくりから心理学、古代楽器など多岐にわたった発表内容を振り返り、会話がはずみました。
グループでの感想共有の様子
学生による活動報告の後は、奈良で活躍する起業家の栢森(かやもり)勇佑さんにご講演いただきました。栢森さんは、奈良市でラムネとチョコのお菓子“choco-ne(ショコネ)”の企画と販売を行う株式会社リリオンテを2018年に創業。現在は奈良にとどまらず、大阪の大手百貨店のイベント出店など県外でも商品を展開し、幅広く活躍しています。講演では、栢森さんの新卒時代から現在に至るまでのストーリーを臨場感たっぷりに語ってくださいました。参加者の学生に向けて、「何になりたいか、何をしたいかがわからなくても大丈夫。最後は自分の直感を大切に、小さくていいからやってみる」と温かくエールを送ってくれました。
学生団体の発表は、学生ならではの創造力やアイデアを存分に感じられる充実の内容でした。3時間以上にわたった会の終了後は、学生同士がつながる交流タイムとして会場が開放され、熱量の高い意見交換が続きました。皆さん、本当にお疲れ様でした!
奈良市では引き続き、学生の皆さんが奈良市で活躍していただけるよう取り組んでいきますので、是非、キャンパスから飛び出してチャレンジしてみてください!
シンポジウム「地域とつながる学生活動」申込フォーム<外部リンク>
奈良の学生同士がつながり、地域での活動を応援する交流企画を開催します。
大学生・大学院生・高専生・高校生などの学生のみなさまのご参加をお待ちしております。(一般の方もご観覧いただけます。)
「学生生活を充実させたい!」
「大学外にも仲間がほしい!」
そんな方はぜひご参加ください!
2024年3月19日(火曜日) 13時00分~16時30分(開場12時30分)
無料
奈良県コンベンションセンター 201、202会議室
1.学生による活動報告
奈良市の地域活性化や地域課題解決のために活動する学生団体を応援する「奈良市地域に飛び出す学生支援事業補助金」に選ばれた 12 の学生団体が活動を報告します。
2.奈良で活躍する起業家メッセージ
株式会社リリオンテ 代表取締役 栢森 勇佑 さん
『奈良で生まれ育った私が、就職や起業を通じて感じたこと、挑戦していること』
3.学生同士の交流タイム
大学を超えて学生同士がつながる交流タイム!
友達や仲間が見つかるチャンス。情報交換して大学生活をさらに楽しく!
シンポジウム「地域とつながる学生活動」申込フォーム<外部リンク>
国立大学法人奈良国立大学機構 奈良カレッジズ連携推進センター
なら産地学官連携プラットフォーム事務局
メール:yamato-class@cc.nara-wu.ac.jp
電話:0742-20-3989