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江戸時代、奈良の町は幕府の直轄地でした。その幕府による町政の中心だったのが、奈良奉行所です。現在の奈良女子大学の場所にあった奈良奉行所は、敷地の広さが東西93間(約165メートル)、南北93.5間、面積が8,700坪もありました。大坂町奉行所2,960坪、京都町奉行所5,327坪などと比べると、奈良奉行所は際立って大きな奉行所だったようです。
そのような奉行所内の建物の配置や間取りなどが詳しく描かれた「御役所絵図」を、今回史料保存館で初めて展示します。また、奉行所の与力と町代によって書かれた職務日誌『御番所日記』『町代日記』などから、奉行所の機能や、奈良奉行と町の人々との関わりを紹介します。
期間 | 平成30年5月2日(水曜日)~7月22日(日曜日) [休館]月曜日、7月17日(火曜日)(祝日は開館) |
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時間 | 午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで) |
入館料 | 無料 |
主な展示品 |
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展示解説 | 館員の展示解説を、史料保存館で期間中2回行います。申込は不要です。 5月12日(土曜日)午後1時半~ 7月3日(火曜日)午後1時半~約30分の予定です。 |
展示関連イベント |
奈良町にぎわいの家出張展示 企画展示「奈良奉行所」展にあわせて、奈良町にぎわいの家で、展示に関連した史料の一部を出張展示し、史料保存館の館員が史料の解説を行います。 日時:6月16日(土曜日)午後2時~4時 解説:午後2時から約30分 会場:奈良町にぎわいの家(奈良市中新屋町5) 費用:無料 |
ガイド付きツアー 「奈良奉行所」展にちなみ、奈良町に残る奈良奉行の足跡を見学するガイドツアーをNPO法人 なら・観光ボランティアガイドの会 朱雀と共催します。 日時:7月21日(土曜日)午前9時半~正午ごろ(受付は午前9時~) コース:ならまちセンター前広場集合-史料保存館(展示解説)-阿弥陀寺-植桜楓之碑-奈良奉行所跡-多門町-きたまち観光案内所-東大寺真言院(解散) 費用:200円 申込み締め切り:7月14日(土曜日) 申込み:電話で直接、またはハガキ、ファックス、メールにツアー名、住所、氏名(ふりがな)、年齢、電話番号を書いて、なら・観光ボランティアガイドの会 朱雀まで |
御役所絵図
明和4年(1767)
個人蔵
明和4年(1767)に、奈良奉行所与力であった橋本喜久右衛門によって作成されたと考えられる図で、奉行所内の建物の配置や間取りなども詳しく描かれています。また、青、茶、黄色の3色に彩色されており、青が瓦葺、茶色が桧皮葺、黄色が板葺の屋根材の別を示しています。奈良奉行所空間の全体を知ることができる貴重な史料です。
御番所日記と町代日記
江戸時代
奈良市指定文化財 個人蔵
与力の職務日誌と町代の職務日誌です。寛文7年(1667)、寛文8年(1668)、寛文9年(1669)、寛文10年(1670)、宝永4年(1707)、享保12年(1727)、文化4年(1807)の記録です。奉行所内の出来事や人の出入り、町人からの訴訟の届、家屋敷の売買届、勘当届など江戸時代に奈良の町で起こっていたいろいろな出来事が記録されています。
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