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奈良しみんだより令和元年6月号(テキスト版)2-5ページ 特集:地域につながりを 地区社協の活躍

更新日:2019年6月1日更新 印刷ページ表示

地域につながりを 地区社協の活躍

写真:鳥見地区社協が開催する「もりもりキッチン」。ひきこもりがちな若者たちが活躍する。アットホームな雰囲気で地域住民の憩いの場となっている

近年は少子高齢化や核家族化が進み、地域のつながりが希薄になってきたと言われています。今月号ではそんな状況の中、暮らしに課題を抱える人が孤立しないよう地域生活を支える見守り活動や居場所づくり等をボランティアで進めている「地区社会福祉協議会(地区社協)」を紹介します。

地区社協って何?

市社会福祉協議会(市社協)とともに、「福祉のまちづくり」を進める目的で、おおむね小学校区ごとに結成された民間の自主的な団体(任意団体)です。奈良市では、市内全域46地区で結成されています。

地区社協の構成

地区社協は、地域内の福祉関係団体等を中心とした、さまざまな分野の団体や住民により構成されています。また、地区社協は地域づくりに関心がある人、何か地域の役に立ちたいと思っている人等、誰でも気軽に参加できます。

地区社協の構成員

住民組織(婦人会・子ども会・少年指導協議会・PTA・保護者会等)

民生委員・児童委員

当事者組織(万年青年クラブ・障害者(児)団体等)

自治連合会・自治会

地区ボランティアグループ

教育分野機関(学校、幼稚園等)

関係機関(医療機関・社会福祉施設・地域包括支援センター等)

その他 地域づくりに関心のある人(福祉推進員・個人ボランティア)

ユニークな活動をしている地区社協をインタビュー

地区社協の活動は地域ごとで特色があります。地域に住む人の声を拾って、みんなで話し合い必要な活動や地域の人々が活躍できる場をつくり出しています。

鳥見地区 ひきこもりがちな若者と一緒につくる「地域の居場所」

「もりもりキッチン」 語り手 ● 松本弘子会長

写真(1)みんなでカレーを作っている風景(写真右が松本会長)。作業をしながらだと、自然と会話になり連帯感が生まれる

写真(2)名物「鳥見ン家(トリミンチ)カレー」。特注粗挽き肉を使用し、このボリュームで300円

「もりもりキッチン」は、ひきこもりがちな若者たちも活躍できる場所として、2年半前に立ち上げました。毎月第4土曜日午前11時半~午後1時に開店しています(スタッフの活動時間は午前9時~午後2時)。
活動のきっかけは、住民誰もが気軽に集える場をつくりたいという地区社協の思いと、市社協や地元の小学校の先生から、ひきこもりがちな若者(卒業生)が活動できる場がつくれないかという相談があったことでした。
当初は、若者の姿も少なく、学校の先生やひきこもり支援機関の人と一緒に考え、悩み悩み運営してきました。今では、若者の参加も増え、私たちスタッフのおばちゃんたちにとって、若者たちのチカラは必要不可欠となりました。若者たちも、おばちゃんたちに頼られ、必要とされることが、自信につながっているようです。実際、アルバイトをしてみたり、大学に進学したり、就職した若者もいます。活動した対価を「活動費」として渡すこともしており、これが「もりもりキッチン」の一つの特徴ともなっています。
また、ここで若者と触れあうことで、私たちやボランティアとして参加する地域の人の学びにもなります。ご飯をみんなで一緒に食べることが苦手な人もいること、活動日の直前に参加をキャンセルした理由を聞くと夜通し考え悩み続けた挙句の不参加であったこと等、いろんな若者がいることを知ることができました。だから、若者は当日来られたらよし、休んでもよし、ゆるくつながり続けられることを大切にしています。
この「もりもりキッチン」で提供しているカレーは、精肉店に特注した鶏ひき肉を使う等こだわりのレシピです。どなたでもご利用いただけますので、ぜひ食べに来てください!
そして、一歩踏み出してみようと思う若者がいたら気軽に訪れて欲しいと思います。
アクセス…三碓町2204 鳥見ふらっと内
電話番号:0742-93-3741

COLUMN 地区社協と市社協の関係性は?

地区社協と一緒に「福祉のまちづくり」を進めるパートナーとして市社協があります。組織の性格や対象地域、取り組み等にそれぞれの特徴があり、市社協には、地域づくりを進めるための専門職が配置されています。

地区社会福祉協議会

性格…法的な位置づけはない福祉推進の自主組織
対象地域…おおむね小学校区(市内全域に46地区)
取り組み…住民互助活動の取り組み(つながり、見守り、支え合いを目的とした住民の助け合いによる福祉活動の取り組み等)
運営財源…共同募金配分金、助成金、会費、寄付金等

市社会福祉協議会

性格…社会福祉法に位置づけられた社会福祉法人
対象地域…市域全体
取り組み…福祉コミュニティづくり(地域活動支援や相談支援、ボランティア養成、生活支援の事業、指定管理事業等)
運営財源…公費補助、会費、寄付金(善意銀行)、事業収入、委託事業・指定管理事業収入等

