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奈良しみんだより令和7年7月号(テキスト版)2-5ページ 特集:

ページID:0240822 更新日:2025年7月1日更新 印刷ページ表示

あなたの「地域力」が動き出す はじめての自治会入門

「ゴミの収集場所は、誰が決めているの?」「防災訓練って、誰が呼びかけているの?」そんな暮らしの“当たり前”を支えているのが自治会です。今月号では、市内の自治会が何をしていてどんな課題を抱えているのか、そして、今の暮らし方にマッチした自治会の取り組みを取材。「ちょっと便利」「ちょっと安心」そんな身近な関わり方から始めてみませんか?
【問合せ】地域づくり推進課(電話番号:0742ー34ー5193)

暮らしに身近な自治会の活動

自治会は、住みよいまちを目指して地域の人で組織される団体です。地域の活性化や課題解決はもちろん、防災訓練の実施やごみステーションの整備等、誰もが暮らしやすいまちづくりに携わっています。普段はあまり意識することがないかもしれませんが、実は私たちの生活のすぐそばで、自治会の力が生かされています。

自治会の主な活動

・地域の見守り活動…子どもの登下校時のサポート、高齢者への声かけ等
・地域の防災・防犯活動…防災訓練の実施、防犯パトロール、非常食の備蓄等
・清掃・美化活動…ゴミ拾いや花壇の整備、公園の掃除
・地域行事の開催…お祭り、運動会、夏祭り、餅つき大会等の交流イベント
・行政との連絡窓口…市区町村との橋渡し役を担い、行政情報を住民に伝達
・回覧板・掲示板での情報共有…地域の重要なお知らせ等を共有

支え合いが少し遠くなった時代

暮らしのそばにある活動を担ってきた自治会。今、「担い手不足」という課題に直面しています。地域で何が起きているのか。地域活動に携わる人の声を聞きました。

質問.今の自治会の状況はどうですか?

地域活動に携わる人「昔は自然に皆が加入してくれましたが、今は声をかけても難しいですね。最近は、共働き世帯や定年後も働き続ける人が増え、仕事との両立が厳しいと感じる人が増えている印象を受けます」
近年、自治会では担い手の確保が大きな課題となっています。その背景には、共働き世帯の増加や仕事・子育ての多忙化により、地域活動に参加する余裕がない家庭が増えていることがあります。また、地域に転入しても自治会との接点がなく、関わり方が分からないままという人も少なくありません。一方で、長年活動を支えてきた世代は高齢化が進み、負担が集中しやすくなっています。こうした社会の変化が、自治会の継続的な運営を難しくしているのが現状です。

市内の自治会加入率の推移 (出典 奈良市「自治会・地区自治連合会の加入率の推移」)

加入率は9年間で約14パーセント減少
平成27年…78.2パーセント
令和6年…64.3パーセント

県内の共働き世帯の割合 (出展 総務省「就業構造基本調査」 )

共働き世帯は増加傾向
平成14年…36.64パーセント
平成19年…38.32パーセント
平成24年…39.12パーセント
平成29年…41.98パーセント
令和4年…44.55パーセント

そばにある安心。なくしたくないもの

自治会の運営は難しくなっていますが、いざという時、やはり自治会は必要です。例えば災害時。多くの人が身を寄せる避難所の運営補助や情報共有は、自治会が担っています。また、近年増加している一人暮らしの高齢者に対する見守りや声かけ等、地域の支え合いがより大切になっています。こうした活動は、子どもから高齢者まで、地域で暮らす全ての人の安心につながっています。普段は気づきにくいですが、自治会は地域を支える大切な存在です。

質問.自治会活動を続けていくために必要なことは何でしょうか?

地域活動に携わる人「人々の生活スタイルに合わせて、自治会のあり方・活動の仕方も変えていく必要があると思います。地域に住む、幅広い年代の人と関わる中で「これからの自治のカタチ」を見つけていきたいと、日々模索しています。1人で100歩進むのではなく、100人それぞれが1歩踏み出せるような、地域活動ができるように変えていきたいですね」
では、実際に市内で広がる「これからの自治のカタチ」をみてみましょう

ケース1 朱雀地区まちづくり協議会
手作り居酒屋で広がる交流

唐揚げに焼き鳥、ビールにジュース。おいしそうな香りの中、にぎやかな笑い声が響く「ふれあい居酒屋」は、毎回200人以上が参加する朱雀地区の人気イベントです。コロナ禍で何もできない日々の中、全世代が楽しめる場を作ろうと始まりました。「楽しいことが地域を元気にする」。その思いが、世代や組織を越えたつながりを生み出し、若者を含め地域活動に関わる人を増やしています。地域の拠点「ふれあい会館」で年に3回程度開催。毎月の開催を望む声も多い

