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第二の故郷等を応援できる「ふるさと納税」の利用が広がり、奈良市でも、市外への寄附が増え続けています。実は、自分たちのまちをふるさと納税ができることを知っていますか。今こそ、納めるだけではないまちを育てるための「選択」をしませんか。

令和6年度、市へのふるさと納税寄附総額が、制度開始以来初めて8億円を突破し、過去最高額を記録しました。これは、積極的な広報活動を展開した結果、奈良市への応援が全国に広がっていることの証しであり、市政運営における大きな推進力となります。
一方で、奈良市民のみなさんによる他自治体への寄附は増え続けています。令和6年度の市外への寄附額は過去最大となる約41億円。これは、まちの未来に大きく関わる金額です。市は、返礼品の充実等により全国からの応援に応えるだけでなく、市民のみなさんにも奈良市にふるさと納税してもらうことが重要と考えています。そこで、市では、税金の使い道「使途」の充実を進めています。
市外への寄附が止まらない理由の1つが、返礼品の有無と考えられています。住んでいる自治体へのふるさと納税では、税控除を受けられますが返礼品はもらえません。しかし、自分の税金を、応援したい特定の事業に絞って投資することができます。例えば、医療設備の充実や子育て支援サービスの向上等、暮らしや生き方に直結し、市外への寄附では得られない豊かさが手に入ります。奈良市のふるさと納税には、私たちのまちを育てるための多くの使途があります。あなたが応援したいまちの未来を選んでみませんか。
>>使途一覧
6年連続で達成した犬猫殺処分ゼロを継続するため、保護された犬猫の譲渡や、飼い主のいない猫の不妊去勢手術等の活動を支援します。

「日常に公園のある暮らし」を掲げ、市民のみなさんにとって魅力的なまちとなるために、キッズパークの拡充・整備を進めています。

コンクール出場等、精力的に活動する市立学校吹奏楽部。老朽化する楽器の整備等、その活動を未来へつなぐための支援を展開します。


1300年の長い歴史と奈良の人々の暮らしの中で発展しながら、天平の技術と文化を脈々と受け継ぐ奈良の工芸品。 その継承と進化の今を伝えます
国内外から毎年多くの観光客が訪れる「正倉院展」。現代の人々をも魅了する正倉院宝物には、渡来品だけでなく、天平の工匠たちによる精巧な工芸品が数多く含まれています。これらの宝物は、約1300年に及ぶ歴史の中で途切れることなく技術と文化を継承してきた奈良の伝統工芸の象徴です。また、「伝統産業発祥の地」と称される奈良から各地へと広がった、日本の工芸文化の源流を今に伝える貴重な歴史の記録でもあります。
奈良の伝統工芸は、社寺と結びつき、人々の暮らしの中で発展しながら、その優れた技法を脈々と受け継いできました。しかし近年、需要の縮小や後継者不足等によって、その技術と文化の継承が危機に瀕しています。次代を育て、奈良の伝統工芸を未来へつなぐことは、日本の工芸の原点、そして文化の根幹を守ることにほかなりません。
市では、奈良の伝統工芸の創造性を受け継ぎ、次代の先頭に立つ作家の育成を掲げ、若手作家の支援を強化しています。「奈良伝統工芸後継者育成研修」に加え、令和4年度からは「Nara Crafts’ Cross Project(NCCP)」を始動。このプロジェクトでは、個々の状況に応じたブランド力向上や経営・販路開拓等の実戦的な支援を通じ、現代に通用する事業性を伴った継承を目指します。

710年 平城京遷都・興福寺創建
752年 東大寺大仏開眼供養
756年 聖武天皇の遺愛品等が奉献される(正倉院宝物の起こり)
768年 春日大社創建
1136年 春日若宮おん祭が始まる
1467年頃 珠光が「わび茶」を始める
※太字は主な奈良市での出来事
育成支援事業で赤膚焼を学んだ作家の菅原さんは、伝統的な技術を継承しつつ、独自の作風と発信力で活躍の場を広げています。その原動力や戦略を聞きました。
1995年奈良市生まれ。赤膚焼窯元 大塩昭山氏に師事。平成30年より奈良伝統工芸後継者育成研修第5期生として3年間の研修を受講後、独立。生き物をモチーフにオリジナルの作品を手掛ける。令和6年日本伝統工芸展近畿展入選。令和4年NCCP参加

