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奈良しみんだより平成30年7月号(テキスト版)2-5ページ 特集:奈良市のごみ事情

更新日:2019年11月7日更新 印刷ページ表示

奈良市のごみ事情

奈良市のごみを処理する環境清美工場

生活する上でどうしても出てしまうごみ。
今回は市民記者の八木さんが奈良市のごみ事情を市民目線で取材。
環境清美工場やごみの減量に取り組む市民の方を紹介します。

Let’s go! 市民記者が徹底レポート!
八木 彩香さん(19)
市民記者第1号。飲食店勤務。趣味は読書

レポート1 ずばり!奈良市のごみの現状は?

まずは、奈良市のごみがどんな状態にあるのかを、廃棄物対策課で取材しました。環境清美センターには、他にも収集課やまち美化推進課などがあり、ごみ処理という市民生活に欠かすことができない仕事をする部署が集まっています。
廃棄物対策課長補佐 新谷

  • 質問1:ごみはどんどん増えているのですか?
  • 解答1:ごみは年々減ってきています

【奈良市のごみ総搬入量の推移】万t

平成5年度

  • 総量 129,234
  • 家庭ごみ 86,858
  • 事業ごみ 42,376

平成10年度

  • 総量 140,996
  • 家庭ごみ 86,012
  • 事業ごみ 54,984

平成15年度

  • 総量 121,999
  • 家庭ごみ 70,718
  • 事業ごみ 51,281

平成20年度

  • 総量 110,951
  • 家庭ごみ 65,380
  • 事業ごみ 45,571

平成25年度

  • 総量 102,619
  • 家庭ごみ 60,690
  • 事業ごみ 41,929

平成28年度

  • 総量 91,137
  • 家庭ごみ 56,946
  • 事業ごみ 34,191

ごみの搬入量は平成10年度がピーク
平成11年3月から現在の分別方法を導入したことで、ごみの総搬入量は平成10年度をピークに減少。分別により資源がリサイクルされるようになったことを意味しています。しかし、右記のようにリサイクルできるものが多く含まれるため、ごみの減量はまだまだできます。

  • 質問2:燃やせるごみで多いものは何ですか?
  • 解答2:紙と生ごみが約7割を占めています

紙類39パーセント 紙箱、紙袋、コピー用紙、封筒
生ごみ36パーセント 調理くず、手つかず食品、食べ残し
木・草類4パーセント
繊維類4パーセント
その他18パーセント
※平成29年度市が実施したごみの組成分析より
市のごみの9割を占める燃やせるごみ。その中には、リサイクルできる紙類や、手つかずの食品が多く含まれています。こういった無駄を減らすことが重要です。
燃やせるごみの中には、リサイクル可能な紙や、まだまだ食べられる「手つかず食品」が多く含まれる。

レポート2 工場内に潜入!ごみ処理の現場を体験

  1. まずは中央制御室で、工場全体の説明。工場全体の運転管理を一室で全て行えるシステムを備えている。
  2. 市内のごみが集まるプラットフォーム。1日約248t、年間約9万tのごみが集まる。
  3. ごみを混ぜるミキシング作業。ごみを焼却するための燃料も実は「ごみ」。混ぜることで偏りがなくなり安定して燃える。
    (職員は24時間365日、交代制でごみを焼却し続ける)
  4. ごみは850~900度で焼却。焼却するとかさ高は1/20に、重さは1/7に。
  5. 焼却時に発生する有害物質はバグフィルタや触媒反応器で処理してから排出する。
  6. 焼却灰は一旦貯められて、埋め立て地へ。1日で約25トン、年間で約8,940トンの灰が排出される。