リポート
居酒屋メニューは地域でのアンケートを基に決定。焼きおにぎりやおでん等、バラエティーに富みます。運営には普段関わることの少ない10代の若者も参加。コミュニケーションが広がります。
​ふれあい会館の中では、毎回イベントを開催しており、地域の人から寄付された玉ねぎを景品にするじゃんけん大会も人気です。

〇運営に関わる横山直子さん
仕事が休みの日に、お手伝いをしています。ふれあい居酒屋では、おつまみメニューの調理・買い出しを担当。 和気あいあいと楽しく活動しています。 子どもの同級生のお母さんに誘われたのがきっかけで、気づけば6年。 メンバーの皆さんも当初から温かく受け入れて下さって、今では近所で声をかけてもらうことが増えました。料理をしたり、テントを立てたり、まるで文化祭のような慌ただしさの中で、さまざまな人と自然体で話す。かけがえのない機会だと思っています。

朱雀地区では、自治会やPTA等、地域内の団体や個人で構成されるまちづくり協議会(地域自治協議会)の活動が活発です。自治会等、複数の地縁団体が連携し「朱雀地区やその周辺の人々」を対象とすることで、より若年層の数も増え、人手を必要とする大きなイベントも実施可能に。また、イベントの参加をきっかけに、自治会活動に携わるようになった人も。自治会の垣根を超えた、幅広い地域への関わり方が生まれています。

コラム DXが助けに。仕事と自治会長は両立できる

次世代の地域の担い手が減少している一方、30・40代で自治会長に就任する人も出てきています。ある自治会では、コロナ禍をきっかけにオンライン会議を導入。最初は使い方に苦労したが、おかげで現在は移動時間を気にせずに会議に参加できる仕組みができたそう。「オンライン会議中、ふと画面を見ると、つり革をもって電車に揺られる自治会長が!議題についてジェスチャーで反応もしてくれるんですよ」というエピソードも。現役世代だからこその「DXの視点」が、地域活動をより柔軟に変えていくのかもしれません。

ケース2 菅野台自治会 
買い物難民をなくす

市では、移動販売を行う事業者・市社会福祉協議会等と協力し「買い物支援ネットワーク」を立ち上げ、買い物に困っている人への支援を進めています。この支援を活用し、菅野台自治会での移動販売の導入に尽力した1人が、当時自治会長を務めていた久米さん。実施に至った思いを伺いました。

〇インタビュー 発起人の久米廣信さん
菅野台前自治会長。今年度より顧問に就任。住みよいまちづくりを掲げ、6年間会長として活動

毎週木曜日、地域内に響くにぎやかな音楽。移動販売車の到着を聞きつけ、地域の人が販売場所に集まってきます。6年前、断りきれなかった自治会長を引き受け「やるからには納得できるまで」と地道に地域の課題解決に努めてきました。その1つが、ダイエーの協力を得て始めた移動販売です。実施場所の確保や周知等、課題もありましたが、地域の皆さんに支えられて、4年経った今も続けることができています。移動販売の開始を喜んでくれた人の中には、残念ながら亡くなられた人もおり、利用者は少し減りました。しかし、少人数でも、暮らしに困っている人がいれば、一緒に解決策を探る。これが自治会の良さだと思います。住民の代表として、自治会が行政や事業者に働きかけ、住みよいまちができれば、まちの魅力も高まります。私の大好きな菅野台。これからも多くの人に愛され続けるまちになるよう、地道に活動を続けていきたいです。
〇利用者の声
近くのスーパーまでは坂道も多く、自転車や徒歩だと厳しいので助かっています。歳をとって車に乗れなくなってから、よりありがたみを感じます。販売員の人も、よく私が買っているものを覚えてくれたり、重いものは家まで運んでくれたり、とても親切。安心して買い物ができます。

自分らしい関わり方で地域とつながる一歩を

市では、地域活動への参加を応援するため相談窓口を設けています。「興味はあるけど、どうしたらいいの?」という人も、まずは気軽に相談してください。はじめのきっかけをお手伝いします。地域の絆が深まり暮らしやすいまちを目指してできることから始めてみませんか?

あなたの住まいの自治会を調べる市地図情報サイトから自治会名を確認できます
市地図情報サイトはこちら… https://naracity.geocloud.jp/webgis/?z=17&ll=34.685117%2C135.804995&t=roadmap&mp=17&op=80&vlf=-1

自治会長の連絡先が知りたい
近隣の人に確認できないときは、専用フォームより問い合わせてください。後日、地域づくり推進課より自治会長の連絡先を伝えます
専用フォームはこちら…https://logoform.jp/form/p6et/301427

 


奈良しみんだより巻頭特集(Web版)