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奈良しみんだより令和4年10月号(テキスト版)2-5ページ 特集:平城・相楽ニュータウンまちびらき50周年記念「これまでも、これからもー境を越えて愛されるまちへ」

更新日:2022年10月1日更新 印刷ページ表示

平城・相楽ニュータウン まちびらき50周年企画
これまでも、これからも。境を越えて愛されるまちへ

市の北部にある平城・相楽ニュータウンが、11月でまちびらき50周年を迎えます。開発当初から府県を越え、住民が一体的に利用できるよう整備されたまち。これまでもその境は意識されずに生活が営まれてきました。そして、これからも各地区が連携し、「圏域」としての意識づくりをさらに進めようとしています。今月号では、日本に2か所しかない※学研都市が持つニュータウンの魅力と、他のまちと協力して自分のまちを再び盛り上げようとする動きを紹介します。
※法律に基づくものに限る

 

平城・相楽ニュータウンとは?

奈良市北部と京都府木津川市・精華町の3市町にまたがる8住区。日本住宅公団(現・UR都市機構)大阪支所による最初の大規模ニュータウンです。古墳や遺構等を残しながら、住宅、商業・教育施設、公園、遊歩道等の都市機能が計画的に整備されてきた地区。平城京の青垣として知られた「平城山」の地として、平城宮跡や東大寺二月堂等からの眺望に最大限配慮の上、開発されました。
ニュータウン内の8住区・桜が丘・兜台・神功・右京・相楽台・朱雀・左京・佐保台

pick up!
「いま」と「むかし」をつなぐ「ふれあい橋」

相楽地区のまちびらきに合わせて、昭和61年に建てられた近鉄高の原駅前の橋。上空から見た形は「双方中円墳」を模した古墳型。橋の下から見える主桁(しゅげた)は、「平城京の街路」をイメージし格子状にする等、遺構のモチーフが設計に取り入れられています。また、近隣の押熊瓦窯跡(がようあと)で作られた、奈良時代前半の鬼瓦のレプリカも埋め込まれています。今と昔、そして「けいはんな学研都市の玄関口」である駅前橋として未来もつなぐ、まちの魅力スポットのひとつです。
 

国内でも類を見ない、研究施設と住宅地の融合

東のつくば(茨城県)と並び、日本を代表するサイエンスシティ「関西文化学術研究都市(けいはんな学研都市)」。京都・大阪・奈良の8市町で構成され、令和4年7月現在で153の研究・大学・文化施設等が立地し、その数は過去20年間で約2倍に増加。現在も伸び続けており、国内外の有力企業から注目されています。つくばが国の主導で国の機関を集約的に配置しているのに対し、けいはんなでは産学民官のさまざまな団体が連携し、時代の潮流に合わせて新しいまちづくりを進めています。また、研究施設と住宅地との複合的な開発を進めている点も珍しい特徴です。
各研究施設は当初から住民との距離が近く、交流を重ねながら知の集積を行ってきました。今後は、あらゆる業種の企業や地域住民等の連携をさらに強め、世界トップレベルの研究開発力で、国内の科学技術を成長させる拠点を目指します。

平城・相楽ニュータウンは、けいはんな学研都市の中で最も早くできた住宅地。異なる業種の企業の研究集合体として、これらの施設が平成の初期から創設され、周辺地域をけん引してきました。

奈良市・木津川市・精華町の文化学術研究地区と主な立地施設

精華・西木津地区
・国立国会図書館 関西館
・国際高等研究所
・国際電気通信基礎技術研究所(ATR)
・各企業の研究施設(島津製作所、京セラ、オムロン、サントリー、日本電産)等55施設
※この他、理化学研究所の研究機能等もあり

平城宮跡地区
・奈良文化財研究所
・平城宮跡歴史公園

木津地区
・京都大学大学院 農学研究科附属農場
・ロート製薬 ロートリサーチビレッジ京都 等19施設

平城・相楽地区
・積水ハウス 総合住宅研究所
・福寿園CHA遊学パーク
・きんでん 京都研究所
・日立造船 環境事業本部開発センター
・大和ハウス工業 総合技術研究所 等10施設

 

まちの再活性化を仕掛ける人に聞く。

現在、平城・相楽ニュータウンの8住区の代表が集い、まちびらき50周年に向け、連携して記念事業を進めています。
一過性の事業ではなく、これからも住民がまちに愛着を持ち、まち同士が参画できる仕掛けを考える、実行委員会の思いを聞きました。

