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史料保存館では、保管する歴史資料のもつ価値と魅力を伝えようと、所在地である奈良町の歴史情報を中心に情報発信しています。今回の展示では、現在「ならまち」の中心地として観光客でにぎわっている通称「三新屋町」(元興寺の主要伽藍跡地に中世末から近世初頭に新しく出来た中新屋町、芝新屋町、西新屋町)のうち、江戸時代の町絵図が現存する中新屋町と芝新屋町について、当時の絵図と町で受け継がれてきた古文書などを展示して、江戸時代の町の様子や暮らしぶりの一端を紹介します。
期間 | 令和5年2月7日(火曜日)~令和5年3月12日(日曜日) [休館]月曜日、2月24日(金曜日) |
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時間 | 午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで) |
入館料 | 無料 |
主な展示品 |
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展示解説 |
館員の展示解説を、史料保存館で期間中2回行います。申込は不要です。 |
展示関連イベント |
ガイド付きツアー 「町絵図にみる江戸時代の中新屋町と芝新屋町」展にちなみ、「和州奈良之図」の複写資料を手に、元興寺の外周・主要伽藍跡を巡るガイド付きツアーをNPO法人 なら・観光ボランティアガイドの会 朱雀と共催します。 コース:ならまちセンター前広場集合‐史料保存館(館員による展示解説)-鳴川町-元興寺南大門跡-元興寺塔跡-御霊神社-中新屋町(元興寺金堂跡・鐘楼跡)‐元興寺極楽坊前‐大乗院庭園(解散) 定員:30人 費用:200円 申込・問い合わせ:電話で直接、または、はがき・Fax・メールに事業名、住所、氏名、氏名(ふりがな)、年齢、電話番号を書いて、なら・観光ボランティアガイドの会 朱雀 まで 申込締め切り:2月24日(金曜日) |
奈良町にぎわいの家出張展示 企画展示「町絵図にみる江戸時代の中新屋町と芝新屋町」展にあわせて、奈良町にぎわいの家で、展示に関連した史料の一部を出張展示し、史料保存館の館員が史料の解説を行います。 日時:3月11日(土曜日)午後2時~4時 解説:午後2時から約30分 会場:奈良町にぎわいの家(奈良市中新屋町5) 費用:無料 ※当日マスク着用・検温のご協力をお願いします。 |
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後援 | 〈歴史街道HP<外部リンク>はこちら〉 |
芝新屋町惣絵図 天保6年(1835) |
奉行所が各町の町役人につくらせたと考えられる町絵図で、芝新屋町の屋敷割りを描いたものです。屋敷地ごとにその敷地の表口、奥行などの寸法、住民や所有者の名前と屋号、町内の諸経費などの割り当て数が記されています。絵図作成後に住民の移動など変更があったところには、紙を貼って修正しています。絵図中央に描かれた町の南北を貫く通りは上街道で、伊勢参宮者など人の往来が多かったと思われます。 |
〔向寄御達書写〕 寛政3年(1791)中新屋町蔵 |
表紙は寛政3年(1791)となっていますが、内容は文化9年(1812)に奈良奉行所から町に通達のあった「ぜいたく禁止」の御達書の写です。 冒頭に寛政3年(1791)、元禄17年(1704)、享保6年(1721)、享和2年(1802)に出された「ぜいたく禁止」の御触書やその写を列挙し、その上でたびたび通達が出されているように、各町の住民の男女の服装など華美を戒めること、また、年月が経って心得違いや忘れる者も出てくるので、改めてお触れの趣旨を町代から各町役へ伝えることが記されています。各町の世話役は触れを町内に回覧し、会所に町民を集めて読み聞かせて、気をつけて守るよう申し渡しています。末尾には、町内住人が「ぜいたく禁止」の通達を遵守することを誓約した連印があります。江戸時代後半の風俗や世相が伺える史料です。 |
博奕諸勝負連印帳 弘化2年(1845)より 中新屋町蔵 |
文政13年(1830)3月に奈良奉行井上左門丹波守から町に通達された賭け事禁止のお触れに従って、弘化2年4月に、町では賭け事と賭け事の道具を売買しない旨を町民36名が印を押し、奈良奉行所へ誓約したものです。続いて嘉永2年(1849)4月から12ヶ月間誓約する旨の連印があり、その後も更新しながら明治5年(1872)3月までの町民の連印があります。 |
中新屋町の町並み(北から) |
芝新屋町の町並み(北から) |
西新屋町の町並み(北から) |
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