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奈良しみんだより平成30年9月号(テキスト版)2-6ページ 特集:今日からできる防災対策

更新日:2019年11月7日更新 印刷ページ表示

今日からできる防災対策 保存版

奈良市を取り巻く災害情報

6月28日から7月8日まで続いた豪雨の影響で大きな被害が出た西日本。7月6日には奈良市でも、24時間雨量で観測史上最大となる195・5ミリを記録し、床上浸水や床下浸水、土砂災害等の被害がありました。
「災害が少ない」と言われている本市ですが、ここ10年を振り返るだけで、本ページのように災害は身近に起きています。
今月号は、本市の災害情報や防災への取り組み、市民のみなさんが日頃からできる防災対策を特集します。

土砂災害

山に囲まれた地形であることから、土砂災害への備えが必要です。特に東部では、豪雨や台風の影響で、土砂災害が多く起こっています。

  • 中町
    • 2010年7月14日
    • 土砂崩れ/集中豪雨
    • 雨量 1日87.5ミリメートル
    • 1時間最大32.5ミリメートル
  • 田原春日野町
    • 2010年7月15日
    • がけ崩れ/集中豪雨
    • 雨量 1日87.9ミリメートル
    • 1時間最大32.5ミリメートル
  • 月ヶ瀬尾山
    • 2013年9月15・16日
    • 土砂崩れ/台風18号
  • 月ヶ瀬桃香野
    • 2013年9月15・16日
    • がけ崩れ/台風18号
  • 都祁吐山町
    • 2013年9月15・16日
    • 土砂崩れ/台風18号
  • 此瀬町
    • 2013年9月15・16日
    • がけ崩れ/台風18号
    • 雨量 1日98ミリメートル
    • 1時間最大35ミリメートル
  • 須川町
    • 2013年9月15・16日
    • 土砂崩れ/台風18号
    • 雨量 1日98ミリメートル
    • 1時間最大35ミリメートル
  • 中山町
    • 2016年6月25日
    • 路面崩落/集中豪雨
  • 大柳生町
    • 2017年10月22日
    • 興東館柳生中学校法面崩落/台風21号
    • 雨量 1日196.5ミリメートル
    • 1時間最大24.5ミリメートル
  • 誓多林町
    • 2018年7月6日
    • 峠の茶屋裏山土砂崩れ/西日本豪雨

風水害

近年、猛烈な雨(1時間降水量80ミリメートル以上の雨)の発生回数が増えています。地球温暖化の進行に伴い、大雨や短時間に降る強い雨の頻度はさらに増加すると予測されており、台風や豪雨による風水害・土砂災害のリスクが高まっています。

  • 西九条町
    • 2016年9月19日
    • 秋篠川、佐保川合流地点
    • 水位上昇/台風16号
    • 雨量 1日82.5ミリメートル
    • 1時間31.5ミリメートル
  • 菅原町
    • 2012年8月14日
    • 池の堤防(一部)決壊/大雨
    • 雨量 1日72ミリメートル
    • 1時間最大46.5ミリメートル

地震

市の中心部には、直下型地震を引き起こす活断層である「奈良盆地東縁断層帯」が走っています。この断層を原因とする地震の発生確率は今後30年間で0~5パーセントとされていますが、いつ地震が起きてもおかしくない状態です。また「南海トラフ巨大地震」の発生確率も30年以内に約70~80パーセント、50年以内は約90パーセントとされています(くわしくは国土交通省国土地理院の「都市圏活断層図」に記載)。

組織的な防災力の強化に取り組む奈良市

災害支援の経験豊かな職員が揃う

災害支援に職員を派遣

本市は平成23年の東日本大震災にのべ375人、平成28年の熊本地震では72人、そして今年の西日本豪雨ではのべ120人、合計567人の職員を被災地へ派遣しています。
被災地を支援をすることで、市職員にも防災に対する知識や経験が蓄積され、本市で万が一災害が起きた時に、そのノウハウが生かされることになります。

