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獅子奮迅!般若寺と般若寺村の歴史-般若寺所蔵の歴史資料から-

更新日:2021年7月27日更新 印刷ページ表示

 「コスモス寺」として有名な般若寺は、十三重石塔・楼門・文殊菩薩騎獅像など中世の貴重な文化財が所蔵されることでも知られます。創建は諸説ありますが、境内から古瓦が出土しており、奈良時代には存在していたようです。のちにまとめられた由緒書によれば、寺は「山の形、獅子奮迅の勢いあり」という勝地が選ばれて建てられたとされ、文殊菩薩騎獅像への信仰を集めてきました。
 これまでの般若寺についての調査研究は中世までの般若寺の歴史が中心でしたが、近年、東京大学史料編纂所一般共同研究による歴史資料調査が行われ、近世以降の般若寺と周辺地域の歴史を示す史料が改めて確認され、注目されます。
 今回の展示では、般若寺と上記共同研究調査員の協力を得て、奈良町北部の地域史料としても貴重な般若寺の、主として中近世の歴史資料から般若寺と般若寺村の様子を紹介します。 

 

【 期間 】 令和3年6月15日(火曜日)~令和3年7月25日(日曜日)
[休館] 月曜日(祝日は開館)
【 時間 】 午前9時~午後5時 (入館は午後4時30分まで)
【 入館料 】 無料
【 主な展示品 】 ・般若寺文殊縁起等 康暦元年(1379)写本
・大和国添上郡内般若寺村御検地帳 文禄4年(1595)
・法性山般若寺略縁起 元文3年(1738)
・般若寺村絵図 江戸時代
・南都般若寺四至境内図 江戸時代
【 展示解説 】 展示解説を、史料保存館で期間中2回行います。約20分の予定。申込は不要です。
6月23日(水曜日) 午後1時半~
服部光真・三宅徹誠(公益財団法人元興寺文化財研究所)
7月17日(土曜日) 午後1時半~  
服部光真(公益財団法人元興寺文化財研究所)
【 展示関連イベント 】
奈良町にぎわいの家出張展示
「タイムトラベル奈良町~獅子奮迅!般若寺と般若寺村の歴史~」
(申込不要)

 企画展示「獅子奮迅!般若寺と般若寺村の歴史-般若寺所蔵の歴史資料から-」展にあわせて、奈良町にぎわいの家で、展示に関連した般若寺の歴史と展示史料の紹介・解説を行います。

日時:6月26日(土曜日) 午後2時~4時
解説:午後2時から約30分
解説者:服部光真(公益財団法人元興寺文化財研究所)
    澤井廣次(天理大学附属天理図書館)
    三宅徹誠(公益財団法人元興寺文化財研究所)
会場:奈良町にぎわいの家(奈良市中新屋町5)
費用:無料

※当日会場でのマスク着用、検温、連絡先提供にご協力ください。

※新型コロナウイルス感染症流行状況により、解説は中止し、パネル展示に変更になる場合がございます。何卒ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。      

【協力】 ・般若寺
・公益財団法人元興寺文化財研究所
・東京大学史料編纂所2020年度一般共同研究「中・近世畿内寺院史料の調査・研究と研究資源化-般若寺および念仏寺を中心とする-」
【 後援 】 歴史街道 〈歴史街道HP<外部リンク>はこちら〉

 

            展示史料の一部を紹介します。                                               

 
大和国添上郡内般若寺村御検地帳 文禄4年(1595) 
般若寺蔵 
 表紙には「文禄四年九月五日/大和国添上郡内般若寺村御検地帳/増田右衛門尉打口/河橋喜斎」とあります。いわゆる文禄検地(太閤検地)の記録です。
 大和の一国総検地は文禄四年に増田長盛によって行われました。検地帳は検地による調査結果をまとめた土地台帳で、田畑の等級は上・中・下・荒などに分類され租税決定の資料となります。寺領として成立した般若寺村を知るための基本となる史料です。

 

 
般若寺村絵図 江戸時代
般若寺蔵 
 江戸時代の般若寺村絵図です。領主ごとに色分けされており、京街道に沿って家が立ち並んでいます。
 絵図には、小字名のほか奈良晒(麻布)を曝していた「曝干場」と書かれた場所がたくさんあります。近世奈良を代表する産業であった奈良晒の製造にあたった晒業者が多く住んでいた般若寺村の様子をうかがうことができる貴重な史料です。

  

 
南都般若寺四至境内図 江戸時代
般若寺蔵
 江戸時代に描かれた、般若寺の想像図です。
「法性山般若寺略縁起」に「山の形、獅子奮迅の勢いありて、恰も文殊菩薩の座に似たり」とあるように、般若寺を囲む山が文殊菩薩を据える獅子座に似た形に描かれています。