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奈良しみんだより令和4年2月号(テキスト版)2-5ページ 特集:地域とつながる、地域で見守る

更新日:2022年2月1日更新 印刷ページ表示

年を重ねても、愛する場所で暮らし続けるために
地域とつながる、地域で見守る

【本特集の問合せ】福祉政策課(電話番号:34-5196)

今や日本は、65歳以上が全人口の約3割となる「超高齢社会」を迎えています。高齢単身・高齢夫婦世帯の増加等、高齢者をとりまく環境も大きく変化しています。
そのような状況で、高齢者が健康に暮らし続けるためには、支援を受けるだけではなく、「社会と関わり、つながること」こそが重要だとされています。
今回は、高齢者と地域を「つなぐ」サポートをするみなさんについて、特集します。

 

なぜ 地域と関わることが大事なのでしょうか?

介護予防に効果的な「社会参加」

ひと昔前の介護予防は、「介護が必要な状態にならないための予防として、本人の心身の機能を向上させること」に着目されていました。現在の介護予防は「社会と関わり、人とのつながりを持つことこそが大切」という考え方に変わってきました。しかし、このコロナ禍で、人や地域とのつながりは希薄になり、社会参加の機会も大幅に失われました。その中で、近所同士の何気ない会話や交流の場が今、高齢者にとって、特に重要になっているのです。家族以外の人との顔が見える付き合いや、ボランティア活動への参加、地域活動の手伝い等…。ちょっとした「社会との関わり」が、地域の支え合いを促進し、ひいてはそれが高齢者全体の介護予防にもつながります。

 

奈良市の高齢者世帯の状況(国勢調査より)

・平成7年 
高齢単身世帯…5,845人 
高齢夫婦世帯…8,009人 
上記以外の高齢者が暮らす世帯…18,480人 
合計…32,334人

・平成12年 
高齢単身世帯…8,501人 
高齢夫婦世帯…11,499人 
上記以外の高齢者が暮らす世帯…19,727人 
合計…39,727人

・平成17年 
高齢単身世帯…11,141人 
高齢夫婦世帯…15,105人 
上記以外の高齢者が暮らす世帯…22,414人 
合計…48,660人

・平成22年 
高齢単身世帯…14,083人 
高齢夫婦世帯…18,588人 
上記以外の高齢者が暮らす世帯…23,873人 
合計…56,544人

・平成27年 
高齢単身世帯…17,673人 
高齢夫婦世帯…21,924人 
上記以外の高齢者が暮らす世帯…25,907人 
合計…65,504人

・令和2年 
高齢単身世帯…20,921人 
高齢夫婦世帯、上記以外の高齢者が暮らす世帯……48,748人 
合計…69,669人

※各年10月1日現在の、65歳以上の高齢者が住む世帯数。高齢夫婦世帯は夫65歳以上、妻60歳以上の世帯を指す

 

最も身近な社会とのつなぎ役 民生委員・児童委員

地域の身近な相談相手として活動しているのが、民生委員・児童委員(以下「民生児童委員」と表記)です。コロナ禍での外出自粛で、運動や会話が減り、筋力の低下や認知症の進行、孤立等が問題視されています。それを防ぐため、民生児童委員による定期的な見守り・訪問等が、より重要となっています。

民生委員・児童委員とは?

地域住民目線で、福祉に関する生活の困りごとの相談に乗り、専門機関への「つなぎ役」を担います。法律にのっとり、厚生労働大臣から委嘱されたボランティアです(市内に778人)。専門知識・経験は不問ですが、個人情報を扱うため守秘義務があります。

訪問で、高齢者の「今」を確認

一人暮らしの高齢者や障害のある人等を定期訪問し、各家庭の現状を把握します。まずは顔見知りになることで、小さなことでも相談につなげます。

黒田さん(80歳)
一人暮らしで解決できないことはたくさん。何でも相談でき、とても心強いです。

民生児童委員の中根さん
特殊詐欺への注意喚起や、フレイル予防等の案内をお届けすることも。外出自粛時は、インターホン越しに様子を確認しました。

●会話をきっかけに各サービスを紹介
困りごとから、各種保険・制度等の行政サービスを紹介し、窓口につなぎます。情報を得る手段が限られる高齢者や困りごとのある人等にとっては、民生児童委員との会話が、支援の窓口につなぐきっかけになります。

