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奈良しみんだより令和3年10月号(テキスト版)2-5、10ページ 特集:「絶対に安全」を過信しない 水害への備え

更新日:2021年10月1日更新 印刷ページ表示

水害への備え 「絶対に安全」を過信しない

1953年(昭和28年)9月25日。「災害に強い奈良市」の安全神話を覆す大水害が起こりました。猛威を振るう台風が襲いかかり、「何があっても大丈夫」と言われていた佐保川が氾濫。佐保・椿井地区等で約2,500戸が床上浸水し、三条通りは濁流で川のようになったという記録が残っています。
台風やゲリラ豪雨による水害が、今後奈良市で起こる恐れは十分にあります。過去の水害を振り返りつつ、自分の暮らす地域にどのような危険があるか、まずは知ることから始めてみませんか。

【本特集の問合せ】危機管理課(電話番号:34ー4930)

写真
法蓮橋の流失物(奈良県立図書情報館今昔写真WEB蔵)
三条通りの浸水(写真提供:奈良新聞社)
天平橋付近の様子(奈良県立図書情報館今昔写真WEB蔵)

〇Interview1 経験者に聞く

もちいどのセンター街で店を営む 魚谷 芳次さん(当時20歳)
昭和28年の浸水のことは、おぼろげですが記憶しています。餅飯殿に被害はなかったのですが、三条通り付近に水が溢れて、色々なものが浮いていましたね。今は地下(暗渠)を流れる川(菩提川)が、当時は地上にあり、大雨の際には注意が必要でした。父親から「大雨の時には川がある北には行かず、必ず下御門、南の方に逃げるように」と口酸っぱく言われていました。南側が軽く上り坂になっていたためです。幸い、その後この規模の水害を経験することはありませんでしたが、父親の「南に逃げろ」の言葉は、今でもしっかりと覚えています。

 

市街地で、過去に河川の氾濫や土砂災害等があった地域

特に被害の大きかったものを抜粋

市街地でも水害や土砂災害は起きています。河川護岸工事等の浸水対策で、以前よりも災害件数は減りましたが、引き続き注意が必要です。
※気象台の発表する警報・注意報は、雨量よりも災害との相関がよい指数を発表基準に用いています。雨量はひとつの目安として参考にしてください(雨量は奈良地方気象台の観測値)

■青和地区
2012年(平成24年)7月7日
大雨による幼稚園ののり面・擁壁の崩壊
【雨量】
1日38.0ミリメートル
1時間最大18.0ミリメートル

■秋篠川
2016年(平成28年)6月25日
梅雨前線豪雨による氾濫
【雨量】
1日39.5ミリメートル
1時間最大36.5ミリメートル
【被害】床下浸水31戸

■奈保町
2018年(平成30年)7月6日
平成30年7月豪雨によるのり面崩壊
【雨量】
1日133.0ミリメートル
1時間最大35.0ミリメートル

■佐保川周辺
1953年(昭和28年)9月25日
台風13号による佐保川等の氾濫
【雨量】
1日118.4ミリメートル
1時間最大35.7ミリメートル
【被害】
家屋全壊12戸・半壊6戸・床上浸水2,565戸

■2000年(平成12年)7月4日
台風3号による
・秋篠川の氾濫
・富雄駅改札口が浸水
・霊山寺橋周辺の護岸が約30mに渡り崩壊
【雨量】
1日42.5ミリメートル
1時間最大37.0ミリメートル
【被害】
床上浸水52戸・床下浸水235戸

■秋篠川・佐保川合流地点
2016年(平成28年)9月20日
台風16号による水位上昇
【雨量】
1日82.5ミリメートル
1時間最大 31.5ミリメートル

■東九条町周辺
2010年(平成22年)7月7日
豪雨による浸水
【雨量】
1日39.5ミリメートル
1時間最大38.0ミリメートル
【被害】
床下浸水5戸・県庁前地下歩道が冠水等

■佐保川周辺
1999年(平成11年)9月21日
台風18号による浸水
【雨量】
1日82.0ミリメートル
1時間最大75.0ミリメートル
【被害】
床上浸水180戸・床下浸水411戸

 

Pick Up 8月中旬の大雨の影響は?