○interview
まちびらき50周年記念事業実行委員会 委員長:作間(さくま) 泉(いずみ)さん
奈良市出身のピアニスト・音楽家。幼少期は富雄団地で過ごし、音楽活動で全国を転々とした後、兜台を経て、朱雀地区に居住。現・奈良市自治連合会長
・50周年は「節目」ではない
緑豊かな大きな公園。こども園から高等学校までが立ち並び、大学も近い文教地区。公園や道路の美化活動を進んで行うまちの人々…。私が両地区に住んで、魅力的に感じるところです。50年経っても、開発当初に整備された美しさが、今も変わらずに残るまち。住民が自分たちでまちを守る意識や、愛着心が強い地域だと感じています。
記念事業に向け、各住区が持つ共通の思いは「今後も各住区の良さを尊重し、連携・協働できる事業を続けていきたい」ということ。毎回府県を越えて多くの人が参加する住区内のお祭りや、異なるまちの住民・事業者が協力して開催するイベント等、この地域は元々「圏域」で協力・連携し合ってきました。今回の50周年事業は単なるまちの「節目」ではなく、府県境を越えた住区の連携を強め、新しいムーブを起こす起爆剤の側面が強いのです。
・自分のまちにない良さを真似する
住区同士で交流すると、自分のまちにない他のまちの良さに気づきます。例えば、木津川市は「人にやさしい」まち。兜台や相楽台を歩くと、子どもたちが高齢者の手を自発的にひいて横断歩道を渡る姿を目にします。組織を作らなくても、支援が必要な人に、住民が自然と手を差し伸べ、見守り支え合う意識がとても強いのです。認知症等で行方不明になった人の捜索や防災活動は、府県境を越えて協力が必要な地域活動の核。自分のまちにない良さを時には真似し、圏域で連携しながら良い相乗効果が生まれたらと思っています。
・まちの未来を託せるように
この記念事業にはもう一つ目的があります。今地域づくりを進める私たちも今後は高齢者になり、ニュータウン自体も古くなっていきます。今後中心になるのは、若い世代の人々。将来、皆でまちの課題解決ができるよう、ここでの暮らしを楽しみ、住み続けたいと思わせるような仕掛けづくりを考えています。地域への参画は楽しい企画の積み重ね。そこから「人・仲間づくり」を始め、それが「地域づくり」につながると私は思います。県内でも少ない他市町との交流を最大限に生かしながら、後世にタクトを渡していきたいです。

50周年記念事業・イベントを行います

記念式典と駅周辺でのイベントの他、8?9月に募集を行った「まちの愛称」「歩行者専用道路の愛称」を駅前広場で発表します(まちの愛称は記念サインを築造し、当日除幕)。その他にもさまざまな地域団体・行政・企業等が参加するイベントを企画しています。

記念式典:11月26日(土曜日) 奈良市北部会館市民文化ホール
イベント:11月26日(土曜日)・27日(日曜日) イオンモール高の原、サンタウンプラザすずらん館、近鉄高の原駅周辺広場
くわしくは特設ホームページへ

Report
民間主導で行う、府県を越えた取り組み

市では「公園で何かやってみたい」という民間企業や地域の人々を対象に、公園の新しい使い方を発案・実践できる「トライアル・サウンディング」を始めています。今回のまちびらき50周年に関連し、右京・神功地区の5公園をモデルとして選定。第1号として、平城第4号近隣公園でgratia festivalを開催した、田尻さんにお話を伺いました。
グラーティア フェスティバル gratia festival…キッチンカーやフリーマーケットの出店、木工体験、音楽イベント等を開催

○interview
地域情報誌 gratia代表 田尻 奈緒子さん
・高の原にゆかりのあるお店や教室等を、フリーペーパーやSNSで紹介。その他、各店舗と協力し、近隣の公園でイベントを開催する等、地域の魅力発信に尽力している
・公園のもつ可能性を感じる…生まれ育った高の原。緑あふれる近隣の公園で、何か楽しいことをやってみたい。トライアル・サウンディングの存在を知ったのは、そんなことを考えていた時でした。どうせなら1番に始めてみたい。イベントなど開催したことがなかった私ですが、情報誌の活動で得た地域のお店とのつながりを生かし、周囲に呼びかけを行いました。このあたりはご近所付き合い等の横の連携も強く、お互いに言いたいことを伝え、みんなでまちを良くしていこうという雰囲気が感じられます。みなさんのご協力もあり、当日は想定よりも多くの方々が参加してくれました。イベントを通じて、みなさんが近所で楽しいことを求めていることを知りました。また、参加した店舗からは、「今回声をかけてくれたことで、一歩前に踏み出すことができた」等の声も聞かれ、今後の公園の可能性を感じる1日となりました。
・高の原周辺を選択肢の1つに…その後、公園でのイベントは何度か行いましたが、中には木津川市や精華町から参加してくれる店舗もありました。このあたりは「圏域」として、府県をまたいで栄えてきた地域。分け隔てることをせず、参加できる人みんなで一緒に楽しいことを考えていきたいです。京都や大阪に出かける人が多い中、「高の原に遊びに行こうよ。」といった選択肢を、みなさんに提案できたらうれしいです。

11月3日にもgratia festivalを開催。

つながる。行政・民間のサービスを紹介

●北部図書館の木津川市民の利用
平成30年から両市民に貸出が可能になりました(令和3年から電子図書館の利用も可)
●まちの情報カウンター
子育て、高齢者・障害者福祉、観光、住まい等の高の原を中心とした情報の提供や相談窓口を、サンタウンプラザすずらん館内に開設
●全国初!消防はしご車の共同運用
令和2年11月、奈良市と相楽中部消防組合消防本部が共同ではしご車を購入。奈良市と京都府木津川市・笠置町・和束町・南山城村での活用が可能に

【50周年記念事業に関する問合せ】
同実行委員会事務局(関西文化学術研究都市センター内 電話番号:0742ー93ー3571)
【トライアル・サウンディングに関する問合せ】
公園緑地課(電話番号:0742ー34ー4916)