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8月8日に、南海トラフ巨大地震の想定震源域内を震源地とする地震が発生しました。
気象庁は、初の「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を発表。関東から九州にかけては、強い揺れに備えるよう、注意が呼びかけられました。
9月1日は防災の日。改めてすぐに備えられる防災・減災対策を考えてみませんか。
防災士の資格を持つ市職員が解説します。
静岡県〜九州東沖の海底にある溝状の地形「南海トラフ」。
これが動くことで、マグニチュード8〜9級の巨大地震が発生し、最悪の場合の推計死者数は約23万人※とされています。
この周辺でマグニチュード6.8以上の地震が観測される等により、「南海トラフ地震臨時情報」が発表されます。
※内閣府「第39回中央防災会議(令和元年5月31日)」資料より
災害時はライフライン復旧まで1週間以上、支援物資が届くまで3日以上かかるケースがあります。
日常的な備蓄は、被災後に自宅でしのぐ場合に役立ち、避難所に持っていくこともできます。
こちらは備蓄品の一例です。家族の構成や状況に合わせて、必要なものをそろえてみましょう。
1人1日3L、1週間で21Lが目安。給水袋や運搬する用具もあると便利。
1人3日〜1週間分が目安。
缶詰やおかゆ、アルファ化米、ゼリー等を用意しましょう。
避難所ではパンやおにぎりが多く、栄養が偏り、高血圧や心臓病等を引き起こすことも。
食べ慣れたものや缶詰の他、ジャガイモ・玉ねぎ等の日持ちする野菜、梅干しや干物等の常備もあると良いです。
▶︎要配慮者の食品は、自らの備蓄が頼りに
アレルギー対応食や赤ちゃんのミルク・離乳食、高齢・障害等で飲み込めない人向けのおかゆ等の「特別用途食品」は、公的機関の備蓄も十分な量がありません。
食べられるものを自分でも調達しておきましょう。
▶︎ビニール袋で、おかゆが簡単に作れます
少ない食材で調理できる「パッククッキング」。
耐熱性のポリ袋に食材と調味料を入れ、沸騰した鍋で加熱するだけ。
要配慮者等のおかゆや柔らかい食事等も、食べる人に合わせて、手軽に作れます。
パッククッキングのレシピについて、こちらで詳しく紹介しています。
ラップで紙皿を覆えば、器を洗わずに使用できます。
カセットこんろのボンベは10本が目安。火がなくても、レトルト食品を温められる加熱袋もおすすめです。
断水に備えて、除菌できるウェットティッシュや水のいらない歯みがきシート等を用意。
マスクは避難所での感染症予防や粉じん除けにもなります。
携帯トイレは1人1日5回分が目安。
避難所の仮設トイレが不足すると、長蛇の列に耐えかねて水分を控えがちに。
足の血栓から脳梗塞、口腔内の雑菌から誤えん性肺炎にもつながります
スマートフォンやラジオは電池切れにならないよう、普段から予備のバッテリーを準備しましょう。
ラジオ付き懐中電灯等も便利。
家族や親戚の電話番号や口座情報等はあらかじめメモに。離れた家族の避難場所を書き留める等にも使えます。
日中に災害が発生した場合は、家族がバラバラに被災・避難する可能性が高いです。あらかじめ安否確認方法を決めておきましょう。
・災害用伝言ダイヤル「171」
災害時に利用できる声の伝言板。171ダイヤル後、電話番号を入力し録音するだけ。別の人が同じ電話番号を入力すれば、再生できます。
・「三角連絡法」で遠方の親戚が中継役に
被災地から離れた場所は、電波が通じやすいです。家族がバラバラに被災した際は、遠方の親戚にそれぞれ連絡し、安否を伝えてもらう方法もあります。
仕事や学校、買い物等、外で過ごすことが多い日中。自宅に備えがあっても、外出先では使えません。普段使うカバンに常備しておきましょう。ポーチ等も可。
常に一定量を備蓄できる方法です。缶詰やレトルト食品等を少し多めに購入し、消費期限の早いものから消費。
その後、また同じ量を購入することで、常に家庭に備えができます。
この他にも、家族で必要なものを話し合いながら備蓄品をそろえていきましょう。
大地震発生後は、原則水洗トイレの使用は控えましょう。下水道や汚水管が破損していると、汚水が逆流します。特にマンションでは、下の階への汚水漏れや、室内の排水管に影響が出る可能性もあります。
安全が確認できるまでは、洋式便器にかぶせる「携帯トイレ」等を使いましょう。
給水シートや凝固剤、防臭袋等が付いた製品もあります。衛生環境を保つことは、被災後の健康維持にもつながります。
※製品により使用方法は異なります
備蓄の購入や安否確認の方法等、一緒に再確認しましょう。
◆避難と安否確認の方法
まずは、「自宅から避難所までの安全なルート」を確認。
家族が一緒にいない、会社や学校にいるときの連絡方法や、はぐれた時の待ち合わせ場所を一緒に決めておきましょう。
◆倒れそうな家具の転倒対策
寝室や子ども部屋、リビング等、長時間過ごす部屋の家具の高さを見直しましょう。
倒れそうな家具は、棚を固定する器具や扉のロック等を設置。
◆備蓄品のリストアップ・購入
水道、電気、ガス等の停止に備え、家族の人数や普段の生活スタイルに合う備蓄品について、話し合いましょう。
市ホームページの防災ポータルに、お役立ち情報を載せています。
ぜひ活用して、大災害に備えておきましょう
行政やインフラを担う企業のホームページで、普段から積極的に情報収集を行いましょう。
《防災情報収集に》
・市ホームページ、市公式LINE、危機管理課X<外部リンク>
身近な防災情報等を発信します。
・防災関連アプリ
緊急地震速報や豪雨予測等の防災情報、災害・避難・停電の情報をアプリで受信できます。
《備蓄の検討に》
・東京備蓄ナビ<外部リンク>
世帯の情報を入れると、必要な備蓄品の種類・量を確認できます。備蓄品で作るレシピ等も掲載。
100年前の関東大震災。発災後には、富士山の噴火や井戸に毒が入れられる等のデマが発生し、殺傷事件にまで発展しました。
能登半島地震でも、SNSのデマ被害が発生。「救助が必要な人がいる」と嘘の住所等が拡散され、被災地外からも市役所や消防への通報がありました。電話回線はパンクし、避難・救助活動の支障となりました。
災害後は多くの不確かな情報もあふれます。行政や企業等、信頼性の高い情報を選んで行動しましょう。
記事の内容に関するお問い合わせ:危機管理課(電話番号:0742‐34‐4930)
しみんだよりに関するお問い合わせ:秘書広報課(電話番号:0742‐34‐4710)