今年8月、活発な前線の影響等により、西日本から東日本の広い範囲で大雨となりました。72時間の総降水量が、全国68地点で過去最多を更新し、「平成30年7月豪雨」の雨量を超える地域もありました。
市内でも8月12日~20日に、1日合計降水量76.5ミリメートル(12日)、1時間最大24.5ミリメートル(18日)が観測されました。これは、過去の浸水・土砂災害発生時と同じ程度か、それを上回る雨量です。幸い、今回大きな被害はありませんでしたが、普段から水害が起こった際に対応できるよう、備えておく必要があります。

今年8月12日~20日の奈良市内の降水量の記録

1日合計
12日…76.5ミリメートル
13日…38.5ミリメートル
14日…17.0ミリメートル
15日…21.0ミリメートル
16日…0.0ミリメートル
17日…23.5ミリメートル
18日…55.0ミリメートル
19日…34.0ミリメートル
20日…18.5ミリメートル

1時間最大
12日…24.0ミリメートル
13日…16.0ミリメートル
14日…4.0ミリメートル
15日…8.0ミリメートル
16日…0.0ミリメートル
17日…9.0ミリメートル
18日…24.5ミリメートル
19日…16.5ミリメートル
20日…9.5ミリメートル

 

Interview2 経験者に聞く 長野市に聞く 災害を経験して、いま思うこと

奈良市は、令和元年東日本台風で被害を受けた長野市に、のべ65人の職員を派遣し、災害対応にあたりました。
今回はオンラインで、長野市の行政・地域それぞれのみなさんに当時の状況を聞きました。
そこから見えてきたのは、住民の防災意識が高いであろう長野市でも直面した、「情報共有」の難しさでした。


●長野市の災害当時の動き

令和元年10月12日(土曜日)
午後4時20分…市が災害対策本部を設置。以後、市による避難勧告・指示を発令
午後8時42分~篠ノ井地区で千曲川が越水

令和元年10月13日(日曜日)
未明にかけて各地で越水・浸水
午前2時12分…市長が防災無線で避難呼びかけ

〇人的被害
死者17人(災害関連死15人を含む)、重症2人、軽傷92人
※災害関連死は今年9月現在

〇住宅被害
4,296件(全壊1,038件、大規模半壊383件、半壊1,428件、一部損壊1,447件)
※今年3月末現在

〇被害額
1,108億9,000万円

●行政
長野市危機管理防災課 課長補佐 渡辺 修さん
当時、同課で災害対応にあたった

●地域
長野市長沼地区在住 長沼地区復興対策企画委員会 委員長 柳見沢 宏さん
自らも被災しつつ、長沼地区住民自治協議会会長(当時)として「避難指示」を地区で発令する等、指揮にあたった
【長沼地区】人口約2,400人。高齢者率約4割(長野市全体は約3割)。千曲川の下流域に位置。平成27年4月に「長沼地区防災計画」を策定し、災害時の行動をマニュアル化。この計画に沿って、地区の災害対策本部を設置し避難活動等を行った。

奈良市:地域での取り組みが機能したと聞きました。

渡辺さん:長野市には、住民主体の自治組織「住民自治協議会」が市内の全ての地区(32地区)にあり、それぞれが防災マニュアルを作成する等、積極的に取り組まれています。
今回の災害で大きな被害を受けた長沼地区や、隣接する各地区は特に防災意識が高い地域です。長沼地区では、地区防災計画や、毎年行っている防災訓練に基づいて、地区の本部として住民の避難を促す等の災害対応が行われました。

奈良市:避難指示が出るまでの様子を教えてください。

柳見沢さん:当時、私は長沼地区住民自治協議会の会長を務めていました。12日午前中、りんご畑で作業をしていて、危険は感じませんでした。しかし台風の進路に不安を感じ、午後4時半に長沼地区災害対策本部を立ち上げ、5時15分には弱者・要支援者を地区に隣接する小学校に避難させました。
午後7時半~8時頃に川の水位が上昇し、その急激さは驚くほどでした。ついに9時半、立ヶ花水位観測所の水位が6mに達したため、私の指示で長沼地区に避難指示を出しました(長野市は午後11時40分、同地区に発令)。

