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奈良しみんだより令和8年8月号(テキスト版)2-5ページ 特集:

ページID:0272315 更新日:2026年8月1日更新 印刷ページ表示

「いただきます」でつなぐもの
100年後、200年後も奈良の景色を守るために

私たちのまちの魅力の一つである、美しく連なる山々や四季の移ろいを映す田畑。これらの景色は、長い歴史の中で人々が自然を敬い、土を耕し、「農」によって命をつないできた軌跡でもあります。しかし今、時代の変化の中で、「農」の現場は多くの課題に直面しています。「奈良の恵み」を未来へとつないでいく。市内で進む、食と農の挑戦を取材しました。

受け継がれてきた、奈良のまちのカタチ

1200年以上の歴史を紡ぎ、山間部の寒暖差に富んだ気候のもと生産される「大和茶」。古くからの田園風景を今に留める水田が育む「米」。2011年に品種登録された奈良が誇るブランドいちご「古都華」。豊かな景色と土地の営みを次の世代へ引き継ぐこと。それは、100年後、200年後の奈良のまちを守ることにつながります。

高齢化が進む奈良の農業と、新しいちから

今、市内の農業従事者は減少傾向にあります。農業経営体数は2020年までの15年で約4割減少(グラフ(1))。担い手の6割以上が65歳を超える一方、34歳以下はわずか0.4パーセント(グラフ(2))に留まります。背景の一つには、農業で生計を立てていくことの難しさがあります。市では、令和6年度より農業経営者向け講座を刷新。「なら農業マネジメントアカデミー」として販売力強化や経営改善の講座を通じ、より多様な支援を展開しています。こうした環境の中で、情熱を持って「農」と向き合う新しい世代が育っています。未来を切り拓く農業経営者の挑戦に迫りました。

グラフ(1)奈良市農業経営体数の推移
2005年…2,432経営体
2010年…2,192経営体
2015年…1,827経営体
2020年…1,461経営体
グラフ(2)奈良市の農業経営者の年齢
15~34歳…0.4パーセント
35~44歳…2.5パーセント
45~54歳…6.2パーセント
55~64歳…24.8パーセント
65~74歳…40.4パーセント(65歳以上の農業経営者が6割)
75歳以上…25.8パーセント
【出典】農林水産省「農林業センサス」

次世代の農業経営者を育てる

2024年から始まった、なら農業マネジメントアカデミー受講者に話を聞きました。
なら農業マネジメントアカデミー: 経営の基礎と改善手法を座学と実践の共有で学ぶ。小さな課題を見つけ、即実践・改善を繰り返し、経営改善をサポート。3年目を迎え、多くの受講生がここで学び、市内の多様な農業経営を支えている。
​〇インタビュー…株式会社岩井農園 岩井実保さん 夫婦二人三脚でいちごとお米を生産

一人で悩まず「まず動く」。ささいな改善で農業を楽しく。

結婚を機に農業に携わり、「もっとこうしたら良いのに」と思っても、行動に移せずにいました。そんな時に講座の案内で「改善」というメッセージが目に飛び込み「これだ」と参加を決めました。この講座をきっかけに「まず動く」ようになりました。講師の「ささいなことからでいい」という言葉に背中を押され、口頭では伝えにくい作業の動画を作成。その結果全員が安定したクオリティーで作業出来るようになりました。同じ悩みを持つ仲間と出会えたことも励みになっています。現場の視点で一歩前に進めるこの講座を、ぜひ多くの農家さんに体験してほしいです。

大好きな景色を守り、子ども達が帰ってこられる未来を

私自身、地元に帰った時に景色が変わっていて寂しく思うことがあります。だからこそ、今住んでいる奈良の景色を変えたくない、子供たちが大人になっても懐かしいと思える景色を残したいという思いがあります。
今、地域の高齢化で「機械が壊れたから、体調を崩したから田んぼを預かってほしい」という声が増えています。地域の人たちが頼りにしてくれてるからこそ、耕作放棄地が増えて景観が変わってしまわないよう、その想いに応えたい。今年から効率化のためのお米の専用倉庫を建て、田んぼを維持する挑戦を始めました。これからも新たな手法を取り入れながら、より良くしていくことを常に意識していきたいです。

なら農業マネジメントアカデミー
「経営改善コース」受講生募集

受講者同士のワークショップ、圃(ほ)場視察等で、自農園に合った改善をすぐに実践できます。
「経営改善」はむずかしくない!
【とき】8月26日(水曜日)、9月24日(木曜日)、10月19日(月曜日)、11月27日(金曜日)
【講師】ファームサイドの佐川友彦さん
【定員】市内に農場を持つ65歳未満で、農業所得のある人かその家族、従業員10人程度
※受講者は受託事業者と協議の上決定
【申込】専用フォームから8月19日までに申込
くわしくはこちら…https://www.city.nara.lg.jp/soshiki/110/269597.html

てん茶生産への挑戦を支援します!

