本文
近世には、目的に応じていろいろな種類の絵図が作成されました。例えば、国政や地域支配の基本資料として幕府が作らせた国絵図や、各藩が作った藩領図・郡図、さらに細かく町や村を図示した町絵図や村絵図などです。また、17世紀ごろから各地で地誌編纂が盛んになる中で刊行されるようになった都市図、さらに社寺参詣や名所見物などが庶民にも広く浸透すると、旅行者を対象にした神社仏閣や名所旧跡の案内図も作成されました。
絵図は、視覚的にその地域や目的地をイメージできるという、古文書のような文字中心の史料にはない魅力があります。また図だけではなく書き込みや刊記なども含めて、地域や領域に関するいろいろな情報がつまっています。
今回の展示では、館蔵の絵図史料より、江戸時代から明治初期に作られた奈良に関わるさまざまな古絵図を展示して、江戸時代の奈良を紹介します。
期間 |
平成31年4月23日(火曜日)~令和元年7月21日(日曜日) |
---|---|
時間 | 午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで) |
入館料 | 無料 |
主な展示品 |
|
展示解説 | 館員の展示解説を、史料保存館で期間中2回行います。申込は不要です。 5月12日(日曜日)午後1時半~ 7月2日(火曜日)午後1時半~約30分の予定です。 |
展示関連イベント |
奈良町にぎわいの家出張展示 企画展示「古絵図をみる-奈良の絵図いろいろ-」展にあわせて、奈良町にぎわいの家で、展示に関連した史料の一部を出張展示し、史料保存館の館員が史料の解説を行います。 日時:令和元年6月16日(日曜日)午後2時~4時 解説:午後2時から約30分 会場:奈良町にぎわいの家(奈良市中新屋町5) 費用:無料 |
後援 | 〈歴史街道HPはこちら<外部リンク>〉 |
芝新屋町惣絵図〈全期間展示〉
天保6年(1835)
町絵図は、奉行所などが各町の町役人に作らせたものです。芝新屋町は、かつて元興寺の伽藍があったところです。町の中央を南北に道が通り、この道に沿って約20軒の町家が建ち並んでいます。南と北に木戸(絵図では門)が設けられ、木戸の近くには髪結床がみられます。
和州添上郡三条村領内絵図〈前期展示〉
享保16年(1731)※初公開
三条村は、奈良町の西の入口に位置する村で、江戸時代は興福寺領でした。この絵図は、寛永18年(1641)の古絵図を享保年間に写したものです。村内に形成された細川東町などの町は桃色、ため池(三条池)は青色、田地は黄色、道は赤色で示しています。
和州奈良之図〈全期間展示〉
天保15年(1844)
奈良の絵図屋庄八が、天保15年(1844)に作成した色刷りの版図です。奈良奉行所を中心に東を上に描き、吉野・高野・京都・大坂・河内など東西南北の里程を付し、奈良八景、社寺の年中行事・祭礼などについても紹介している名所案内用の絵図です。
※写真の無断転載禁止
開催日:2019年4月23日 から 7月21日
場所・時間等:
奈良市脇戸町1-1
史料保存館
開催しない日: