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奈良しみんだより令和5年4月号(テキスト版)2-5ページ 特集:

更新日:2023年3月31日更新 印刷ページ表示

自分と誰かの命を守る「交通安全」

交通事故を減らす まちの取り組み 

令和元年8月号のしみんだよりに掲載した「奈良市内交通事故多発箇所ワースト5」。
当時と昨年末を比べ、事故件数の改善が見られました。
この改善には、市や警察だけでなく、日頃からまちの安全を守る多くの人・団体の協力がありました。
現在、市では「令和7年までに交通事故死者数を限りなく0に近づける」ことを目指しています。
新生活が始まる4月。いま一度、身の回りの交通安全について考えてみませんか。
【問合せ】危機管理課(電話番号:0742-34-4930)

交通安全 グラフで見る!市内交通事故の現状

市内の人身事故の件数として、平成13年には2,433件だったものが、令和4年には697件まで減少しました。これは、新型コロナウイルス感染症の流行により、移動機会が減ったことも理由の一つと考えられます。
市では5年に一度、「奈良市交通安全計画」(現在は第11次・令和3~7年度)を作成し、交通安全対策の推進と交通事故防止に努めています。感染症による移動制限等の緩和が進められている今、さらに対策に注力し事故を未然に防止していく必要があります。

市内の交通事故件数の推移

平成13年…2,433件 過去最大
死者数15人

平成30年…1,032件
死者数14人

令和元年…842件
死者数9人

令和2年…728件
死者数4人

令和3年…853件
死者数3人

令和4年…697件
死者数4人

出典:奈良県警察本部

「市内交通事故多発箇所ワースト5」の今

※比較している件数は、全て年間の事故件数(人身・対物)

◆近鉄学園前駅ロータリー
平成30年…27件(ワースト1)から令和4年…20件に減
駅北口・南口とも、出勤・退社の時間帯の発生が多く、車両の進路変更や後退、すれ違い等での事故が多発。バスのロータリー内に一般車が駐停車していることが原因と考えられ、コーンを設置する等の実証実験を実施。その結果を踏まえ、令和2年度にゼブラゾーンを設置した。

◆近鉄富雄駅北側道路
平成30年…14件(ワースト4)から令和4年…6件に減
駅北側の道路は道幅が狭く、変則的で対向での車同士の事故が多発。交通量調査等の結果を踏まえ、速度規制を40キロメートルから30キロメートルに変更。
道幅の狭い近鉄富雄駅北側道路
変更した速度規制

◆八軒町交差点と周辺
平成30年…9件(ワースト5)から令和4年…12件
出会い頭等の事故が多発。午前中や夕方等、出勤・退社時の事故がいまだ多い。
出会い頭事故の多い道路

◆給水棟前交差点(学園北一丁目)
平成30年…18件(ワースト3)から令和4年…10件に減
「交通事故多発」看板の設置で、件数は減少。しかし、長い横断歩道と変則的な交差点のため、出勤時や夜間の人身事故がいまだ多い。
交通事故多発看板を設置
長い横断歩道と変則的な交差点

◆近鉄菖蒲池駅周辺
平成30年…17件(ワースト2)から令和4年…11件に減
駅西側は交通量が多く、信号のない交差点のため、出会い頭の事故が多い。駅南口にポストコーンを設置。
ポストコーンを設置(駅南側)

市・警察や地域の交通安全関連団体が連携して改善に取り組み、5か所中4か所で減少しました。
今後、さらに改善点を検証し、限りなく交通事故がなくなるよう、対策を進めていきます。

市で行うその他の交通安全対策

◎続々と増える「キッズ・ゾーン」の設置
保育園等の周辺道路で、ドライバーに子どもへの注意を喚起する「キッズ・ゾーン」。昨年5月の都南保育園周辺を第1号として、令和4年度中に52か所への設置が進んでいます。
市の子育て応援キャラクター「ももいろいくジーカ」がデザインされています

◎通学路の安全を関係者みんなで点検
平成26年に「奈良市通学路交通安全プログラム」を策定しました。以降、小学校区ごとに関係機関(自治体、警察、学校、地域等)が連携し、定期的に通学路の合同点検と危険箇所への対策を行っています。

 

みんなでつくる「交通安全」

いつ自分の身に降りかかるか分からない交通事故。「自分ごと」としてとらえてもらうよう、日々活動する人たちがいます。

子どもの頃からルールを守る意識を「交通安全教室」

市では、警察と協力し、各学校・園で「交通安全教室」を行っています(令和3年度は年間55回開催)。
横断歩道や信号、踏切を模したセットで楽しんで体験しながら、子どもたちに守るべき交通ルールを伝えています。

〇インタビュー
奈良警察署 交通第一課 巡査部長 上甲 篤史(じょうこう あつし)さん
交通安全教室を担当して現在5年目。18年間の交通分門での勤務経験を生かし、楽しく分かりやすい授業を行っている。
※交通第一課は交通安全や交通規制、運転免許に関すること等を所掌

◎大人も一緒に振り返られるように
「子どもたちに、事故の被害者になってほしくない」。その一心で交通安全教室を行っています。子どもにとっては、交通ルールを学ぶ数少ない機会なので、興味を持ちやすいよう工夫を凝らし、内容を覚えてもらえることを心がけています。交通ルールを身に付けるには、反復継続が大切です。「家に帰ったら今日習ったことを家の人に話してね」と伝えることで、家庭でも改めて交通安全について確認する機会につなげてもらえたらと願っています。普段の何気ない会話もぜひ大切にしてほしいです。
◎新しい環境に向けて「前準備」を
最近5年間の小学生の状態別死者・重傷者数を見ると、半数以上が歩行中を占め、その約3分の1が登下校中です。また、歩行中の死者・重傷者のうち、最も多いのが小学1年生で、次に小学2年生が続きます。
新1年生の保護者のみなさんにまずお願いしたいことは、「子どもに安全な行動を習慣化させること」。通学路上の横断歩道や一時停止のある場所では、日頃から親子で一緒に安全確認をしましょう。お子さんの大切な命を守るため、ご協力をお願いします。

Report!楽しく学んで、安全の大切さを教える。

警察では、子ども向けにオリジナリティあふれる交通安全イベントを企画しています。単にルールを伝えるだけでなく、危険を見える化した実験(なぜヘルメットが必要かを示す等)や、季節の行事と合わせた交通安全教室を行い、趣向を凝らしながら安全の大切さを伝えています。
おもりを落として衝撃を比較する実験(ヘルメット着用前後)
ひな祭りに合わせ、ヘルメットを被せたひな人形作り

コラム 小学生の交通事故の特徴

自転車 
・5月に多い
・友人宅や塾・習い事に向かう途中の事故で午後3~5時台に多い
・前方不注視・安全不確認等が多い

歩行中 
・1年生の死傷者数は6年生の約2倍
・登下校中が多い(全体の44パーセント)
・飛び出しによるものが27をパーセントを占める

4月からみんなで気をつけましょう
出典:奈良県警察本部

長年のベストドライバーが語る最近の交通事情と交通安全への思い

まちの交通安全環境を見守る「交通安全指導員」。長年に渡り活動を続け、自身も優良運転者である四本さんに、自身の活動や事故のない毎日を過ごす心がけを教えてもらいました。
交通安全指導員会のパトロールの様子

〇インタビュー
市交通安全指導員会長 四本 雅勇(よつもと まさお)さん
平成14年から20年に渡り、交通安全指導員として活動を続ける。20年以上無事故無違反を続けた優良運転者等に送られる「近畿交通栄誉賞」を受賞。

交通安全指導員とは

交通安全指導を目的に市が委嘱。市内各地域に7分会があり、春と秋の全国交通安全運動期間や毎月1回の主に下記の活動を行っている。
・違法駐車のパトロール
・交通安全の街頭啓発
・交通標識や啓発看板の破損点検
・登下校の見守りや横断歩道での呼びかけ

活動を通して見えた交通事情の変化

平成18年の道路交通法改正により、駐車監視員(★)の制度が始まったことで違法駐車はかなり減りました。その一方で、最近では違法駐輪や自転車の交通マナーの悪さが目立ってきました。指導員の活動中、イヤホンを耳に付けながらの運転やスマートフォンを見ながらの運転を多く見かけますが、とても危険な違反行為です。自転車の交通ルールも改正(下記Pick Up参照)されているので、みなさんにもっと知ってもらえるよう根気強く啓発を続けていきたいと考えています。

誰もが事故なく毎日を迎えるために

高齢者が原因の事故がニュースになることが多いですが、事故は高齢者だけでなく、若い人でもたくさん起こっています(★★)。交通事故は起こしてしまうと取り返しがつきません。けがだけでは済まない場合もあります。そして、心にも深い傷を残します。他人事と思わず、どんな世代の人にも注意してもらいたいです。
みなさんが交通ルールを守り、事故なく毎日を迎えてもらうことが私の願いです。これからも、市の交通安全につながるような活動を続けていきたいと思っています。

(★)駐車監視員…警察から、放置車両の確認業務を委託された民間事業者(国家資格要)。みなし公務員として、駐車違反の監視から取り締まりを行う。
(★★)年齢別の交通事故件数
原付以上運転者(自動車・自動二輪車・原動機付自転車の運転者)の10万人あたりの交通事故件数は、高齢者だけでなく、10〜20代の若い世代でも多い。

全国の原付以上運転者10万人当たりの交通事故件数(令和3年)
10代…1,043.6件
20代…509.2件
30代…313.1件
40代…296.5件
50代… 301.4件
60代…302.5件
70代…354.6件
80代以上…455.7件
※12月末現在、免許保有者10万人あたりで換算。
警察庁「令和3年中の交通事故の発生状況」から算出

交通安全 この機会に改めて意識してみませんか?

5月11日〜20日は「春の全国交通安全運動」、5月20日は「交通事故死ゼロを目指す日」です。
期間中は、全国で取り締まりや啓発活動の強化が行われる他、市では交通安全市民決起大会(交通安全活動の功労者の表彰や各団体の啓発活動等)を開催しています。

もう一度確認を!自転車のルール

自転車に乗車したら「車の仲間入り」です。交通事故に遭わない・起こさないためにも、交通ルールを守りましょう。
出典:奈良県警察本部
・「ながら運転」は5万円以下の罰金が科されます
雨の日の傘やスマートフォン、ヘッドホン等を使用しながらの運転は、操作ミスや不注意な運転につながる危険な違反行為です。
・4月1日から自転車乗車時はヘルメットを
改正道路交通法の施行により、全ての年齢でヘルメット着用が「努力義務化」されます。自転車での死亡事故の約6割が、頭部への致命傷によるものです(未着用時の致死率は、着用時の約2.2倍)。これからは、おとなも子どもも、ヘルメットを着けて自転車に乗りましょう。