奈良市:千曲川決壊当時の、長沼地区の様子は。

柳見沢さん:千曲川が越水したのは13日の午前1時15分でしたが、数時間前に避難指示を出した時点で、越水は覚悟していました。「逃げろ!」と周囲に連絡をしながら、私も避難所に向かいました。さまざまな情報が錯綜し、避難所はパニック状態でした。
地区で亡くなった方が2名いらっしゃいましたが、住民の意識の高さや、長沼地区防災計画に基づく避難指示、行政の情報発信、消防団が半鐘を鳴らし緊急避難を促す等の情報伝達が、ある程度機能したのではないかと思います。

奈良市:災害発生直前、ハザードマップを刷新したと聞きました。

渡辺さん:災害発生の2か月半前に刷新していました。住民自治協議会への説明や全戸配布を行ったため、最新の災害リスクの認知度が高かったと感じています。住民のみなさんがマップで自分の災害リスクを知り、地区の防災訓練や防災マップ等を通じて、災害時にどのような行動を取るのか、イメージできるように情報を提供することが大切だと考えています。

奈良市:災害を経験して、見えてきた課題はありますか。

柳見沢さん:災害時に情報を収集し、その情報を皆が共有することの難しさです。ひどい雨が降っていた等の理由で、防災行政無線等の情報を伝達する手段が、十分に取れなかったこともあったと思います。避難情報が「行政」と「市民」で共有されにくいことが、今回の災害で見えてきた課題です。
さらに「地区の本部」と住民の間でも、情報を共有する難しさがありました。長沼地区の対策本部が避難指示を出したにもかかわらず、感覚的な自分の基準で判断をしてしまった人がいました。避難所を出て千曲川を見に行き、大丈夫と判断して自宅に戻り、被災した人もいたのです。地区による「避難指示」という情報=指標を共有できていれば、このようなことは起きなかったでしょう。
あの時「今回はいつもと違う非常事態なんだ!」と言うメッセージが、本当に住民全員に届いたのか…正直分かりません。いま長沼は復興の途上ですが、災害時、どのように情報を共有化していくかも、今後考えていく必要があります。

 

災害時に慌てないために普段から情報収集を

長野市へのインタビューから、災害時は情報が錯綜し、各団体がバラバラに情報を持ってしまうこと等、同じ情報を共有していくことの難しさが分かりました。災害時は予想以上に情報を得ていくことが難しくなります。普段から、市が提供している情報収集ツールを確認・登録しておきましょう。

洪水浸水の想定地域が一目で
・ハザードマップ(災害予測図)見ておきませんか?
・氾濫しやすい川、浸水の可能性があるエリアや近くの避難所等を、パソコンやスマートフォンで簡単に調べることができます。(アプリのダウンロードは不要です)

実際に使ってみましょう
(1)奈良市ハザードマップ(市地図情報公開サイト内)にアクセスする
https://naracity.geocloud.jp/mp/20/vlf/03fc01<外部リンク>
(2)(虫眼鏡マーク)で場所を検索。今回は例として「奈良市役所」で検索します
(3)入力した住所周辺のハザードマップが表示されます。今回は「奈良市役所」周辺のハザードマップを表示しています
(4)ハザードマップに色分けがされている場合は(チェックマーク)をタップして凡例(下表)を確認します

結果
奈良市役所の場合、北側に5~10メートル未満の洪水浸水想定区域があります。近鉄線の下を道路が通る「アンダーパス」の箇所です。また、全体的に西側の浸水リスクが高く、東方面に避難行動を取る必要があります。

ハザードマップ、見ておくべき?

