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史料保存館企画展示 神仏への祈り-奈良町・周辺地域の信仰資料-

更新日:2020年9月4日更新 印刷ページ表示

 奈良町や周辺地域で受け継がれる伝統文化のひとつに、人々が営んできた伝統行事があります。地蔵講、春日講、山上講、念仏講そのほかいろいろな行事があり、それらは、奈良町の各町内にあった会所または当番にあたる人の家で行われました。こうした行事は、宗教的な儀礼を保ちつつ、談話と共同飲食の場となり、地域の一体感を高める上でも大きな役割を果たしました。

 今回の展示では、人々が実際に行事で祭ってきた神仏をあらわす絵画や墨蹟などを中心に、人々が日々の暮らしを息災に過ごせることを祈り、拝してきた神仏の様々な姿から、奈良町とその周辺地域の信仰を紹介します。

 
【 期間 】 令和2年7月21日(火曜日)~令和2年9月27日(日曜日)
[休館] 月曜日、8月11日(火曜日)・9月23日(水曜日)(祝日は開館)
【 時間 】 午前9時~午後5時 (入館は午後4時30分まで)
【 入館料 】 無料
【 主な展示品 】 ・地蔵菩薩立像(江戸時代・紙本著色)肘塚椚町自治会 寄託史料
・春日宮曼荼羅(江戸時代・紙本著色)瓦町旧蔵史料
・三社託宣図(江戸時代・紙本著色)瓦町旧蔵史料
・阿弥陀三尊来迎図(室町時代・絹本著色)法蓮佐保田町念仏講 寄託史料
【 展示解説 】 館員の展示解説を、史料保存館で期間中2回行います。申込は不要です。
8月29日(土曜日) 午後1時半~
9月8日(火曜日)   午後1時半~  約30分の予定です。
【 展示関連イベント】
奈良町にぎわいの家出張展示
「タイムトラベル奈良町~神仏への祈り~」
(申込不要)

 企画展示「神仏への祈り-奈良町・周辺地域の信仰資料-」展にあわせて、奈良町にぎわいの家で、展示に関連した史料の写真パネルを出張展示します。

日時:9月12日(土曜日) 午後2時~4時

会場:奈良町にぎわいの家(奈良市中新屋町5)

費用:無料

※当日会場でのマスク着用にご協力ください。

※新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、今回は館員による実物史料の展示解説は中止させていただきます。何卒ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。          

【 後援】 歴史街道 〈歴史街道HP<外部リンク>はこちら〉

 

                                                           

 
地蔵菩薩像
地蔵菩薩立像
江戸時代 紙本著色
肘塚椚町自治会 寄託史料
 肘塚椚町地蔵講でお祭りしていた地蔵菩薩立像です。厨子に納められた地蔵菩薩像を信者の家が一年交代で祭る「廻り地蔵」と呼ばれる独特の風習を行う地蔵講がありました。地蔵盆の縁日には、町の会所に集まって幕を張り、提灯を掲げるなどのお祭りを平成28年(2016)まで行っていました。

 

 

 
かすがみやまんだら
春日宮曼荼羅(かすがみやまんだら)
江戸時代 紙本著色
瓦町旧蔵史料
 春日曼荼羅は、春日大神すなわち春日信仰を具体的にあらわしたものです。春日野と春日社殿、それに春日山を描いたものを春日宮曼荼羅といいます。
 江戸時代の奈良町には町内の拠点として各町に会所があり、そこでは諸神仏が祭られて様々な講が組織されてきました。中でも春日講は代表的なもので、室町時代には興福寺や春日社でさかんに行われていたものが、江戸時代までに奈良町をはじめ各地に広がったと考えられます。春日講が行われる際には春日宮曼荼羅などの春日曼荼羅が祭壇にかけられました。

   

 

あみださんぞんらいごうず阿弥陀三尊来迎図
阿弥陀三尊来迎図
室町時代 絹本著色
法蓮佐保田町念仏講 寄託史料
 阿弥陀三尊来迎図は、阿弥陀如来と観音菩薩・勢至菩薩が雲に乗って西方浄土から臨終の信者を迎えに来る様子を描いたものです。この図は、室町時代の作で今回展示する資料の中で一番古いものになります。
 阿弥陀如来の肉身や、雷文や植物文などの細かな文様は金泥で美しく描かれています。観音菩薩・勢至菩薩の宝冠などは箔押しの上に、墨で書きおこしています。

 

※写真の無断転載禁止