●高齢者自身の生活圏で考えるサポート体制
地域の防災活動の一貫として、災害時の要支援者の見守りに協力しています。また、認知症の人が所在不明になった際の対応も行っています。西部の一地区では、家に帰れなくなった奈良市の高齢者が生駒市で見つかった際に、生駒市の団体と連携して連絡会を開く等、生活圏を考慮に入れたサポート体制を整えています。

●「ひとりぼっち」をなくす交流の場づくりも
地域内の各団体と一緒にイベントを企画する地区も。新しいつながりを築きにくい人の孤立を防ぎます。

他にも、子育て世帯への訪問や証明事務等、さまざまな活動の中で地域の日常を支えています。

インタビュー 人とのつながりやうれしい瞬間を発見できる、見守り活動

市民生児童委員協議会連合会のみなさん
艸香さん、中村さん、中井会長、森山さん、奥城さん、楠原さん

民生児童委員というと、仕事が多岐に渡り大変、負担が大きい等のイメージがありますが、それ以上にたくさんのうれしい瞬間に立ち会うことができます。生活の困りごとを解決し笑顔になる姿や、声をかけてくれる人が増え、私たちも地域とつながり、生き生きとした毎日を実感しています。
また、一緒に活動する人がそばにいるだけで私たちも励みになります。今、ボランティアの「みまもり支援員」等と一緒に活動することもあります。始めやすい活動ですので、少しずつでも個々人と社会をつなぐ輪づくりに興味を持ち、参加してくれたらうれしいです。

 

地域とつながる憩いの場 各団体が運営する「通いの場」

高齢者と地域を結ぶ気軽な交流の場が通いの場です。地域の各団体が連携し、市内に約300か所の場が運営されています。

●「通いの場」とは?
住民同士が気軽に集い、生きがいや仲間づくりの輪を広げる場所。団体や個人等のさまざまな運営主体により、多様な活動(体操・認知症カフェ・お話し会・歌声サロン・勉強会等)が開催されています。公民館や喫茶店等が会場となり、介護予防や認知症予防の拠点としての役目も担っています。

(1)自治会と通いの場…地域住民を結ぶエクササイズの場

富雄団地では自治会が中心となり、簡単な体操や体力測定を実施。高齢者の健康管理とつながりづくりを行う通いの場を開設しています。

・富雄団地「通いの場」(UR富雄団地管理事務所で開催)
運営:富雄団地自治会、富雄西地域包括支援センター、ボランティア
参加者:富雄団地とその周辺住民70〜80歳

○インタビュー:「通いの場」を運営するみなさん
市原自治会長、原さん、木村さん(地域包括支援センター)、江嶋さん、市原さん、中田さん(地域包括支援センター)

高齢者の運動のきっかけになればと思い、このエクササイズの場を立ち上げました。この団地は、65歳以上の住民が5割を超えています。隣の棟に誰が住んでいるか見えにくい団地ですが、この場所が新たな交流や出会いの場となっていることがとてもうれしいです。参加者からは、「運動を始めて良く寝られるようになった」、「次はいつ開催するの?」という声も多く聞かれ、私たち運営側も「頑張らないと!」と力が入ります。

(2)街のカフェと通いの場

認知症になっても社会と関わり続ける場
カフェ轉害坊では、認知症を抱える人やその家族、それを支える人等、さまざまな人との交流の輪を広げるオレンジカフェ(認知症カフェ)を開設しています。

・オレンジカフェわかくさin轉害坊
運営:カフェ轉害坊、若草地域包括支援センター
参加者:認知症とその家族、福祉関係者等10人程度(申込制)。参加費500円要

○インタビュー:オレンジカフェを運営する平岡さん(同支援センター)、大澤さん(同カフェ店主)

