ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 分類でさがす > 奈良市の魅力 > 文化財 > 文化財 > 文化財 > 「山の寺」念仏寺と江戸時代の奈良町-絵師竹坊作品と「開化天皇陵」関係史料を中心に-

本文

「山の寺」念仏寺と江戸時代の奈良町-絵師竹坊作品と「開化天皇陵」関係史料を中心に-

更新日:2022年10月18日更新 印刷ページ表示

 「山の寺」の通称で知られる念仏寺は、奈良市漢国町に所在する浄土宗寺院です。琉球での布教などで知られる袋中(たいちゅう)良定によって元和8年(1622)に開創されてから今年で400年目の節目の年を迎えます。徳川家康の異父弟・松平定勝を大檀越として開創された念仏寺は、奈良町を中心に多くの檀徒を得て発展しました。

 近年、東京大学史料編纂所一般共同研究で元興寺文化財研究所の研究員による歴史資料調査が行われ、幕末文久の「開化天皇陵」の「造営」など奈良町のなかで特色ある歴史をたどってきた念仏寺の多くの文化財や歴史資料の全体像が明らかになってきました。

 今回の展示では、念仏寺と共同研究調査員の協力を得て、奈良町の地域史料としても貴重な念仏寺開創に関わる文書や絵師竹坊の作品、幕末の修陵の際の念仏寺と奈良町の様子を紹介します。

 

【 期間 】 令和4年10月18日(火曜日)~11月13日(日曜日)
[休館] 月曜日(祝日は開館) 11月4日(金曜日)
【 時間 】 午前9時~午後5時 (入館は午後4時30分まで)
【 入館料 】 無料
【 主な展示品 】 ・演底主夜神像 絵師竹坊吉兵衛 享保4年(1719)
・御由緒大略 天保10年(1839)
・開化天皇御山陵御造営一件 文久2年(1862)
・此度御引上御用地(絵図) 文久3年(1863)
・御届奉申上口上書 文久4年(1864)
【 展示解説 】 展示解説を、史料保存館で期間中2回行います。約30分の予定。申込は不要です。
10月19日(水曜日) 午後1時30分~
11月6日(日曜日) 午後1時30分~  
〈解説〉2回ともに 服部光真(公益財団法人元興寺文化財研究所)
【 展示関連イベント 】
解説付きガイドツアー
「もっと知りたい"奈良奉行川路聖謨巡見の地-奈良町絵図で歩く-"」
(申込必要)
 史料保存館で企画展示「山の寺念仏寺と江戸時代の奈良町-絵師竹坊作品と「開化天皇陵」関係史料を中心に-」と館蔵史料特別公開「幕末の学問所 南都明教館」を見学後、奈良奉行川路聖謨が巡見した場所を回るツアーで、念仏寺も訪ねます。なら・観光ボランティアガイドの会がご案内いたします。

日時:11月1日(火曜日) 午後1時~4時ごろ 雨天決行(警報発令時の場合は中止)
申込:電話で、事業名、住所、氏名、年齢、電話番号を
   NPO法人なら・観光ボランティアガイドの会まで  
   
電話:0742-27-9889
申込締め切り:10月23日(日曜日)
定員:30人
費用:200円
​コース:ならまちセンター前広場集合~史料保存館(展示解説)~開化陵~念仏寺~奈良奉行所跡~多門町~転害門(解散)

※新型コロナウイルス感染症流行状況により中止になる場合がございます。何卒ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。    

同時期開催

元興寺法輪館秋季特別展示
念仏寺開創四百年記念
袋中上人と山の寺念仏寺
〈期間〉令和4年10月22日(土曜日)~11月13日(日曜日)
〈場所〉元興寺法輪館 午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
〈入館料〉大人600円 中高生300円 小学生100円 入館料は元興寺拝観料に含みます
〈お問合せ〉元興寺文化財研究所 電話:0742-23-1376(平日午前9時~午後5時)


念仏寺本堂特別拝観
〈期間〉令和4年10月22日(土曜日)~11月13日(日曜日)
〈時間〉午後1時~午後5時
〈拝観料〉無料
〈電話〉0742-22-5627

【連携企画】 ・史料保存館企画展示「山の寺念仏寺と江戸時代の奈良町-絵師竹坊作品と「開化天皇陵」関係史料を中心に-」
・元興寺法輪館秋季特別展示「袋中上人と山の寺念仏寺」
・念仏寺本堂特別拝観
3会場で記念スタンプを集めた方に、念仏寺にて「オリジナル散華セット」贈呈します。
【 後援 】 歴史街道 〈歴史街道HP<外部リンク>はこちら〉

 

                                                          

 

御由緒大略表紙

御由緒大略内容
御由緒大略 天保10年(1839) 
念仏寺蔵 (写真/元興寺文化財研究所提供)
 念仏寺の由緒について記した史料です。袋中上人の草創と山号および徳川家康の異父弟松平定勝隠岐守との関わりについて述べています。

 

 

 
開化天皇陵御造営一件表紙 開化天皇陵御造営一件内容
開化天皇御山陵御造営一件 文久2年(1862)
念仏寺蔵 (写真/元興寺文化財研究所提供)
 開化天皇陵の修陵についての基本史料です。文久2年から明治7年までの開化天皇陵関係の記事を収めています。開化陵の修陵については、文久2年11月6日、奈良奉行所与力中條良蔵から修陵が申し渡されました。同11日には宇都宮藩戸田家家来と考証家谷森善臣(安政4年に大和国内の陵墓の実地調査の成果をまとめた『藺笠のしずく』の著者)が、調査のため念仏寺を訪れたことなども記録されています。

   

 

 
絵図
降魔山善光院念仏寺総絵図 元治元年(1864)か
​念仏寺蔵 (写真/元興寺文化財研究所提供)
 文久年間の修陵後の開化陵や念仏寺の様子を示した絵図です。開化陵は、周濠をめぐらせた前方後円墳として修陵され、前方部は柵を設置した様子がわかります。

 

 

主夜神像
演底主夜神像 享保4年(1719)
念仏寺蔵
 念仏寺に残る唯一の竹坊作品です。裱背に享保四年、絵師竹坊吉兵衛ほかの銘文があります。
 主夜神は華厳経入法界品に「恐怖諸難を取り除き、衆生を救護し、光を以て諸法を照らし、悟りの道を開かせる」と説かれる神で、慶長8年袋中上人が念仏をしていたところ光明の中に現れたと伝えられます。主夜は守夜と転じて、夜を守る神として崇められ、盗難や火災を防いでくれる神様とされています。

 

※写真の無断転載禁止