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4世紀後半に築造された日本最大の円墳である富雄丸山古墳から出土した東アジア最大の蛇行剣、類例のない盾形銅鏡などを適切に展示公開する施設を建設します。
1000年以上の時を経て顕れた「謎の四世紀」の希少な文化財を、1000年先の未来へと守り、伝えていくために、ふるさと納税で必要な費用を募ります。
令和4年度に実施した富雄丸山古墳の第6次調査で、造出し埋葬施設(粘土槨)から出土した東アジア最大の蛇行剣は、剣に伴う装具も非常に良好な状態で残存しており、日本の考古資料のなかでも特に希少なものです。
現在、この蛇行剣は、構造、劣化状況等を詳細に調査したうえで、保存処理を実施しています。
保存処理終了後には、考古学的・科学的見地から蛇行剣の状態をチェックし、写真撮影・X線写真撮影を行い、経過を観察します。
保存処理を行う過程で、新たに判明したことなどがある場合には、適宜、報道発表します。
富雄丸山古墳から出土した蛇行剣のほか「謎の四世紀」の希少な文化財をはじめ、本市が収蔵する文化財を適切に展示公開する施設を建設します。近接する道の駅「クロスウェイなかまち」 との相互連携による誘客促進が期待できるとともに、高速道路の出入口にも近く、利便性が 高いため、全国から修学旅行生の来館も見込まれます。
現センターは開設から40年以上が経過しており、建物躯体の老朽化が進んでおり、遺物の収蔵スぺ―ス不足が常態化している状態です。また空調機械や電気設備などの機器の老朽化も進んでおり、動作不良や導線の問題も発生しています。設備機器の一部は生産終了となっている部品を使用しているため、部分的な更新が難しいものも稼働している状態です。
文化財はその材質や形状、大きさ、保存状態に応じて適切な保存・保管環境を整備する必要がありますが、現施設では建物躯体や空調機械、電気設備などの機器の老朽化により、温度、湿度、光、空気汚染、生物など様々な環境因子へ配慮した保存・保管環境が整っていない状態です。
文化財は保存・保管を行う場合と同様に、適切な環境で展示することが必要ですが、現施設では湿度管理などが可能な展示ケースは整備されていません。
新センターでは隣接する富雄丸山古墳や道の駅「クロスウェイなかまち」などの周辺施設と連携を促進し、互いに不足する機能を補い合いながら相乗効果を生み出します。現センターの跡地はより効果的な利用を検討します。
現在、埋蔵文化財調査センター(大安寺西二丁目281番地)が所在する、八条・大安寺周辺地区には、奈良市を南北に縦断する京奈和自動車道路(大和北道路)の(仮称)奈良インターチェンジの他、都市計画道路西九条佐保線、さらにはJR関西本線の高架化及び新駅の設置が決まっており、今後、現施設を取り巻く環境が著しい変化が見込まれます。
高さ6センチメートル、幅31センチメートルの銅鏡で、古墳時代に多く用いられた革製の盾を模した形状で、盾の形をした鏡には類例がない。背⾯中央には半球状の鈕(ちゅう)があり、その上下には中国の神仙思想における神と獣の表現が形骸化した、倭国固有の「鼉⿓⽂」が描かれる。文様の隙間には、邪気を払う呪術的な文様とされる三角形の鋸⻭⽂も描かれ、4世紀の倭国が高い金属工芸技術を有していたことを伝える逸品。
刃部が左右に6回屈曲して蛇行し、長さは237センチメートル、装具を含めると285センチメートルに及ぶ。今までに発見された蛇行剣の中では最古で、東アジアで最長の鉄剣。
直径21.6センチメートル、重量961グラム。2体の神像とそれぞれの両隣に脇侍(わきじ)を加え、獣像を3体描く。三角縁神獣鏡は国内で約600面が知られるが、発掘調査による三角縁神獣鏡の発見は平成23(2011)年の高坂(たかさか)古墳群(埼玉県東松山市)以来13年ぶり。
直径19.1センチメートル、重量844グラム。通常は10センチメートル前後で、国内で知られている虺龍文鏡40面のうち最大。内区には、虺龍文と呼ばれる逆S字形のモチーフを配する。
直径19.6センチメートル、重量673グラム。内区には、2体の神像(東王父と西王母)のそれぞれに1体ずつ脇侍を配するほか、龍と虎を1体ずつ描く文様構成。3号鏡は一番下に置かれたため、水銀朱が鏡背面に付着している。
「ふるさとチョイス」で令和7年8月15日(金曜日)より受付開始
他ふるさと納税サイトでも順次公開
1億円
【リリース資料】(仮称)奈良市文化財調査センターへの建設費用をふるさと納税で募ります [PDFファイル/1.87MB]
奈良市 教育部 文化財課
TEL:0742-34-5369