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世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス。
「帰国者・接触者相談センター(新型コロナ受診相談窓口)」(2月5日開設)には4月末までに6,000件を超える相談が寄せられました。
市保健所も4月20日からPCR検査を開始(それまでは県で実施)し、毎日検査を行っています。
今月号は新型コロナウイルスに関する情報をさまざまな視点からお知らせします。
■ 奈良市の感染状況について
奈良市における感染者の状況(5月11日午後3時現在で計19人)
・性別
男性 10人
女性 9人
・年代別
30代まで 2人
40~60代 11人
70代以上 6人
・症状別
無症状 3人
軽症 10人
中等症 3人
重症 1人
上記うち退院した人が10人、入院中の人が7人(再入院、宿泊療養を含む)
死亡 2人
・感染経路別
(1)クルーズ船乗船者 2人
(2)大阪勤務者とその接触者 5人
(3)大阪訪問者とその接触者 4人
(4)感染場所の推定が困難 6人
(5)(4)の接触者 2人
〇市では3月6日に初めての感染者が発生し、4月に入ると、陽性者が増えてきました。5月11日現在、市内で感染が確認されたのは計19人となっています。
感染者の傾向を見ていくと、性別的な特徴は特に見られず、年代別には中高年(40~60代)に多く見られますが、中には若年層(20代)も2人が感染しています。
感染者の症状別では、無症状・軽症の人が約7割を占める一方、死亡者が2人出ており、また再発・再入院等のケースも出ているため、決して油断できない状況です。
感染経路の別で見ると、奈良市の立地的な特徴から、大阪への訪問者・勤務者、あるいはその接触者が一定数見られます。また、感染源が不明なケースも約3割あり、今後どこで感染が発生するか分からないため、各自が自覚を持って生活する必要があります。
新型コロナウイルス感染症に関する最新情報は市ホームページへ
https://www.city.nara.lg.jp/site/coronavirus
市保健所では4月20日から新型コロナウイルス感染症のPCR検査を始めています。
1回24検体、1日最大72検体までを検査できます。
ここでは、検査を受けることになってから、結果判明後までの流れを紹介します。
(1)受診相談から検査へ
帰国者・接触者センター(新型コロナ受診相談窓口)で受診相談またはかかりつけ医に相談
報告…市保健所で受診調整
市保健所には3人の医師、また多くの保健師が専門的な見地から受診調整を行っています。(24時間対応)
・自宅療養 または 通常診療
・帰国者・接触者外来で受診
検査対象と判断された場合
(2)帰国者・接触者外来等で検体採取
検査の必要があると判断されると、帰国者・接触者外来等で検査を行います。検体は鼻から綿棒を挿入し、分泌物をぬぐって採取します。
※外来診療時間は、屋内では2時間/1人、屋外(ドライブスルー検査)では15分/1人が目安です。市では5月からドライブスルー検査を実施しています。
(3)検体を市保健所に搬送
市内の医療機関から職員が随時検体を収集。市保健所内は汚染区域を完全に区別。
専用の容器等で何重にも密閉された検体を検査室へ搬送します。
(4)検体を開封、処理、失活等
検査室内の安全キャビネットの中で、慎重に検体の入った容器を開封します。ここからRNA(核酸)抽出に必要なサンプルを得るため、遠心分離機や試薬を使って処理します。この作業は、ウイルスの感染力を失わせる効果もあります。
「遠心分離機」は1分間に3,000回転させ、サンプルを取り出します
(5)微細な作業はロボットを使って、DNAの検出に必要なRNAを抽出(4)で得られたサンプルは「核酸抽出装置」を使って調製します。
調製されたRNAサンプルをPCR検査プレートに移し替えます。
「核酸抽出装置」は確実性に加え、清浄度の管理が装置内スペースで完結
「PCR検査プレート」に96個の2ミリメートル口径の穴にRNAサンプルを入れます
(6)DNAの増幅状況で、結果を判断
PCR検査プレートのRNAサンプルを「リアルタイムPCR装置」でDNAにし、このDNAを増幅していきます。加えられた試薬の下で温冷を繰り返し、陽性の場合は、DNAが2倍ずつ増えていきます。陰性は対象のDNAが存在しないので増えません。
こうして、約1時間で結果が出ます。
(7)成績書を作成し、患者に結果を通知
検査開始から結果判明まで4時間程度
・陰性の場合は自宅で療養
・陽性の場合は県内の病院へ入院
