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歴史的風致とは、歴史まちづくり法第1条において、「地域におけるその固有の歴史及び伝統を反映した人々の活動と、その活動が行われる歴史上価値の高い建造物及びその周辺の市街地とが一体となって形成してきた良好な市街地の環境」と定義しており、ハードとしての建造物とソフトとしての人々の活動を合わせた概念です。
奈良市では、「地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律」(通称:歴史まちづくり法)に基づき、世界に誇る奈良固有の歴史と文化を活かしたまちづくりのマスタープランとして、「奈良市歴史的風致維持向上計画」を策定し、平成27年2月23日に国に認定されました。
奈良市の歴史的風致は、平城京を基盤としながら、宗教都市、商工業都市、観光都市として展開してきた「重層性」と、古都としての中心性と市内各地の多様な特徴を反映した地域性がつくる「二面性」を併せもっており、この歴史的風致は、歴史的風土の本質的価値を支えるとともに、相互に関係し合うことにより、古都としての風格と魅力をつくりだしています。
「奈良市歴史的風致維持向上計画」では、特に多用な歴史的風致が重なりを見せる区域である「奈良町及び奈良公園地区」を重点区域と定め、「(1)奈良の歴史のつながりや重なりを感じられる「場」を守り、活かし、伝えていく」、「(2)伝統・文化を自ら守り、活かし、伝えられる「人」を育む」、「(3)歴史的風致としての「一体的な価値」を共有し、まちづくりや観光振興に展開する」を目的として、歴史的建造物の修景事業や観光案内看板設置事業などのハード整備とともに、市民と連携したソフト事業を行うことにより、奈良市の歴史的風致の維持向上を図ることを目指しています。
平成27年度から令和6年度(10年間)
重点区域 約1,250ha