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奈良しみんだより令和3年8月号(テキスト版)2-5ページ 特集:「食でつながる人とまち 給食で、奈良がもっと好きになる!」

更新日:2021年8月1日更新 印刷ページ表示

食でつながる人とまち 給食で、奈良がもっと好きになる!

孤食・黙食や対面をしない食事スタイルの推奨等、新型コロナウイルス感染症の影響で食のあり方も大きく変わりました。
毎日の学校給食でも、多くの制限や変更がありましたが、奈良産をはじめとした食材や、地元の生産者に興味を持ってもらうため、さまざまな工夫を凝らしながら提供を続けています。
今月号は、地産地消の取り組みや地域との交流等、給食がもっとおいしく、そしてもっと奈良が好きになる最新情報をお届けします。

 

食を通じて安心して豊かに暮らせるまちへ

第3次奈良市食育推進計画に基づき、食育のさまざまな取り組みを進めています。
身近なおいしい食材や生産者、伝統的な食文化等があることを知り、体験することで、奈良市に住むことへの誇りを生み出し、健康的で豊かに生きることのできるまちを創っていきます。子どもの成長を育む学校給食を充実させることも、この計画で掲げる目標のひとつです。

 

奈良市の学校給食のいま。

市では現在、全ての市立小・中学校(約23,300人)の児童・生徒に対し、給食を提供しています。今回、市の学校給食の特徴や献立を作る時に心がけていること等について、栄養士のみなさんに話を聞きました。

〇インタビュー
学校栄養職員の島田さん、村井さん、中島さん、村岸さん
学校栄養職員とは…学校に在籍し、給食の立案や食育指導等を行う。市・調理員と相談し、新献立等も発案する。

・奈良産の食材を献立に。健康に配慮した取り組みも
市の給食では毎日、奈良市産の米を使う等、県内で採れた食材を積極的に取り入れています。他にも青ねぎ、トマト、なめこ、大和まな、キャベツ、大和茶等、使っている食材は多岐に渡ります。月1回の「古都ならの日」(下記参照)では、奈良県産の食材や郷土料理を提供し、子どもたちに奈良を知ってもらう機会としています。
また、最近では減塩の取り組みも始めました。去年、国が示した食塩摂取基準は大変厳しいものでした(1食あたり小学校2グラム、中学校2.5グラム)。そこで、これまでこだわってきた手作りの和風だしを濃くしたり、野菜やパスタのゆで汁から塩を抜いたり、塩分の多いトマトケチャップを減らし、トマトペーストを使う等、手作りだからこそできる工夫を凝らしています。

・調理員と二人三脚で生み出す新献立
毎月19日の「食育の日」(下記参照)では、食について知ってもらう特別メニューを提供しています。今年度はオリンピック・パラリンピックにちなみ「世界の食文化」がテーマです。海外の料理なので、献立作成は日々試行錯誤です。例えばアジアの調味料を使ったら、子どもの好みに合わない味になり、お蔵入りになった…ということもありました。
現場の調理員とも意見交換を行い、二人三脚で新しい献立を生み出しています。いつもおいしく食べやすく作ってもらえるので、信頼しています。

・コロナ禍で給食も様変わり
現在、接触を減らすため前を向いて会話をしないで食べたり、個人トレイに自分で配膳する「カフェテリア方式」等を実践しています。コロナ禍でいろいろなことが変わってしまいましたが、子どもたちが会話をしながら楽しく給食を食べる、そんな当たり前の日常が戻ることを心待ちにしています。

栄養士さんからのメッセージ
・島田さんより:苦手な食材が食べられるように頑張ったことや給食で学んだことが、大人になった時に自分の体を健康にする手助けになってくれたら、と思います。
・村井さんより:将来、栄養バランスの取れた給食を思い出して、自ら体に良い食べ物を選び調理し、健康管理ができる大人に。いずれは自分の子どもにも伝えていってほしいです。
・中島さんより:登校しにくい児童も給食を楽しみにしています。給食がきっかけとなり登校できるように。給食を通じて学校生活を楽しんでくれたらな、と思います。
・村岸さんより:給食を生きた教材として、食の基本や望ましい食習慣を学び、実践してほしい。郷土料理を取り入れているので、食べつないで家庭でも広げてもらえたら、と思います。

 

ピックアップ! 献立表に着目《今年6月分から抜粋》

新しい献立や奈良県産の食材の紹介、健康に役立つ情報等、栄養士の工夫がたっぷり詰まった献立表の一部を紹介します。

 