防災に強い専門職を採用

現在、本市では阪神淡路大震災や東日本大震災、紀伊半島大水害を含む災害派遣活動に従事するなど、災害現場で活躍した陸上自衛隊の自衛官OBを採用しています。また、消防士OBや警察官OBを採用しているほか、防災対策の最高責任者である危機管理監には、奈良市消防局に入庁以来、豊富な現場経験を有し、災害対策室長等も歴任した元消防士を配置し、自衛隊、警察、消防の専門的な見地から防災対策を行っています。

災害に強いまちづくりー進むハード整備ー

市内42か所に備蓄倉庫

災害発生時に、すぐに対応できるように市内の小学校42か所に防災倉庫を設置。また市役所など市内8か所に拠点備蓄倉庫を設置しており、合計で毛布3万5千枚、非常食約10万食等を備蓄しています。
しかし、大災害時には長期にわたり避難生活が続く恐れもあることから、市民のみなさんが非常食等を日頃から緊急持出品として、用意しておくことも大切です。

避難所にWi―Fiを

普段は観光用に設置している無線LANのアクセスポイントを、災害時に災害関連情報を配信できるように整備しました。さらに市内の114か所の避難所でWi―Fiを使用できるように計画しています。これにより災害時に避難所でも最新の情報を取得できるようになります。

西日本集中豪雨救援現場から

7月に起きた西日本集中豪雨において、被害の大きかった倉敷市真備町で、奈良県大隊第1次出動隊隊長として現場で活動した消防士の「生の声」をお届けします。

夜に始まった救援

今回我々が救援することになった真備町は、到着時2~3メートル冠水しており、主にボートによる検索となりました。開始時刻が夜だったため、手を振って助けを求める人への対応を最優先に、照明艇とともにエリア内のお宅を一軒ずつ確認していきました。時間が経ち、ある程度水が引くと、アスファルトがはがれ、瓦礫や土砂が散乱した凄惨たる状況が浮かび上がってきました。水の力のすさまじさを改めて目の当たりにしました。

足りない物資

「水をください!」被災者を救出した際に、多くの人の口からまず出るのがこの言葉です。建物が浸水した場合、ライフラインは遮断され、備蓄物も使い物にならないことが多く、飲める水もなくなります。
水害や地震では、建物の1階部分は押しつぶされる恐れがあるため、備蓄物は2階以上の高いところへ保管するのも一つの方策と考えます。

重要なのは情報

我々の救援エリアは幸いネット回線が生きており、携帯のマップ等を頼りに検索できたものの、冠水時には情報が足りず、難航しました。検索活動中に地元の消防団の人と出会い、用意していた簡易な白地図に地域情報を書き込んでもらったりもしました。

地元の人と協力して救援

災害時の状況は刻一刻と変化していきます。常に最新の情報や、その土地の地形・特色をいち早く理解することが、人命救助においては大切です。そのためには地元をよく知る人、主に消防団の方々との連携が不可欠でした。

日頃の備えが命を救う

今回の救助者の多くは、救出時に手ぶらであったり、裸足の人もいて、必死に逃げることのみを考えて行動されたことと思います。日頃から、非常用持ち出し品をリュックにまとめておき、緊急時すぐに持ち出せるようにしておくことが、生存率を高めることにつながります。

山中 徹哉
消防士。普段は現場での消防活動を中心に、緊急消防援助隊の運用要綱や基本計画に関する事務等に従事。

自分の命は自分で守る マイスイッチを作る

災害対策で重要なのは、自らの避難の判断基準「マイスイッチ」を作っておくことです。昨年に起きた秋田豪雨では、ある老人ホームが独自の判断基準を作り、日頃から避難訓練もしていたことで、近くの川が氾濫しそうになった際、お年寄り81人が無事に避難できた事例もあります。「マイスイッチ」を作るために必要な情報や便利なツールを掲載しますので、ぜひ活用してください。

防災ハンドブック

地震等の自然災害への備えや対策、避難所マップ等を掲載しています。避難所マップには、各種ハザードマップの内容も掲載してあり、自宅の危険度がすぐにわかります。「奈良市防災ハンドブック」で検索して、チェックしてください。