工場の抱える課題と今後

工場長補佐 平木

  • 進む老朽化。落ちる焼却量
    現在の焼却炉は建設から30年以上が経過し、老朽化が進んでいます。4炉ある焼却炉の内、1号炉は耐震基準を満たしていません。また、ごみ処理量が建設当初は4炉合計で480トンでしたが、施設の老朽化などから現在は約6割の300トンまで落ちてきています。
    塗装が痛み、さびが流れる焼却炉
  • 焼却炉の維持費用は年間12億5千万円にも
    焼却炉はさまざまな部品でできており、一つの部品が破損するだけで焼却炉全体を停める必要がある等、繊細な構造になっています。焼却炉は定期的にオーバーホール(分解、点検、整備、修理)を行い維持管理に努めています。
    維持管理経費として、年間12億5千万円(平成28年度実績。人件費は除く)がかかっています。しかし、老朽化が進む中、補修箇所が増えているのが現状です。
    壁がはがれ、鉄筋がむき出しに
  • ごみの減量で、焼却炉を延命化
    現在、新しいクリーンセンターの建設を計画していますが、建設には少なくとも10年はかかるとされており、それまではこの焼却炉を大切に使っていくことが重要です。ごみの分別と減量をすることで炉の稼働時間を短くすることができ、ダメージを最小限に抑えることで長く使うことができます。みなさんのごみの分別と減量をお願いします。
    燃やせるごみに混入していた缶。金属を焼却すると溶けた成分が炉に貼り付きダメージを与える。

次ページでは、ごみの分別・減量の工夫や、ごみ減量に取り組む市民の方を特集!

市内に広がるごみの減量・リサイクル

燃えるごみの75パーセントを占める紙類と生ごみの減量を。
燃やせるごみの39パーセント「紙ごみ」の減量

捨てていた紙がよみがえる 「雑がみ」は資源回収へ

「雑がみ」とは新聞、雑誌、段ボール以外でリサイクルできる紙製品のこと。例えば、チラシ、コピー用紙、包装紙、紙箱などです。これらを「燃やせるごみ」ではなく、まとめて古紙回収に出すことで、再生資源となりごみを大幅に削減できます。
新聞や雑がみは自治会等の古紙回収や、民間業者の古紙回収場所に出してください。市も今後、雑がみ回収ボックスを市施設に設置する等、雑がみの回収に力を入れていきます(設置場余った食材を別の料理に使う、所については、今後のしみんだより等で掲載します)日常生活でよく出る紙や紙箱は、紙袋や使い終わった封筒等にまとめて古紙回収へ。

クイズ!これは雑がみ!?

  1. 菓子類、調味料等の小さい箱
  2. 石けんの箱、芳香紙
  3. ホッチキスのついたコピー用紙
  4. シール、圧着はがき(親展はがき)
  5. レシート
  6. 紙コップ、紙皿
  7. トイレットペーパーの芯
  8. ティッシュペーパーの箱

紙類でもリサイクルのできないものがあるので注意してください。

  1. ○ 小さくてもリサイクルできる
  2. × 臭いのついた紙は、再生紙にも臭いが残る
  3. ○ ホッチキスがついていても、大丈夫
  4. × のりが取り除けないので×
  5. × 感熱紙やカーボン紙は×
  6. × 防水加工された紙は×
  7. ○ 良質な再生資源
  8. ○ フィルムを取り除けば、リサイクル可

ごみの減量方法を市内各地で紹介

ごみの分別・減量方法を紹介する「ごみ減量キャラバン」を市内各地で開催しています。
講師は市内でごみ減量に取り組む団体「ごみ懇談会」のみなさん。すぐに取り組める方法をわかりやすく紹介します。今後、開催回数を増やしていく予定ですので、興味のある人は参加してみてください(日程については、しみんだより等でお知らせします)。
問合せ 廃棄物対策課(電話番号:0742・71・3001)
公民館などで開催する「ごみ減量キャラバン」

