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奈良しみんだより平成31年3月号(テキスト版)2-5ページ 特集:まちを創る、「市民の力」。

更新日:2019年4月1日更新 印刷ページ表示

まちを創る、「市民の力」。

「ボランティア」という言葉は、災害時の支援やオリンピックなど大きなイベントでの協力がクローズアップされますが私たちの日常生活や身近な場所にも、ボランティア活動で育み守られているものが多くあります。今回の特集では、このまちを創る「市民の力」となり長年ボランティア活動を続けているみなさんを紹介します。

「20年の軌跡」は、圧巻の桜並木へ秋篠川源流を愛し育てる会

スタートは地域への想い

春には桜の名所となる秋篠川源流域。20年前までは、大規模な住宅開発による生活雑排水の流入やごみの投機などが目立つ川でした。「川を美しくして、まちの憩いの場に」と、当時、地域で活動していた人々が、平成8年に募集された「市政100周年記念事業の市民公募アイディア」へ応募。「秋篠川への桜の植樹」を提案し採用されます。
約10人からのスタートではありましたが、現在の成果に向かって動き出した瞬間だったのです。そして、同年「秋篠川源流を愛し育てる会」が発足、桜の植樹の活動が始まります。

「桜の里親」のいる桜並木

「会員だけではなく、地域みんなでこの場所を育てていきたい」という想いは、植樹した桜一本一本の世話をする人として「桜の里親」を募集することで実現に向かいます。そして平成10年に「地域ふれあい植樹祭」を開催、2千人もの人が集まり、「桜の里親」たちが約100本の桜を植えました。現在も里親の人々によって「自分の桜は元気か」「まわりは綺麗になっているか」と、想いの込もった手入れが続けられています。

連なる桜、つながる地域

地域の人にまちへの愛着を持ってもらえるよう植樹の3年後から同会が始めた「桜祭り」は毎年恒例のイベントになり、また新緑の時期には子どもの川遊び大会を開催する等、地域では多くのふれあいの場ができました。
「自分のまちを美しいまちに。そして、まちの憩いの場づくりへ」。20年の活動を経て、今では約150本の桜の木が連なる美しい川へとその姿を変えた秋篠川源流域。同会発足当時の人々の願いは形となり、連なる桜が地域のつながり、賑わいとして、大きく開花しています。

写真:桜の枝木を剪定する同会のメンバー

写真:5月の川遊び大会。親子で川辺の生き物探しを楽しむ

活動インタビュー

桜の木が築いた関係

美しい景観を織りなす桜の木ですが、植樹当時は、成長に伴い枯れ葉や害虫等の問題が起こり、隣接している田畑に影響が出ることが懸念されていました。そこで、周囲の農家の人と話し合い、状況の報告を密に交わすうちに、活動を理解し桜の里親になった人もいます。桜の木を通して、皆で協力する関係が築けたことがうれしいですね。今も必要に応じて用水路の掃除等を行い、通行する人も周囲で農作業をする人も、みんなが気持ちよくいられるように活動を行っています。

まちの喜びとなる活動をこれからも

素人の私たちは全て手探りで活動を始めました。枝木の剪定や、桜祭り、子どもが川で遊べるよう堤防から水辺への階段を作ったときもそうです。
毎月第3土曜日に実施している堤防の清掃活動は、桜の里親を中心に多くの人が参加し、20年以上継続しています。今後も、地域の人々に喜んでもらえる活動を続けていきたいです。

写真:右から同会の吉澤定之さん、芦田一彦さん、石山英勝さん、青島行男さん。右の看板は桜並木誕生の趣旨を説明したもの(撮影1月)

秋篠川沿いの桜祭り

ステージイベントや児童絵画展なども開催。夜には奈良市の風物詩である燈花会の灯りがこの川沿いに登場します。秋篠川の夜桜を照らす幻想的な風景を楽しめます。

今年の桜祭り
  • とき 3月30日(土曜日)〜4月7日(日曜日)
    燈花夜桜まつり:3月30日(土曜日)・31日(日曜日)午後6時〜8時
  • ところ 秋篠川桜並木一帯(中山町西一・二丁目)奈良交通バス:「中山町西二丁目」下車
  • 問合せ 同会の吉澤さん(電話番号:090-3659-0393)

千年来の古道を千年先へも柳生街道・滝坂の道を守る会

失われつつあった「神聖」な古道

柳生街道は、世界遺産「春日山原始林」の中を通る古道です。その西半にあたる滝坂の道は、石仏が多く残されており、奈良・平安時代には山岳仏教の場であったと考えられています。
そんな歴史ある道ですが、明治時代から後は管理が十分に行われず、さらには増加するハイキング客が残したごみが散乱する等、環境は悪化していました。

有志が立ち上がり設立された「守る会」

平成10年に春日山原始林の世界遺産登録を機に、歴史ある貴重な自然を守ろうと「柳生街道・滝坂の道を守る会」をわずか5人で発足。清掃や整備等の活動を始めます。当初は地元有志を中心とした少人数のグループでしたが、ハイキング中に同会の活動に出会い入会する人もいるなど、現在では市外・県外からの参加者もあり、賛助会員を含めて50人の団体へと発展しました。

