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奈良市史料保存館では、保管する古文書や絵地図などの歴史資料を活用した企画展示を実施しています。
今回は明治31年2月1日に奈良市が誕生し、その後しばらくして公募により制定された、市のシンボルマークである奈良市章(市徽章(きしょう))の応募作品にスポットを当てた展示を企画しました。
奈良は市制が施行されてから、今年の2月1日で121年目を迎え、またあらたな一歩を踏み出すことになります。
そうした年初にあたり、いま一度、明治の市制施行当時を振り返る展示を企画しました。
今回の展示では、奈良が近代都市として歩み始めた当時、人々が奈良に対して抱いていたイメージや、愛着をもったものが何だったか、市章(市徽章(きしょう))公募に寄せられた作品を通してその一端を紹介します。
また市制が施行された明治30年代~40年代の奈良市に関わる資料もあわせて紹介します。
平成31年1月8日(火曜日)~平成31年3月31日(日曜日)
午前9時~午後5時(入館は午後4時半まで)
月曜日・祝日の翌平日(祝日は開館)(1月15日(火曜日)・2月12日(火曜日)・3月22日(金曜日))
無料
史料保存館 展示室(奈良市脇戸町1-1)
史料保存館で、館員による展示解説を2回行います。約30分の予定。申し込みは不要です。
[日時]
市章(市徽章きしょう)の公募作品については、これまであまり紹介される機会がなく、選外の作品については、今回が初めての展示・紹介になります。
公募作品は、総数80点余で、市章の意匠と合わせてその解説文も添えられている作品が多くあります。いずれの作品も、奈良への郷土愛や奈良の長い歴史を誇りに思う気持ち、そして市の発展を願う気持ちが込められています。
公募作品の意匠は、市章に選ばれた「八重桜」をはじめ、奈良といえば頭に浮かぶ「鹿」をモチーフにしたもの、「奈良」の漢字や名前の由来にちなんだもの、古代の都「平城京」に由来するもの、春日大社の藤や東大寺大仏をモチーフにしたものなど多様な作品があります。
これらの作品から明治の人々が奈良に抱くイメージの一端を知ることができると思います。
また、当時の奈良市に関する資料として、珍しい明治中頃の三条通りの写真や日露戦争の記念盃なども展示します。
「市章誕生物語-奈良市のはじまり-」展にちなみ、奈良市がはじまった頃にゆかりの場所を見学するガイド付きツアー「もっと知りたい“奈良市のはじまり”」をNPO法人なら・観光ボランティアガイドの会朱雀と共催します。
3月5日(火曜日)午後1時半~4時ごろ(受付は午後1時~)雨天決行(警報発令の場合は中止)
ならまちセンター前広場集合-史料保存館※館員による展示解説-鷺池-片岡梅林-明治陸軍大演習玉座跡-旧奈良県物産陳列所-奈良師範学校跡-県庁前(解散)
200円
電話で直接、または、はがき・Fax・メールに事業名、住所、氏名(ふりがな)、年齢、電話番号を書いて下記へ。
なら・観光ボランティアガイドの会 朱雀
〒630-8228 奈良市上三条町23-4
電話 0742-27-9889
Fax 0742-24-9311
Eメール suzaku97●m3.kcn.ne.jp(●を@に変えて送信)
申込み締め切り 3月1日(金曜日)
「市章誕生物語-奈良市のはじまり-」展開催に合わせ、奈良町にぎわいの家において、展示に関連した史料の一部を出張展示し、あわせて史料保存館員による史料解説を行います。
3月9日(土曜日)午後2時~4時
(館員による展示解説は午後2時から30分程度)
奈良町にぎわいの家(奈良市中新屋町5)
無料(申込不要)
しみんだより(1月号)、市ホームページ、チラシ配布、twitter、関西文化.com、歴史街道推進協議会への情報提供、周辺施設への広報
1月13日の市会で市章(市徽章きしょう)を制定することが決議され、その図案の公募が行われて、80点あまりの応募がありました。その中から市章(市徽章)の図案として選定された作品です。図案に添えられた解説書には、万葉集にもうたわれた奈良の名花「八重桜」をかたどり、その内側に配した「奈」の字の「示」は、昔三笠山でウグイスに日月星の三光の鳴き声を習わせたという故事にちなんで、三光をかたどったことが記されています。
明治36年4月23日の市会の決議を経て市章(市徽章)が制定され、5月から実施されました。同年5月5日発行の奈良市公報第3号に市章(市徽章)の発表、次号の5月20日発行奈良市公報第4号に市章(市徽章)の解説が掲載されています。
1月18日の市議会で市章(市徽章)の制定を決定したことを受けて、その意匠の公募に80点余の応募作品が寄せられました。市徽章に選定された意匠は「八重桜」でしたが、選定外となった応募作品にも色々なデザインがあります。奈良にちなんだ「鹿」や「奈良」の漢字をモチーフにしたもの、古代の都「平城京」があったことに由来するもの、春日大社の藤や東大寺大仏をモチーフにしたものなどで、これらを組み合わせたデザインも含め様々な意匠が描かれています。今回これらのうちの代表的な作品を取り上げて紹介します。