〇6月17・18日は「食育の日」【中国の日のメニュー】
・メニュー名…クワパオ
使われている食材…小麦粉、砂糖、ラード、イースト 等
・メニュー名…牛乳
使われている食材…牛乳
・メニュー名…チンジャオロース
使われている食材…豚肉、土しょうが、ピーマン、玉ねぎ、人参、たけのこ
・メニュー名…春雨スープ
使われている食材…ベーコン、春雨、チンゲン菜、人参、玉ねぎ、干ししいたけ、にら
・メニュー名…杏仁豆腐
使われている食材…杏仁豆腐、みかん、パイナップル

今年度の「世界の食文化」メニューでは、中国、インド、スペイン、フランス、メキシコ等、11か国の料理を提供します。7月は市が女子サッカーオーストラリア代表のホストタウンとなっていることから、国の代表的な料理「フィッシュ&チップス」を実施しました(昨年と一昨年は「野菜たっぷり献立」がテーマ)。

〇6月28日は「古都ならの日」
・メニュー名…ご飯
使われている食材…米
・メニュー名…牛乳
使われている食材…牛乳
・メニュー名…きびなご揚げ
使われている食材…きびなご揚げ
・メニュー名…鍋しぎ
使われている食材…豚肉、なす、ピーマン、人参
・メニュー名…すまし汁
使われている食材…豆腐、かまぼこ、干しわかめ、玉ねぎ、青ねぎ

普段は栄養のため麦ご飯(麦を15パーセント使用)を提供していますが、毎月1回の「古都ならの日」は完全な白米給食を実施。奈良への関心をもっと深められるよう、この日は奈良の地場産物や郷土料理を積極的に取り入れています。

※玉ねぎ、干ししいたけ、米、なす、豆腐、青ねぎ は奈良県産の食材。米は毎日、奈良市産を使用

 

奈良の食を好きになってもらうために

平成30年度から市とJAならけん、奈良県中央卸売市場のみなさんが連携し、奈良市産の米、奈良県産のキャベツ・玉ねぎ・桃太郎トマト・ブロッコリー等、地元の食材を積極的に学校給食で使用しています。今回、7月の「コトならの日」のメニューで使用する奈良県産の食材から、奈良の伝統野菜である「大和丸なす」の生産者を訪ねました。

〇インタビュー
大和丸なすの生産者 丸三出荷組合
組合長 中西 昭仁さん
丸三出荷組合とは…大和丸なすの本格栽培を始めて約60年、県内で最も歴史ある出荷組合。自分たちで代々優良の株を選抜し、種取り栽培を行ってきた正統な品種を扱う。現在は8軒の農家から成り、県内の学校給食の他、近隣府県はもとより、東京のスーパーや高級料亭等にも出荷。

・大和丸なすの魅力
一般に良く出回るなすとは違い、薄い皮や実の甘み、しっかりした肉質が特徴です。実の中は種が少ないため、調理しても水分や油が染みすぎず、肉厚の食感が保たれます。油との相性は抜群で、大きめにカットして素揚げしたものを、しょうが醤油やそうめんつゆで食べるのがおすすめです。

・手間をかけて育てる希少な品種
ミツバチ等による受粉では実が割れてしまうため、ひとつずつ花に手作業で受粉させています。天候にも大きく左右され、曇り空が3日続くと実の色が薄くなってしまいます。また、初期に大量のたい肥を土に与えて滋養を良くしておかないと、最終的に収穫量が減ってしまうため、かなりの肥料が必要です。とても手間がかかりますが、一般のなすの約4分の1しか収穫できない希少さもあります。
学校給食では、一度にたくさんの量が必要になります。奈良市の学校給食で大和丸なすが使われる日は、1,200キログラム(600ケース)を一度に出荷しています。

・食の安全安心と、奈良の食への興味を
いつも心掛けていることは、「子どもたちの食べるものを、責任を持って作る」こと。食の安全安心を保つのは一筋縄ではいきません。大量に出荷するからこそ、ひとつひとつの品質を保つことは最も重視しています。
子どもが食に興味を持つ機会の1つが、学校の給食。「こんな伝統野菜が奈良にあるんだ」ということを、給食を通じて発見し、そして好きになってもらいたいです。柔らかいナスは苦手だけれど、このナスは食べられるというお子さんもいます。給食では小さくカットして提供されますが、学校で食べられたら、次は家庭でぜひ大きな一切れに挑戦してもらいたいですね。