危機管理課公式ツイッター

台風や大雨などの非常事態時には警報や避難指示といった最新情報をいち早く配信。普段は不審者情報などの防犯情報も発信しています。

防災情報メール

災害に関する緊急情報を、登録した人に配信。各種警報・注意報、避難指示などをスピーディーに届けます。フィーチャーフォン(ガラケー)を利用している人におすすめです。

ならどっとFM78.4MHz

日頃から防災情報をラジオで放送しています。災害時には緊急情報を伝えます。
普段は通常のラジオとして使え、緊急時には自動起動して、災害情報や避難情報を伝える「緊急告知ラジオ」もあります。購入費の補助も行っていますので、くわしくはならどっとFM(24・8415)へ。

ハザードチェッカー

1クリックで現在いる場所が危険かどうかをチェックできるウェブサイト。各種ハザードマップや、避難場所の表示もされます。「ハザードチェッカー」で検索してください。

Yahoo!防災速報

緊急地震速報や避難所開設情報などを通知するアプリ「Yahoo!防災速報」で、災害発生時や台風接近時などに、本市の避難所の開設状況や注意喚起の情報を配信しています。

防災行政無線

災害発生時に一次避難所など市内47か所に設置した屋外拡声子局(スピーカー)により、災害情報や避難情報を一斉に放送します。また、同内容をフリーダイヤル(電話番号0120・090・163 おくれ、いいムセン)で確認できるサービスもあります。

気象庁の最新情報

雨の強さと災害発生の目安

1時間に50ミリメートルってどれくらい?
天気予報などで「1時間に50ミリメートルの雨」という言葉を良く耳にしますが、これは1時間で雨水が50ミリメートル溜まる強さという意味です。たったの50ミリメートルと思うかもしれませんが、傘を開いたときの面積が1平方メートルですので、傘一つ開いた場所で1時間に1リットルの牛乳パック50本分の雨水が傘に当たる強さです。

1時間雨量(ミリメートル)

  • 10以上~20未満
    • 予報単語 やや強い雨
    • 人の受ける感覚 ザーザーと降る
    • 人への影響 地面からの跳ね返りで足元が濡れる
    • 屋外 地面一面に水たまりができる
    • 災害発生状況 この程度の雨でも長く続く時は注意が必要
  • 20以上~30未満
    • 予報単語 強い雨
    • 人の受ける感覚 どしゃ降り
    • 人への影響 傘をさしていても濡れる
    • 屋外 地面一面に水たまりができる
    • 災害発生状況 側溝や下水、小さな川が溢れ、小規模のがけ崩れが始まる
  • 30以上~50未満
    • 予報単語 激しい雨
    • 人の受ける感覚 バケツをひっくり返したように降る
    • 人への影響 傘をさしていても濡れる
    • 屋外 道路が川のようになる
    • 災害発生状況 山崩れ、がけ崩れが起きやすくなり危険地帯では避難の準備が必要。都市では下水管から雨水が溢れる
  • 50以上~80未満
    • 予報単語 非常に激しい雨
    • 人の受ける感覚 滝のように降る(ゴーゴーと降り続く)
    • 人への影響 傘は全く役に立たなくなる
    • 屋外 水しぶきであたり一面が白っぽくなり、視界が悪くなる。車の運転は危険
    • 災害発生状況 都市部では地下室や地下街に雨水が流れ込む場合がある。マンホールから水が噴出する。土石流が起こりやすい
  • 80以上~
    • 予報単語 猛烈な雨
    • 人の受ける感覚 息苦しくなるような圧迫感があり、恐怖を感じる
    • 人への影響 傘は全く役に立たなくなる
    • 屋外 水しぶきであたり一面が白っぽくなり、視界が悪くなる。車の運転は危険
    • 災害発生状況 雨による大規模な災害の発生するおそれが強く、厳重な警戒が必要

万が一に備えて

災害が発生してから、避難方法を調べたり、必要なものを用意することはできません。日頃から災害が起きた際のことを考えて、知識を蓄えるとともに、非常持出品を揃えておくことが、自身や家族の命を助けます。

