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史料保存館企画展示 奈良奉行梶野良材と奈良

更新日:2019年10月2日更新 印刷ページ表示

 18世紀末から19世紀にかけての近世後期、全国的に飢饉が度々起こり、一揆や打ちこわしが各地で頻発するなど、幕藩体制にきしみが生じ、社会全体が動揺します。

 このような時期にあたる天保2年(1831)から天保7年(1836)まで奈良奉行を務めたのが梶野土佐守良材(かじのとさのかみよしき)です。幕臣としては微禄の家の出身でしたが、才覚を表して禁裏付や奈良奉行、京都町奉行を歴任、天保の改革を行った水野忠邦の信頼を得て、勘定奉行に抜てきされた人物です。
 梶野は学問を好み、古物にも親しんだ文人肌の人物で、奈良や京都で過ごした10年余りの見聞を「大和見聞随筆」「笠置紀行」などの随筆として書き残しています。

 今回の展示では、梶野が幕府の責任者として監督した正倉院宝庫の修理と、奉行所付属の学問所、明教館の設立という2つの事績を中心に、梶野の奈良奉行時代を紹介します。

期間 令和元年10月8日(火曜日)~令和2年1月5日(日曜日)
[休館]月曜日、10月15日(火曜日)・23日(水曜日)・11月5日(火曜日)・12月29日~1月3日(金曜日)(祝日は開館)
時間 午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
入館料 無料
主な展示品
  • 「明教館」扁額
  • 「学規」 明教館
  • 萬大帳 七番(東向北町自治会蔵・市指定文化財)
  • 中院町永代帳(中院町自治会蔵)
  • 森川杜園筆「群鹿図」(個人蔵)10月8日~11月24日展示
  • 森川杜園筆「和歌狂言図扇面](個人蔵)11月26日~1月5日展示
展示解説

館員の展示解説を、史料保存館で期間中2回行います。申込は不要です。
11月9日(土曜日)午後1時半~
12月17日(火曜日)午後1時半~
約30分の予定です。

展示関連イベント

ガイド付きツアー
「もっと知りたい“正倉院と奈良奉行”」

「奈良奉行 梶野良材と奈良」展にちなみ、奈良奉行ゆかりの地を見学するガイド付きツアーをNPO法人 なら・観光ボランティアガイドの会 朱雀と共催します。
日時:11月3日(日曜日・祝日)午後1時半~午後4時(受付午後1時~)

コース:ならまちセンター前広場集合-史料保存館(館員による展示解説)-興福寺南大門跡-奈良奉行所跡(奈良女子大学)-明教館跡-多門町-東大寺正倉院-東大寺大仏殿西側(解散)

費用:200円

申込・問い合わせ:電話で直接、または、はがき・Fax・メールに事業名、住所、氏名、氏名(ふりがな)、年齢、電話番号を書いて、なら・観光ボランティアガイドの会 朱雀 まで
〒630-8228 奈良市上三条町23-4 電話 0742-27-9889 Fax 0742-24-9311
メール suzaku97@m3.kcn.ne.jp

申込締め切り:10月27日(日曜日)

奈良町にぎわいの家出張展示
「タイムトラベル奈良町~奈良奉行 梶野良材と奈良~」
(申込不要)

 企画展示「奈良奉行 梶野良材と奈良」展にあわせて、奈良町にぎわいの家で、展示に関連した史料の一部を出張展示し、史料保存館の館員が史料の解説を行います。

日時:12月7日(土曜日)午後2時~4時

解説:午後2時から約30分

会場:奈良町にぎわいの家(奈良市中新屋町5)

費用:無料

後援 歴史街道 〈歴史街道HP<外部リンク>はこちら〉

懋哉扁額
懋哉(つとめよや)扁額
明教館 梶野良材筆 江戸時代

明教館は天保3年(1832)に奈良奉行梶野良材によって設立された奈良奉行所附属の学問所です。「懋哉」の扁額は、設立者の梶野良材の筆によるもので、明教館の奥の間正面に掲げられたといいます。「困難をおかし何かを求めて努力する」という意味です。

 

正倉開封の場面の画像
正倉開封の場面

宝物点検の場面
四聖坊(ししょうぼう)での宝物点検の場面

天保四年 正倉院御開封之図
個人蔵

 天保4年(1833)、奈良奉行梶野良材が責任者として監督した正倉院宝庫の修理と宝物の点検を行った時の、正倉院開封の儀式の様子と宝物を点検する様子を詳しく描いた図です。この修理の際、梶野良材の家来で国学者の穂井田忠友(ほいだただとも)によって正倉院所蔵の古文書の一部が整理され、「正倉院文書」45巻が出来上がっています。

 

 

萬大帳七番表紙
萬大帳七番内容

萬大帳 七番
東向北町蔵 市指定文化財  

東向北町の町記録です。天保の飢饉の際、天保4年(1833)、奈良奉行梶野良材が出した、新米の収穫までは各々米を用意しておくこと、米屋は米の安売りをすることなどの触が記されています。奈良奉行所をはじめ、寺院、有力な商人などがこのように比較的早く救済策をとったため、奈良では大規模な打ちこわしなどが起こらなかったようです。

 

 

群鹿図の画像
群鹿図
森川杜園筆 個人蔵

和歌狂言図扇面の画像
和歌狂言図扇面
森川杜園筆 個人蔵

 文政3年(1820)に生まれた森川杜園(もりかわとえん)は、幼名を友吉といいました。学問を好み、絵画を内藤其淵(ないとうきえん)に学んだという友吉の才能を認めた梶野良材は、天保7年(1836)に扶疏(ともしげ)の名と杜園の号を与えました。
 「群鹿図」は杜園が残した優れた絵画作品のひとつです。「和歌狂言図扇面」は、明治22年(1889)の古稀の祝いに自分の舞台姿を描き、関係者に配ったものです。

※写真の無断転載禁止

イベント情報

開催日:2019年10月8日から2020年1月5日
場所・時間等:奈良市脇戸町1-1
史料保存館 開催しない日:

・2019年10月7日
・2019年10月15日
・2019年10月21日
・2019年10月23日
・2019年10月28日
・2019年11月5日
・2019年11月11日
・2019年11月18日
・2019年11月25日
・2019年12月2日
・2019年12月9日
・2019年12月16日
・2019年12月23日
・2019年12月29日 から 2020年1月3日

関連情報