家庭でも給食メニューに挑戦 レシピ 日本の伝統料理 鍋しぎ

6月のコトならの日の給食では日本の伝統料理「鍋しぎ」を提供しました。作り方はとっても簡単。家庭でもぜひ作ってみましょう。  

鍋しぎとは…
江戸時代、みそ田楽のなすが鴫(しぎ)に似ており、「しぎ焼き」と呼ぶことから、鍋で作るこの料理のことを鍋しぎと呼ぶようになりました。今回は奈良に古くから伝わる多麹麦(たこうじむぎ)の赤味噌を再現した、甘口の「五徳みそ」を使いました。

〇材料(4人前)
豚肉…200グラム
大和丸なす…大1個
ピーマン…大2個
人参…小3分の1本
濃口しょうゆ…小さじ2
サラダ油…小さじ1
【合わせ調味料】
五徳みそ(市販のみそでも可)…大さじ1と1/2
砂糖…大さじ2
みりん…小さじ2分の1
酒…大さじ2分の1

〇作り方
(1)大和丸なすは皮をヘタ側から1~2センチメートルごとのしま目にむく。1センチメートルの斜めいちょう切りにし、水につける。人参・ピーマンはせん切りに。
(2)合わせ調味料を作っておく。
(3)鍋でサラダ油を中火で熱し、豚肉を入れ色が変わるまで炒める。下味は濃口しょうゆで。
(4)人参・大和丸なすを炒める。なすがしんなりしたら、ピーマンを入れて炒める。合わせ調味料を入れて味を整え、できあがり。

 

奈良市と福島県郡山市の姉妹都市交流50周年記念 学校給食を通じたおいしい交流。

奈良市と福島県郡山市は、今年8月5日に姉妹都市提携50周年を迎えます。7月5日、食文化の理解を深め合うため、両市の学校給食で郷土料理のレシピ交換を行いました。

●奈良市では福島県郡山市の郷土料理を提供

〇いかにんじん
細切りにしたするめと人参をしょうゆ・酒・みりんで味付け。正月には欠かせない寒い時期の料理
〇じゅう
干し貝柱のだしで里芋や山菜を煮た料理。赤い人参は具材として、祝い事の際のみ使うが、仏事の際には使わない
〇子どもたちの感想
都跡小学校6年生より(抜粋)
・色あざやかで野菜が多く、健康に良いと思います。具がやわらかくて食べやすかったです。
・給食でいかを食べたことがなかった。(味が)新鮮でとてもおいしかったです。
・にんじんといかの相性が良くておいしかった。
・じゅうがすごくおいしかった。郡山市に行きたくなりました。

●福島県郡山市では奈良の郷土料理を提供

〇にゅうめん
奈良時代に中国から奈良に伝来したそうめんを、温かくだし汁で煮た郷土料理
〇奈良あえ
奈良漬けと一緒に、かんぴょうや干ししいたけ、人参、薄揚げ等を煮込んだ料理
※栄養面から、鶏の竜田揚げが同時に提供されています
〇子どもたちの感想
西田学園義務教育学校6年生より(抜粋)
・奈良あえは甘く、にゅうめんはモチモチしていておいしかったです。今は奈良に行くことができませんが、コロナがおさまってから奈良に行きたいです。
・温かいそうめんを食べたことがなかったので、とても新鮮でした。
・奈良あえは酒が入っていると聞いていたので、濃い味付けかなぁと思っていたけれど、さっぱりしていておいしかった。

郡山市は面積757.20ヘイホウキロメートル、人口約33万人の福島県の経済県都。交通の利便性が良いことから「陸の港」とも称される。

奈良市では、毎年中秋の名月に行われる「うねめ祭」が有名ですが、郡山市にも古くから伝わるうねめ伝説を題材にした「うねめまつり」が毎年8月に行われています。この縁で、両市は1971年8月に姉妹都市盟約宣言に調印し、これまで使節団が訪問し合う等、交流を深めています。

郡山市の名産品をプレゼント。くわしくは34ページに掲載しています

 

奈良市と愛媛県 コロナ禍で生まれた交流

新型コロナウイルス感染症の影響で、販路を失った国産の農林水産物等を支援する国の事業の一環として、愛媛県漁業協同組合から養殖の真鯛が無償で提供されました。
海のない奈良市の給食で真鯛の使用は初めて。奈良の食材と合うように試行錯誤を重ね、大和茶入りの天ぷら粉で揚げて提供しました。子どもたちにとっても食べやすくなり、とても好評でした。

もっと知りたい奈良市の給食

市ホームページでは、毎月の献立表と特色ある給食を紹介しています。各献立には使用している食材も掲載しています。ぜひ一度チェックしてみてください。

【問合せ】
学校給食関連:保健給食課(電話番号:34ー4830)
姉妹都市との交流関連(5ページ):観光戦略課(電話番号:34ー4739)