清掃にとどまらない活動

活動は清掃だけではなく、石段・石畳の修復等、危険箇所の修繕にもおよびます。平成23年には、以前から同会が要望していた、街道の見所である首切り地蔵の前にある公衆トイレの改築も実現し、現在は多くの人々が利用しています。
そして昨年は、豪雨や台風による被害で街道が一時通行止めとなりましたが、行政から復旧作業の協力要請を受け、倒木の撤去等を行いました。
同会の多岐にわたる保全活動に、訪れた人からも「古くからの趣きが残っていながらも歩きやすい」という声も届けられています。

柳生街道・滝坂の道

春日山と高円山の谷あいを通る、奈良市街地と柳生を結ぶ街道。江戸時代には「人を生かす剣」柳生新陰流を求めて武士が往来しました。
高畑から円成寺までは「滝坂の道」、続く柳生までは「剣豪の道」として、近年人気のハイキングコースとなっています。

活動インタビュー

楽しみながらも真剣に
市内外各地の山道の状態や城跡にある石垣の形状を学ぶために会員で現地に出かけることも多くあります。楽しみながら参加していますが、「保全作業に反映しよう」とそのまなざしは真剣です。
滝坂の道は世界遺産でもあるため、安全性と景観を両立させる保全をめざし、作業前後の行政への相談・報告も徹底しています。美しい道に整備すれば、行き交う人々も美しく使ってくれます。一つ一つの作業の繰り返しが、次世代へ歴史あるこの道を残すことに繋がっていくと思っています。
問合せ 同会の田中さん(電話番号:49・7821)

美化ボランティアをしたいと思ったら

市では、美しく安全なまちづくりを推進し、美化意識の向上を図るため、自主活動を行う地域の団体へ支援を行う「グリーンサポート制度」「アダプトプログラム推進事業」を行っています。

グリーンサポート

  • 清掃範囲:公園等
  • 活動内容:清掃、除草、低木の剪定等
  • 活動回数:1か月に1回以上
  • 人数:10人以上
  • 報奨金:あり

アダプトプログラム

  • 清掃範囲:道路、河川等
  • 活動内容:清掃、除草、花の植栽等
  • 活動回数:年6回以上
  • 人数:2人以上
  • 報奨金:あり(希望制)

※くわしくは市ホームページ「奈良市グリーンサポート制度要領」「アダプトプログラム推進事業 募集案内」に掲載

平成31年度のグリーンサポート制度(公園における維持管理活動)の登録団体募集中!

※アダプトプログラムは随時受付
受付期間 3月15日(金曜日)まで
申込 協働推進課に備え付けの申請書類(市ホームページからダウンロードも可)に必要事項を書いて、同課へ送付か持参︎
問合せ 協働推進課(電話番号:34-5193)︎

ボランティア制度を活用し、10年目を迎える佐保台グリーンサポートボランティアクラブ

市の制度で活動を開始

市北部に位置する佐保台の「特色」は、四季折々の花が咲く花壇と美しく整備された公園の多さ。そしてこの「特色」を育ててきたのが、佐保台グリーンサポートボランティアクラブです。平成20年に公園清掃への支援をする市の「グリーンサポート制度」が始まったことを契機に、自治会役員が中心となって地域の人々に声をかけ、活動が始まりました。

公園から道路へ。進めたまちの「特色」づくり

同クラブは、制度を活用し刈払機を購入。刈払機を使えるよう講習会を開催したり、土壌を良くする腐葉土を探しに行くなど、精力的に活動を続けました。
さらに、公園だけでなく、隣接するロータリー部分も整備して花を植えようと、クラブ発足の同年に花壇班も結成。市の「アダプトプログラム」にも参加しています。

10年の活動は、参加者の広がりと地域の活性化に

公園整備の活動が進むにつれ、「見ていた側」の人たちが「参加する側」になるなど、現在は61人の団体となり、活動は10年目になりました。
同会の伊達会長は「景観だけでなく、地域全体の安全性も高まり、近年子育て世代の入居者も増えています。地道に継続した活動の大切さを実感しています」と語っています。
問合せ 同会の平井さん(電話番号:71・6990)

環境保全や美化活動のほか、さまざまなボランティアが勢揃い 市のボランティア施設に行ってみよう

以下の施設では「ボランティア団体を探す・設立する」「募集を告知する」「会議室を借りる」等の活動支援を行っています。コーディネーターへの相談も可能!みなさんもボランティアに参加してみませんか?

ボランティアインフォメーションセンター

NPO設立相談会や、団体運営に必要な会計処理等の講座も行う施設。JR奈良駅から徒歩約5分。

電話番号:93-8435(三条本町13番1号はぐくみセンター1階)年末年始を除く午前9時〜午後9時。日曜日・祝日は午後5時まで

ボランティアセンター

鴻ノ池近くに立地する、社会福祉協議会が運営する施設。会議室以外に調理室と和室もあります。

電話番号:26-2270(法蓮町1702-1)月曜日〜土曜日の午前9時〜午後5時

本特集の問合せ 協働推進課(電話番号:34・5193)