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史跡大安寺旧境内にある杉山古墳の周濠(しゅうごう)から、平成2年度の発掘調査により出土しました。
大型の家形埴輪(いえがたはにわ)で、平屋をかたどり、柱・出入口・窓を表現しています。切妻造(きりづまづくり)の屋根には、棟覆い(むねおおい)と堅魚木(かつおぎ)を備えています。窓が多くある開放的なつくりや、のちの神社建築にもみられる堅魚木があることなどから、住居よりも格式の高い建物を表した可能性があります。
市内出土品の中でもっとも残りのよい、古墳時代中期(5世紀後半)の家形埴輪として貴重です。屋根や柱などを大振りにつくる誇張された表現は、写実的表現から装飾的表現に移行する過程をよく表しています。当時の建物のあり方がうかがえる点でも学術的価値が高いものです。
件名 | 杉山古墳出土家形埴輪 附 埴輪残欠一括 |
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かな | すぎやまこふんしゅつどいえがたはにわ つけたり はにわざんけついっかつ |
数量 | 1箇 |
指定(分類) | 奈良市指定文化財(考古資料) |
指定日 | 平成17年3月8日 |
所在(有) | 奈良県(奈良市保管) |
小学校区 | 大安寺西 |
保管 | 奈良市埋蔵文化財調査センター |
形状等 | 復元幅106cm 復元奥行68cm 復元高76cm |
備考 | 古墳時代 |