陶芸の訓練校を経て、大塩昭山先生の元で技術はしっかり学びました。ですが、ろくろを何十年も回す人がいる業界で、若手が生き残るには、技術だけではない「独自性」が必要だと感じていました。そこで、赤膚焼の技法を守りつつ、自分の好きな細かい細工や生き物の造形を全面に押し出すことで、差別化を計りました。最近はこれまでの赤膚焼に囚われすぎないことを意識しています。
最も役立ったのは、生産性の効率化とブランディングです。指導を受け、全て手作業だった工程に石膏型を導入しました。ただし、型に頼るのは工程の50パーセントほど。一点ものとしての個性を出すために、必ず自分の手も加えています。これにより、自身の個性を保ちながら制作時間を確保できました。また、発信力の弱さを指摘され、パンフレット制作やInstagramの活用も進めました。
自分の持ち味である細工物やリアルな生き物を足がかりに、赤膚焼を若い層にもっと知ってもらいたいと思っています。Instagramで陶芸体験の様子を発信したり、10代、20代に響くアプローチを積極的に仕掛けています。伝統工芸の多い奈良は、他分野の作家との交流や一緒に発信ができることが大きな強み。奈良の伝統工芸全体を盛り上げ、工芸に出会うために多くの人が奈良を訪れてくれることを願っています。


奈良独自の伝統産業である奈良墨。墨匠として家業を継いだ、長野さんは、多様な媒体での発信や啓蒙活動を活発的に行い、注目を集めています。工芸を伝えることへの思いを聞きました。
1977年奈良市生まれ。外食産業での10年超の勤務を経て、家業を継ぐ。墨の魅力を伝えるため、さまざまな発信を行う

私が家業を継いで気づいたのは、奈良墨の分業体制を支えてきた職人たちの高齢化と廃業が進んでいることでした。産地全体の存続のため、職人への取材と情報公開を決意。メディアで取り上げられたことで、後継志願者も現れました。ありのままの現状をしっかりと伝えることが大切で、奈良墨の歴史をつなぐために行ったクラウドファンディングでも多くの人から支援が集まりました。
奈良墨が持つ「書く」だけではない、「見て楽しむ」「香りを楽しむ」等、特殊で多様な筆記材としての魅力を発信し、書道関係者以外にも関心を広げています。また、クラウドファンディングの余剰費で、全国の学校に無料で出張し、墨の啓蒙活動も行っています。いつか制作に専念したいと考えていますが、今は「動くこと」で奈良墨の歴史と文化を未来へつなぐ役割を果たしたいと思っています。

ならまち大通り沿いに位置し、奈良の伝統工芸と人·まちをつなぐ「なら工藝館」は、創立25周年を迎えました。10月25日(土曜日)·26日(日曜日)には、工芸作家の技を目の前で見うれる制作実演や、気軽にできる体験会を開催しました。フェスティバルは毎年開催しています。ぜひ遊びに来てください。

▲古楽面の彩色体験

▲赤膚焼窯元の親子対談

▲海外からの観光客も

▲制作実演

同館では、若手作家の作品も取り扱っており、個性豊かな作品に出会えます。近年は来館者が増え、たくさんの人の手に渡っていると実感しています。10年後、中堅として業界を牽引することになる作家たちの作品に、ぜひ会いに来てください。みなさんが足を運び、伝統工芸に触れ、購入してくれることが応援になります。

お気に入りの作家がいる場合は、工芸品の購入で応援できますが、「奈良の伝統工芸を盛り上げたい」「まだ見ぬ若手作家の誕生を応援したい」という人は、この機会にふるさと納税をしてみませんか。あなたの寄附が、奈良の伝統工芸の未来への継承や、奈良の魅力向上の一助になるかもしれません。
ふるさと納税について:ふるさと納税室(電話番号:0742-93-3274)
伝統工芸について:産業政策課(電話番号:0742-34-4741)