朱雀地区 地域の交流活動を8種類、月16回も行う

音楽、脳トレ、健康体操~楽しむ支え合い 語り手 ● 作間泉会長

写真:朱雀音楽祭で、地元平城高等学校コーラス部とコラボする楽器サロン。スピーチは作間会長

朱雀地区で一番大事にしていることは社協活動を「楽しむこと」です。活動は現在「歌のサロン」、「楽器サロン」、「喫茶サロン」、「健康体操」、奈良市で唯一の「脳トレ教室」等、8種類、1か月に16回です。このような活動の中で、休んだ人のことが気になり、電話をかけたりとお互いの見守り活動にもなっています。福祉活動というと難しく考えがちですが、地域の人が楽しんで参加できる居場所づくりをすることで、自然な支え合いにつながっていくような気がします。
また、自治会ごとの「見守りネットワーク」の活動の中で、「ひとり暮らしで閉じこもりがちな人が心配だね」とか、お宅訪問の際に「今日は話ができて良かった。あんたとおしゃべりせんかったら、1日声も出せへんわ」という声を聞き取る中で、地域にある心配ごとや困りごとをそのままにせず、地区社協や地域団体の枠を超えた「地域自治協議会=朱雀地区まちづくり協議会」で、地域住民みんなで考えていこうという機運が、今年は特に高まっています。
しかし、担い手がいないと活動は進みません。担い手づくりの工夫として朱雀では、誰かにだけ負担が集中しないよう部会制をひき、役割分担しています。また各自治会から代表で上がってくる人、活動に参加する中で仲間となった人が、やっていて楽しいと思えるよう、自分の特性を生かして活動をしています。
「できる人が、できる時に、楽しく、人を誘い合い、つながりを紡いでいく」。長年の活動、話し合いの結果、自然とそんな工夫が根付いてきているのかもしれません。
みなさんもぜひ各地区社協に関わり、楽しいと思える活動に出会っていただきたいと思います。

写真:喫茶サロンでコミュニケーション麻雀。わくわく感のある毎月違ったイベントが魅力

写真:楽器サロン。初めて来た人でも簡単なところから演奏。すぐに輪に入れる雰囲気がある

COLUMN 市内全域で連携する「地区社会福祉協議会会長会」

平成27年に各地区社協の会長46人で構成される「奈良市地区社会福祉協議会会長会」が発足しました。会長会は、地域ごとに活動をする地区社協がそれぞれの取り組みについて情報共有を進め、地区社協相互の連携を深めるとともに、地域の課題解決に向けて行政や市社協との連携を強化することを目的としています。また、7つのブロックから選出された幹事で構成される「幹事会」では、「ひとりぼっち“0”」をめざして個々の地区社協活動が発展できるよう協議を進めています。

写真:4月開催の幹事会の様子。活発な議論が交わされた

伏見南地区 看護師など専門職に気軽に健康相談できる

暮らしの保健室はなみずき 語り手 ● 森田春海会長

写真:「来た時よりも笑顔で帰る」をテーマに、健康体操や歌等のミニ講座を開催

伏見南地区として色々な活動に取り組んでいますが、その中でも特徴的なものに看護師等の専門職に気軽に健康・介護等の相談ができる「暮らしの保健室はなみずき」があります。元看護師の渡邉さんが主催している活動です。
地域の高齢化が進む中、病院に足を運ばなくても身近で気軽に相談ができる「町の保健室的な場所が必要」と地区社協として考えていた時に、同団体が行っている活動と出会い、地域に大切な活動として、協賛という形でお手伝いをしています。毎月第4土曜日の午後1時から京西公民館平松分館で開催していて、相談の他、歌や健康体操・暮らしのミニ講座、茶話会をしており、いつも30人ほどが参加し賑わっています。茶話会では参加者同士の交流が深まり地域の人とのつながりができるため見守り活動にもつながっています。
この他にも子育ての悩み相談等ができる「子育てスポット」や音楽療法士によるミュージックケア・サロン等も定期的に開催していますので地域のみなさんにどんどん参加してもらい、住み慣れた地域でいきいきと暮らし続けていただければと思っています。

写真:会長の森田さんと、はなみずき代表の渡邉さん(前列左から1、2人目)とスタッフ

写真:ガン専門の看護師など、高い技術を持ったスタッフに健康相談ができる

大宮地区 みんなで楽しくおやつを食べて勉強

おかえりスタディー教室 語り手 ● 今西康乃会長

写真:おやつをしっかり食べて、宿題もしっかりする

平成30年7月から、「学校帰りの子どもたちに、みんなで楽しく勉強する場所をつくりたい」と地区社協のメンバーで始めました。活動は毎週木曜日の午後4時から5時で、現在は約30人の子どもが利用しています。
子どもたちは学校帰りにやって来て、おやつを食べてから宿題をします。おやつは、おまんじゅうやパン等のお腹にたまるものを選んでいます。子どもが多く賑やかなため、初めて利用した子は勉強に集中できないこともありますが、数か月もすると環境に慣れてしっかりと宿題ができるようになります。
活動のきっかけは核家族化が進み、家に帰っても一人で過ごしている子が多いのでは、と感じたからです。ここには子どもだけでなく、近所の住人や保護者等が来てくれ、声をかけてくれます。昨年ここに来ていて、今年、中学生になった3人が、4月からいろいろな活動を手伝いに来てくれるようになりました。その子たちは、大宮地区全体で開催する「大宮まつり」の準備にも参加してくれています。おかえりスタディー教室をはじめとする地区社協のさまざまな活動が、世代を超えて地域でつながるきっかけになることを願っています。

写真:会長の今西さんと事務局長の矢本さんと子どもたち

各地域では他にもさまざまな活動を行っています。興味・関心のある人はぜひお住まいの地区社協活動に参加してみてください。

本特集や各地区社協についての問合せ…福祉政策課(電話番号:0742-34-5196)
奈良市社会福祉協議会(電話番号:0742-93-3741)