非常持出品
被災時・非常時にまず持ち出すもので、最初の1日をしのぐために必要なものです。できるだけコンパクトにまとめて避難袋やリュックに入れ、玄関など場所を決めて準備しておきましょう。男性15キログラム、女性10キログラム、高齢の人や子どもは6キログラムが持ち運びの目安です

  • 貴重品類
    • 現金(10円玉は公衆電話用に)
    • 預金通帳・印鑑(盗難防止)、健康保険証、免許証等(カード類は番号を控えたメモかコピーも用意しておくと良い)
  • 避難用具
    • 懐中電灯(できれば1人に1つ)
    • 携帯ラジオ
    • 予備の乾電池や携帯電話バッテリー
    • ヘルメット・防災ずきん
  • 生活用品
    • 厚手の手袋
    • 毛布
    • 缶切り
    • ライター・マッチ
    • 携帯用トイレ
  • 救急用具
    • 救急箱(絆創膏・消毒液、ビタミン剤等、その他日頃使っているサプリメント等)
    • 処方箋の控え
    • 胃腸薬・便秘薬・持病の薬
    • 生理用品
  • 非常食品
    • 乾パン、缶詰、栄養補助食品(最低3日分。そのままで食べられるものが便利)
    • アメ・チョコレート
    • 飲料水
  • 衣料品
    • 下着・靴下
    • 長袖・長ズボン(動きやすいものを選びましょう。セーター等の防寒具も寒い季節には役立ちます)
    • 防寒用ジャケット・雨具
  • その他
    携帯用カイロ(寒い季節に)、ガムテープ、ナイロン袋、古新聞、ロープもあると便利

風水害時の避難

浸水時は水によって足元が見えにくい等、注意する点が多くあります。また、市から発令する緊急情報の意味を正しく理解し、避難することが大事です。

  1. 外出が危険なときは、家の2階などの少しでも安全な場所に移動する
  2. 流水や冠水の中でも歩ける水深(男性70センチメートル、女性50センチメートル程度)が目安となる。それ以上なら無理をせず、高いところで救助を待つ
  3. 避難前にガスの元栓やブレーカーを切り、火の始末や戸締りをする
  4. 長靴は水が入って歩きにくく危険。裸足も禁物。運動靴を履く
  5. 2人以上で避難する。家族はロープでつながって避難する
  6. いざという時、居場所を知らせるために笛(ホイッスル)を持っておく
  7. 足元が見えないことが多いので、よく通っている道でも道路の真ん中を慎重に歩く
  8. 道路冠水時は、側溝、水路、マンホール(ふたが外れている可能性がある)、坂道(水深が浅くても水の流れが速い)、ため池等が危険

いざという時に役立つ避難情報を解説!

避難準備・高齢者等避難開始
高齢者や身体の不自由な人等、特に避難に時間を要する人は、避難場所への避難を開始してください。それ以外の人は、家族との連絡、非常持出品の準備等、避難準備を開始してください

避難勧告
避難勧告が発令された場合は、避難準備の終わった人から避難場所へ避難を開始してください。避難勧告は命令ではありませんが、生命等を災害から守るため、市長が特に必要と認める地域に避難をすすめるものです

避難指示(緊急)
切迫した状況から、人的被害の発生する危険性が非常に高いと判断された状況。避難指示が発令された場合は、危険が迫っているので、避難場所へ直ちに避難を開始してください。時間がない場合は生命を守るため、最低限の行動をしてください

地震発生時の基本5か条

  1. まず自分の身を守る 机等の下にもぐって、机の脚をしっかりと握り、頭を座布団等で保護して、揺れがおさまるのを待つ
  2. 家具やテレビから離れて揺れがおさまるのを待つ 普段から家具の転倒防止対策や、ガラス飛散防止フィルムを貼る等しておくと安心
  3. 戸をあけて出入り口の確保をする 揺れで出入り口がゆがみ、戸が開かなくなることも
  4. あわてて家の外に飛び出さない 瓦やガラス、看板等の落下物に注意する
  5. 門や塀、自動販売機、ビルのそばに近付かない 門等が倒れたり物が落ちてきたりするおそれがある

特集への問合せ 危機管理課(電話番号:34・4930)

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