市立奈良病院も感染者を受入
4月27日から、中等症患者(肺炎の症状等がある人)を受け入れる病床を現在の1床から当面の間10床に拡充しています。感染の疑いで入院の必要のある人の対応についても、感染対策を強化し受け入れています。
【市立奈良病院についての問合せ】医療政策課(電話番号:93-8392)
・症状が回復したら
市内のホテル「東横イン奈良新大宮駅前」で退院の基準になるまで療養
・退院後は自宅で療養
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学校の休業等により影響を受けている子どもたちの環境も、オンラインシステムを活用し整備しています。
■自宅と教室をつなぐ「G Suite for Education」
5月から市立小中学校では、家庭にいながら先生やクラスメイトと双方向にコミュニケーションできるGoogle社のオンラインシステムの導入を進めています。学校からの課題や学習支援動画と合わせて活用することで、自宅学習の幅を広げます。
これにより、自宅のパソコンやタブレット端末を通して、クラス揃ってホームルーム等の実施、課題の配布・回収やアンケート等も実施ができるようになりました。
・ライブストリーミング動画の配信
・アンケート等の実施
G Suite for Educationでの授業の様子
5月11日(月曜日) ホームルーム
双方向のコミュニケーション
先生(学校)PC …最近の調子はどうですか?
Aさん(自宅)タブレット端末…元気です
Bさん(自宅)PC パソコン
Dさん(自宅)タブレット端末 Wi-Fiルーター(学校設置のタブレット端末とWi-Fiルーターの貸与)
※インターネット環境がない家庭には、タブレット端末とWi-Fiルーターを貸与しています。
【問合せ】オンライン学習について:学校教育課(電話番号:34-4602)
動画ライブ配信について:教育支援・相談課(電話番号:36-0401)
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新型コロナウイルス感染症対策に伴う、一般会計補正予算が奈良市議会令和2年5月臨時会で可決されました。主に「特別定額給付金」をはじめとする支援のための経費、またバンビーホームや保育所等に通う子どもの安全に配慮する経費です。
〇歳出内訳
民生費:363億7,927万円
商工費:4億6,900万円
教育費:480万円
予備費:1億円
〇財源内訳
国庫支出金:363億3,927万円
県支出金:480万円
繰入金:6億900万円
〇特別定額給付金 358億8,000万円 福祉政策課
新型コロナウイルス感染拡大防止に留意しつつ、簡素な仕組みで迅速かつ的確に家計への支援を行うため、給付対象者1人につき10万円の特別定額給付金を支給します。郵送やオンライン等で申請を受付します。
手続き等、くわしくは8ページへ
〇子育て世帯への臨時特別給付金 4億2,100万円 子ども育成課
子育て世帯の生活を支援する取組として、児童手当を受給する世帯に対し、対象児童1人あたり1万円の給付金を支給します。これに加え、ひとり親家庭等に対する緊急的な支援として、児童扶養手当受給者に対して対象児童1人あたり1万円の給付金を支給します。
手続き等、くわしくは9ページへ
〇新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金 4億6,900万円 産業政策課
緊急事態宣言に伴い、県から施設の使用制限の要請を受けて、休業や営業時間の短縮に協力した事業者に対し、県からの協力金とは別に一律10万円を支給します。
手続き等、くわしくは12ページへ
〇子どものための施設にマスクや消毒液等を配備 7,957万円
保育総務課、保育所・幼稚園課子ども育成課、地域教育課
保育所、地域子育て支援拠点、バンビーホーム等で使用する消毒液、石けん液、体温計、子ども用マスク等を購入します。(民間の保育所等には、その費用を補助します)
〇小学校の臨時休業等に伴う預かり事業の助成 350万円 子ども育成課
小学校の臨時休業等で、ファミリー・サポート・センターを利用し、子どもを預ける際に、利用料相当額を助成します。(1時間あたり800円、1日あたり6,400円を上限)
〇特別職の職員の給与に関する条例等の一部改正について
特別職(市長、副市長、教育長、常勤の監査委員、公営企業管理者)の令和2年6月・12月の期末手当を減額します。
【問合せ】財政課(電話番号:34-4720)
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