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興福寺曼荼羅石

更新日:2021年1月27日更新 印刷ページ表示

 本品は興福寺の主要な仏像と五重塔とを刻む画像石です。同様の構図は興福寺の諸仏と春日社社殿とを描いた興福寺曼荼羅図(春日社寺曼荼羅図)にみられ、京都国立博物館本(重要文化財)・興福寺本(奈良県指定有形文化財)・奈良国立博物館本など鎌倉・室町時代の絵画が多数知られますが、石造物ではほかに例をみません。興福寺信仰の宣揚を背景として礼拝対象とするための造像が石造物まで及んだと考えられ、造立年代は興福寺曼荼羅図の制作が盛行した鎌倉時代と推定されます。石造物としては唯一の遺例で、興福寺伽藍の諸尊を像容と種子(しゅじ)により的確に刻み、春日興福寺信仰に基づき南都で特色ある造像活動が石造物にも展開したことを示すものとして貴重であり、美術史的にもその価値は高いものです。

 
件名 興福寺曼荼羅石
かな こうふくじまんだらせき
数量 1面
指定(分類) 奈良市指定文化財(考古資料)
指定日 平成13年3月1日
所在(有) 奈良市十輪院町27 十輪院
小学校区 飛鳥
形状等 像高107.0cm
備考 鎌倉時代