地域ぐるみで古紙を回収。収入を子どもたちのために使う

小学校や自治会が協力して、古紙回収をしている富雄北小学校区。担当の3人の方にお話を聞きました。

地域全体が子どもたちのために
15年以上前から富雄北小学校・幼稚園のPTAが主体となって、古紙回収(古新聞・雑誌・段ボール)に取り組んでいます。小学校区で取り組んでいて20の自治会が参加、区域内39か所の拠点で回収を行っています。
回収は毎月第2火曜日で、回収場所に目印のプレートを作って効率的に告知もしています。
収入は年間36万円にも
平成29年度には約36万円の古紙販売収入があり、地域の子ども達の学習援助や安全対策に使うことができました。
古紙回収事業への理解が進み地域の方々からは「新しい拠点を増やしてほしい」といった声も寄せられていて、やりがいを感じられます。他の校区や自治会の方にもおすすめです。
新しく作った回収場所のプレート。できるだけ人手をかけない工夫をしている。

燃やせるごみの36パーセント「生ごみ」の減量

実践!今日からできるごみ減量 調理くずを濡らさない

生ごみの80パーセントが水分です。調理をしていると、野菜の皮やヘタ等を濡らしてしまいがちですが、濡らさないように工夫するだけで、水分を減らしごみの減量になります。
また、夏になると気になる生ごみの悪臭は、水分が原因で起こっているため、悪臭も減り、一石二鳥です。

  • ジャガイモ等は、洗わずに「まず、むく」ことで皮を濡らさない。むいた後に中身を洗う。
  • 調理くずは、ざる等にまとめ、調理が終われば乾いた状態でごみ箱へ
  • 余った食材を別の料理に使う、食べ残しをしないことも、ごみ減量の一つ
  • さらに一歩 コンポスト

生ごみを肥料にするコンポスト。市からの補助制度(購入金額の半額)も有り。利用者の中には「燃やせるごみ」の搬出が月1回に減ったという声も。

楽しみながら生ごみを減量

しみんだより5月号で募集した「ごみ減量のアイデア」に応募してくれた廣瀬さん親子(専業主婦と小学校1年生)の取り組みを紹介!

構えずに身近なところから
環境問題に興味があって、生ごみを減らせないかと思い、「まずはやってみよう」と10年ほど前から庭に埋め始めました。すると、1日でほとんどのごみが分解されていたので、
それ以来ずっと続けています。
息子が幼稚園に行くようになってからは一緒に生ごみを埋めたり、古布で食器の汚れを拭いてから洗うようにしたりと親子でごみの減量に取り組んでいます。

土が肥えて、予想外の収穫も
生ごみがほとんど出なくなったのが大きな成果ですが、もう一つ面白いことがありました。それは生ごみに含まれていた種や芽が成長して、いろいろな植物が育ったことです。これまでトマト、カボチャ、ジャガイモがなり、味も市販のものと変わらないほどの出来でした。これからも息子と一緒にごみの減量を楽しみたいと思っています
庭に生ごみを埋める廣瀬さん。足元には自然に生えてきたジャガイモの葉

「減量・リサイクル」をもっと簡単に

市の取り組みには、気軽に使えるものが多くあります。ぜひ利用してみてください。

  • 分別の仕方がわからない時はごみ分別アプリ
    ごみの収集日や、分別の区分・仕方がわかるアプリ。ごみ分別リサイクルゲームも搭載。
  • 不要な陶磁器製食器をリサイクル
    もったいない陶器市
  • 陶磁器製食器を回収して配布。時には人だかりができるほどの人気も。(14ページに開催日程を掲載)
  • 家で眠っている家電を再利用
    使用済小型家電回収ボックス
    携帯電話等の小型家電を回収するボックスを市役所など市内24か所に設置しています。


編集後記
今回の取材の中で、環境清美工場の焼却工程が特に印象に残りました。私の知らないところで、さまざまな作業が行われ、生活を支えてくれているんだなと感動しました。(八木)

本特集の問合せ
ごみの減量:廃棄物対策課(電話番号:0742-71-3001)
環境清美工場について:同工場(電話番号:0742-71-3000)

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