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奈良市のごみを処理する環境清美工場
生活する上でどうしても出てしまうごみ。
今回は市民記者の八木さんが奈良市のごみ事情を市民目線で取材。
環境清美工場やごみの減量に取り組む市民の方を紹介します。
Let’s go! 市民記者が徹底レポート!
八木 彩香さん(19)
市民記者第1号。飲食店勤務。趣味は読書
まずは、奈良市のごみがどんな状態にあるのかを、廃棄物対策課で取材しました。環境清美センターには、他にも収集課やまち美化推進課などがあり、ごみ処理という市民生活に欠かすことができない仕事をする部署が集まっています。
廃棄物対策課長補佐 新谷
【奈良市のごみ総搬入量の推移】万t
平成5年度
平成10年度
平成15年度
平成20年度
平成25年度
平成28年度
ごみの搬入量は平成10年度がピーク
平成11年3月から現在の分別方法を導入したことで、ごみの総搬入量は平成10年度をピークに減少。分別により資源がリサイクルされるようになったことを意味しています。しかし、右記のようにリサイクルできるものが多く含まれるため、ごみの減量はまだまだできます。
紙類39パーセント 紙箱、紙袋、コピー用紙、封筒
生ごみ36パーセント 調理くず、手つかず食品、食べ残し
木・草類4パーセント
繊維類4パーセント
その他18パーセント
※平成29年度市が実施したごみの組成分析より
市のごみの9割を占める燃やせるごみ。その中には、リサイクルできる紙類や、手つかずの食品が多く含まれています。こういった無駄を減らすことが重要です。
燃やせるごみの中には、リサイクル可能な紙や、まだまだ食べられる「手つかず食品」が多く含まれる。
工場長補佐 平木
次ページでは、ごみの分別・減量の工夫や、ごみ減量に取り組む市民の方を特集!
燃えるごみの75パーセントを占める紙類と生ごみの減量を。
燃やせるごみの39パーセント「紙ごみ」の減量
「雑がみ」とは新聞、雑誌、段ボール以外でリサイクルできる紙製品のこと。例えば、チラシ、コピー用紙、包装紙、紙箱などです。これらを「燃やせるごみ」ではなく、まとめて古紙回収に出すことで、再生資源となりごみを大幅に削減できます。
新聞や雑がみは自治会等の古紙回収や、民間業者の古紙回収場所に出してください。市も今後、雑がみ回収ボックスを市施設に設置する等、雑がみの回収に力を入れていきます(設置場余った食材を別の料理に使う、所については、今後のしみんだより等で掲載します)日常生活でよく出る紙や紙箱は、紙袋や使い終わった封筒等にまとめて古紙回収へ。
紙類でもリサイクルのできないものがあるので注意してください。
ごみの分別・減量方法を紹介する「ごみ減量キャラバン」を市内各地で開催しています。
講師は市内でごみ減量に取り組む団体「ごみ懇談会」のみなさん。すぐに取り組める方法をわかりやすく紹介します。今後、開催回数を増やしていく予定ですので、興味のある人は参加してみてください(日程については、しみんだより等でお知らせします)。
問合せ 廃棄物対策課(電話番号:0742・71・3001)
公民館などで開催する「ごみ減量キャラバン」
小学校や自治会が協力して、古紙回収をしている富雄北小学校区。担当の3人の方にお話を聞きました。
地域全体が子どもたちのために
15年以上前から富雄北小学校・幼稚園のPTAが主体となって、古紙回収(古新聞・雑誌・段ボール)に取り組んでいます。小学校区で取り組んでいて20の自治会が参加、区域内39か所の拠点で回収を行っています。
回収は毎月第2火曜日で、回収場所に目印のプレートを作って効率的に告知もしています。
収入は年間36万円にも
平成29年度には約36万円の古紙販売収入があり、地域の子ども達の学習援助や安全対策に使うことができました。
古紙回収事業への理解が進み地域の方々からは「新しい拠点を増やしてほしい」といった声も寄せられていて、やりがいを感じられます。他の校区や自治会の方にもおすすめです。
新しく作った回収場所のプレート。できるだけ人手をかけない工夫をしている。
実践!今日からできるごみ減量 調理くずを濡らさない
生ごみの80パーセントが水分です。調理をしていると、野菜の皮やヘタ等を濡らしてしまいがちですが、濡らさないように工夫するだけで、水分を減らしごみの減量になります。
また、夏になると気になる生ごみの悪臭は、水分が原因で起こっているため、悪臭も減り、一石二鳥です。
生ごみを肥料にするコンポスト。市からの補助制度(購入金額の半額)も有り。利用者の中には「燃やせるごみ」の搬出が月1回に減ったという声も。
しみんだより5月号で募集した「ごみ減量のアイデア」に応募してくれた廣瀬さん親子(専業主婦と小学校1年生)の取り組みを紹介!
構えずに身近なところから
環境問題に興味があって、生ごみを減らせないかと思い、「まずはやってみよう」と10年ほど前から庭に埋め始めました。すると、1日でほとんどのごみが分解されていたので、
それ以来ずっと続けています。
息子が幼稚園に行くようになってからは一緒に生ごみを埋めたり、古布で食器の汚れを拭いてから洗うようにしたりと親子でごみの減量に取り組んでいます。
土が肥えて、予想外の収穫も
生ごみがほとんど出なくなったのが大きな成果ですが、もう一つ面白いことがありました。それは生ごみに含まれていた種や芽が成長して、いろいろな植物が育ったことです。これまでトマト、カボチャ、ジャガイモがなり、味も市販のものと変わらないほどの出来でした。これからも息子と一緒にごみの減量を楽しみたいと思っています
庭に生ごみを埋める廣瀬さん。足元には自然に生えてきたジャガイモの葉
市の取り組みには、気軽に使えるものが多くあります。ぜひ利用してみてください。
編集後記
今回の取材の中で、環境清美工場の焼却工程が特に印象に残りました。私の知らないところで、さまざまな作業が行われ、生活を支えてくれているんだなと感動しました。(八木)
本特集の問合せ
ごみの減量:廃棄物対策課(電話番号:0742-71-3001)
環境清美工場について:同工場(電話番号:0742-71-3000)