市では、スマート農業(ドローン等ICT技術やAIによる作業効率化)の導入支援等、時代に即した支援を進めてきました。今年度より「大和茶」のブランド力強化、競争力強化へ向けた新たな支援をスタートしました。

世界的な需要が高まる抹茶。
その原材料「てん茶」の産地化につなげるため、生産や加工を市が後押しします(予算上限に達し次第終了)。
・茶苗木補助金(被覆茶重点支援分)
市内でてん茶に適した品種(被覆茶)の茶苗木を新植か改植する際、茶苗木の購入費用の一部を支援します。
くわしくはこちら…https://www.city.nara.lg.jp/soshiki/110/268384.html

・てん茶加工委託支援補助金(10月30日まで)
市内で生産された生葉を外部の製茶事業者に委託し、てん茶として加工する費用の一部を支援します。
くわしくはこちら…https://www.city.nara.lg.jp/soshiki/110/264340.html

学べば、「奈良の恵み」はもっとおいしく。
次ページでは、教室に届く郷土の味と、楽しみながら学ぶ食育の現場を届けます。

 

教室へ届く、奈良の恵み

市の学校給食では、市産・県産の食材を積極的に取り入れるとともに質を高め、より安心・安全な食の提供を進めています。地元の食材や食文化を楽しく学び、味わう時間は、子どもたちの健やかな体と心、地域とのつながりを育んでいます。

古都ならの日

月1回、市産・県産の食材や郷土料理を提供し、奈良の食を知ってもらう機会に。

7月13日のメニューはこちら!
主菜:いわしの磯辺天ぷら
副菜:高野(こうや)の粉(こ)の煮物(高野の粉、鶏ミンチ、にんじん、青ねぎ(市産)、うるめ節)
主食:ご飯(米(市産))
汁物:奈良なすのみそ汁(なす(県産)、油揚げ、玉ねぎ(県産)、にんじん、青ねぎ(市産)、うるめ節)
​デザート:大和茶(県産)あん入りわらびもち

〇奈良の食文化を伝える 
大宮小学校栄養教諭 山中淳代さん
奈良市の給食では、大和茶等、地場産物を生かした献立を提供しています。3年生の社会科と連携した食育授業では、苦みを抑えた「煎茶の冷茶」と、少し温かい「ほうじ茶」を飲み比べました。お茶を入れる音を聴き、お茶の色を見つめ、香りを感じ、手で温度を確かめ、ゆっくりと味わう。大和茶を五感で楽しんだ記憶は、地元の食を考える大切な一歩になるはずです。

子どもたちに充実した学校給食を
質アップアンド負担ダウン

市は今年度より、物価高騰に対応しながら質の改善を行うため、1食当たりの給食単価を見直しました。一方で、国の交付金も活用し、保護者の経済的負担軽減を進めています。

予算(単価)を大幅増額
より質の高い給食を提供
小学生:292円から350円へ〈1食当たり〉
中学生:343円から450円へ〈1食当たり〉

保護者負担額は軽減
国の交付金を活用
小学生:292円から56円へ〈1食当たり〉
中学生:0円のまま軽減なし〈1食当たり〉
※中学生は令和7年度より継続

コラム…学校外でも地元のおいしさに触れる

産地を巡る親子バスツアー
市産農産物の産地を訪れ、体験や交流を楽しみながら農業や農産物の学びにつながるイベントで、令和6年度にスタート。前回のツアーではいちご狩りやぬか漬け作りを親子で体験しました。今年度のツアーもお楽しみに
〇参加者の声
「色んな体験が一度にできるのはとても良い経験になりました!」
「いつもは消極的な子どもが、積極的に収穫を楽しんでいたのでうれしかったです。」

クイズ 知っている「大和伝統野菜」はありますか?

下の3つの野菜は、奈良市内でも栽培されている「大和伝統野菜」です。
いくつ知っているか、ぜひ挑戦してみてください!
(1)ツヤのある紫黒色で美しい型が目印。煮崩れしにくいため、煮物や天ぷらがおすすめ。
(2)細長い形状と、辛味が少なくしっかりとした食感が特徴。熱を通すと甘味が増します。
(3)シャキシャキとした食感、みずみずしさと甘さ、ほろ苦さが魅力です。冬の味覚の定番。

クイズの答え:(1)大和丸なす (2)ひもとうがらし (3)千筋(せんすじ)みずな

あなたもできる農を守る「地産地消」

今日からできる一番の応援は、地元の旬をおいしく食べること。
市産や県産の旬の農作物や特産品に出会える場に、あなたも足を運んでみませんか。

ORGANIC GREEN MARCHE in 奈良市役所

有機農業をはじめとする環境に配慮した農業を知り、農産物に触れるマルシェを開催します。生産者や販売者のみなさんからおすすめの食べ方を聞けるかも。
【とき】8月20日(木曜日)午前11時~午後2時
【ところ】市庁舎中央棟1階(二条大路南一丁目)

Tobu高原マルシェ 2026夏inならファミリー

豊かな里山が広がる市の東部地域には、地域の新鮮な食材を扱う農産物直売所があります。今回はならファミリーでマルシェを開催。市東部地域の新鮮な食材を販売します。
【とき】8月22日(土曜日)湖畔の里つきがせ、9月5日(土曜日)田原やま里市場
午前10時~午後1時ごろ※雨天決行、荒天中止。売り切れ次第終了。時間の前後あり
【ところ】ならファミリー1階らくだ広場(西大寺東町)
くわしくはこちら…https://www.city.nara.lg.jp/event/naraharu/268470.html

ここでも買えるよ!

今回は月ヶ瀬と田原から、2店舗が出店。
・湖畔の里つきがせ
・田原やま里市場

その他の直売所の情報は

東部地域観光情報サイト「さとやま」で…https://www.city.nara.lg.jp/site/naraharu/

【問合せ】東部出張所(電話番号:0742-93-0001)

もっと奈良の食材を楽しむなら

農政課のSNS(Instagram・YouTube)では、イベントの様子や地元野菜のおいしいレシピ等の情報を発信中です
・市産農産品の産地や食べ方を動画で紹介!
YouTubeはこちら…https://www.youtube.com/playlist?list=PLf8mSCa8xvoGvWcHwUxy7vW0X0D7Y41Jh
・おいしく食べられるレシピが満載!
Instagramはこちら…https://www.instagram.com/naracity_agri/

【問合せ】給食・食育について:保健給食課(電話番号:0742-34-4830) その他について:農政課(電話番号:0742-34-5142)


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