ぜひ見ておいてください。どのようなリスクがあるかを知っておくだけで、災害にあった時の行動が大きく変わります。一番近い避難所も調べておきましょう。どのルートで避難所まで避難したら良いか、地図を見てイメージしておくことも大切です。過去の大災害のほとんどが、ハザードマップの想定区域内で起こっていることは事実です。まずは自分の地域の危険を知ることから始めてください。

地震発生時の揺れやすさも確認を
市地図情報公開サイトでは、地震ハザードマップも公開中。各地域の揺れやすさ等が色分けされています。

 

情報収集ツールの事前確認を

スマートフォンやエリアメール、防災スピーカー、ラジオ等の災害情報収集ツールを事前に確認しておきましょう。
・災害時、公共無線WiーFiがだれでも利用可能に避難所等でも安心してスマートフォン等を使えるWiーFi環境を整えています。
・防災スピーカーを増設し、より聴こえる範囲が広がりました
・市防災ポータルでは、情報収集に役立つ情報やWebサイトを掲載しています

 

ため池にもリスクがあります 「防災重点ため池」選定

決壊した場合、周囲の家屋や公共施設等に被害を与えるおそれのある「ため池」について、「防災重点ため池」に選定されています。地図で確認しておきましょう。

 

いざという時に役立つツール 防災情報の収集に活用を

特集(2ー5ページ)より防災に関するお知らせ 【問合せ】危機管理課(電話番号:34ー4930)

市や民間企業で随時、防災関連情報等を発信しています。災害時に困らないよう、日頃から各媒体をチェックしておきましょう
◆市公式LINE・危機管理課Twitter
災害情報や身近な防犯・防災情報等を発信しています。SNSを利用している人はぜひLINEの友達登録やTwitterのフォローを
◆緊急告知ラジオ
気象警報や避難情報等の緊急放送を自宅で聴ける緊急告知ラジオを、ならどっとFMで販売。電源オフでも自動起動で放送を受信できます。1台8,800円の購入費のうち4,000円を補助します
◆エリアメール・緊急速報メール
市域の災害情報等をNTTドコモ・KDDI・ソフトバンク・楽天モバイルが提供する携帯電話のメール機能を利用して一斉配信します
◆Yahoo! 防災速報アプリ
緊急地震速報や豪雨予測等の防災情報や市からのお知らせを配信する無料アプリです
◆市防災情報メール
地震、風水害等の緊急情報や防災スピーカーの放送内容を配信します。右の二次元バーコードから空メールを送信すると登録できます

 

新たに25か所の防災スピーカーの運用を開始しました

市立小中学校や公園等に防災スピーカーを増設し、放送内容を聞き取ることができる範囲が拡大しました(合計72か所)
防災スピーカー(同報系防災行政無線屋外拡声子局)
避難・気象等の防災情報を、音声で一斉に市民に伝える屋外に設置した拡声器。
毎月第1月曜日(祝日の場合は第2月曜日)午後5時には試験放送を行っています。

放送内容を再度確認したい場合は、最新の1件のみを電話で確認できます
0120ー090ー163フリーダイヤル オクレいいムセン

◆スピーカー新設場所
学校
飛鳥小学校
あやめ池小学校
一条高等学校
大宮小学校
佐保小学校
済美南小学校
鶴舞小学校
富雄北小学校
富雄第三小中学校
登美ヶ丘小学校
西の京高等学校
伏見小学校
平城中学校
都跡小学校
明治小学校

公園
青山7丁目街区公園
朝日町2丁目1号街区公園
押熊町街区公園
佐保台第3号街区公園
帝塚山5丁目街区公園
西登美ヶ丘1丁目街区公園
藤ノ木台第2号街区公園

その他公共施設
・西部生涯スポーツセンター
・平城公民館歌姫分館
・七条コミュニティスポーツ会館

防災スピーカーのサイレンパターン

緊急情報を即時に知らせるため、避難を呼びかける放送時の冒頭に、パターンごとに定めたサイレン音が追加されます。
・緊急安全確保(警戒レベル5)
命の危険、直ちに安全確保…10秒吹鳴 5秒停止 10秒吹鳴
・避難指示(警戒レベル4)
危険な場所から全員避難…5秒吹鳴 5秒停止 5秒吹鳴 5秒停止 5秒吹鳴