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尾花座は、明治30年代には開業していた奈良でも老舗の劇場です。明治42年(1909)の建物の大改修後は、当時人気の歌舞伎や演劇などを上演しました。大正9年(1920)からは、映画館「尾花劇場」として、昭和54年(1979)の閉館まで、多くの話題作、名画を上映して人々を楽しませました。
その後、映画はテレビの普及などで衰退を余儀なくされますが、近年は各地で映画祭が行われるなど、文化としての映画の価値を再評価する動きが広がっています。奈良でも今年9月20日から5日間「奈良国際映画祭2018」が開催されます。
今回の展示では、芝居小屋から映画館へと奈良町の娯楽の中心地のひとつとして、多くの人に愛された尾花座に残る芝居と映画関係の史料約30点を展示して、奈良の大衆文化史の一端を紹介します。
期間 | 平成30年7月24日(火曜日)~10月8日(月・祝) [休館]月曜日、9月18日(火曜日)・25日(火曜日)(祝日は開館) |
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時間 | 午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで) ※開館時間の延長期間があります。詳しくは【展示関連イベント】をご覧ください。 |
入館料 | 無料 |
主な展示品 |
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展示解説 | 館員の展示解説を、史料保存館で期間中2回行います。申込は不要です。 8月11日(土曜日)午後1時半~ 9月11日(火曜日)午後1時半~約30分の予定です。 |
展示関連イベント | 奈良町にぎわいの家出張展示 「タイムトラベル奈良町~尾花座~」 (申込不要) 企画展示「尾花座-芝居小屋から映画館へ-」展にあわせて、奈良町にぎわいの家で、展示に関連した史料の一部を出張展示し、史料保存館の館員が史料の解説を行います。 日時:9月15日(土曜日)午後2時~4時 解説:午後2時から約30分 会場:奈良町にぎわいの家(奈良市中新屋町5) 費用:無料 |
夜間開館時間延長のお知らせ 下記の日時に開館時間を延長します。どうぞゆっくりご覧下さい。
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無声映画「実録忠臣蔵」尾花劇場上映奉献額
大正10年(1921)
個人蔵
(7/24~9/2まで展示)
大正10年4月20日から29日までの10日間、牧野省三監督の日活映画「実録忠臣蔵」が上映されました。これはその大入満員成功記念に奉納された、尾花座に残る最後の奉献額です。主演の尾上松之助などの出演者、弁士などの劇場関係者や裏方の名前が書かれています。
尾花劇場映画プログラム「マダムと女房」ほか
昭和7年(1932)
個人蔵
昭和初期の尾花劇場で上映された映画を解説したプログラムです。「マダムと女房」は昭和6年(1931)松竹制作で、日本最初のトーキーとされる作品です。
「女性の勝利」ロケ風景写真
昭和21年(1946)
個人蔵
溝口健二監督「女性の勝利」が、奈良少年刑務所(現在の重要文化財旧奈良監獄)で撮影された時の写真です。
※写真の無断転載禁止