昨年9月からオレンジカフェを始めました。認知症の方だけでなく、その家族や近隣の人も参加しています。一人暮らしの方が歩いて出向いてくれることも多いですよ。ケアマネジャー(介護支援専門員)が同席することもあるので、情報交換の場にもなっています。カフェでは、コーヒーやお菓子を楽しんだり、築90年を超える建物や骨董品を見ながら、昔話に花が咲くこともあります。コロナ禍で外出機会が減る中、この集まりが良い刺激になっているようです。これからも、みなさんが心身ともに落ち着ける空間を目指していきたいですね。

 

専門職と住民の橋渡し役 生活支援コーディネーター

市では現在、「高齢者がいつまでも健康で明るく安心して暮らせるまち」の実現を目指しています。地域住民や医療・介護の専門機関等と行政の連携を強め、高齢者一人一人に合わせた支援やサービスが、適切に提供される仕組みづくりに取り組んでいます。
高齢者が住み慣れた場所で暮らし続けるには、「自分らしい暮らし」を身近な社会資源(支援に活用できるヒト・モノ・財源・情報のこと)で支えることが大切です。
その橋渡しをするのが、市内に16人配置している「生活支援コーディネーター表記名「生活支援Co.」の役割です。公的なサービスの他に、通いの場や地域の支え合い活動等、各エリアでどんな資源があるかを最もよく把握しています。この生活支援Co.の力によって、支援者やサービスをつないだり、地域の新たな社会資源の開発を行ったりしています。

生活支援コーディネーターの目指す地域の姿

・介護が必要な状態にならないために、つながり、見守り、支え合える地域。社会参加の場づくり、担い手づくりを行います
・介護が必要な状態でも、地域のつながりから切り離さずに暮らせる地域。地域(住民)と専門職、行政等と連携・協働します

生活支援体制整備事業の略称「生活支援Co.」は、市から市社会福祉協議会への委託事業です

 

高齢者と社会を結ぶ新しい市の取り組み

●地域の見守りをICTでサポート「みまもりあいアプリ」
市では、認知症等で所在が分からなくなった場合に、個人情報に配慮しながら早期発見に役立てる見守り・捜索ツール「みまもりあいアプリ」を推進しています。
奈良市 みまもりあいプロジェクトで検索

●成年後見制度の一部を担う「市民後見人」が誕生
認知症や障害等で判断能力が不十分な人を権利侵害から守り、その人らしい生活が継続できるよう、身近な地域で支える「市民後見人」の養成講座※を開講しています。昨年6月に県内初の市民後見人として、市在住の青山雄一さんが奈良家庭裁判所から選任されました。
※権利擁護支援の担い手(市民後見人等)養成講座とは、市民後見人への第一歩となる研修。今年度の受付は終了

●オンラインで知る。高齢者や認知症を抱える人への支え合い
認知症について正しく理解し、応援者を増やす「認知症サポーター養成講座」が、オンラインで受講できるようになりました。今年度は2月15日(火曜日)、3月9日(水曜日)に開催します。10日前までに福祉政策課に申込要。また、自分自身のこれからの医療・介護や、元気な時からの話し合い・つながりづくりに関する講演会「地域の支え合いフォーラム2021」もオンラインで参加できます。

高齢者の暮らしに関する相談は、在住する地域の包括支援センターへ

市内を13の日常生活圏域に分け、高齢者支援を担当するセンターを設置しています。
センター名
若草(電話番号:25-2345)
三笠(電話番号:33-6622)
春日・飛鳥(電話番号:20-2516)
都南(電話番号:50-2288)
北部(電話番号:70-6777)
京西・都跡(電話番号:52-3010)
伏見(電話番号:36-1671)
二名(電話番号:43-1280)
登美ヶ丘(電話番号:51-0012)
平城(電話番号:53-7757)
富雄東(電話番号:52-2051)
富雄西(電話番号:44-6541)
東部(電話番号:81-5720)