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青龍寺宝篋印塔

更新日:2021年6月1日更新 印刷ページ表示

 都祁地域の青龍寺境内入口にあります。花崗岩製で、基壇と塔部(基礎・塔身・笠・相輪)で構成されます。笠の四隅に飾りがあるのが宝篋印塔の特徴で、古いものは垂直に立っていますが、新しくなると外に反るように造られます。この塔ではわずかに反っています。こうした様式から、14世紀前期(鎌倉時代後期)の造立と考えられます。
 塔身には、方形の枠内に円(月輪:がちりん)を刻み、梵字(種子:しゅじ)を深く彫っています。方形の枠を設けるのは大蔵派(おおくらは)という石工集団の作風で、畿内では13世紀から14世紀初めにみられます。相輪も、細部を丁寧に造っています。
 基壇南面には納骨孔とみられる穴があります。14世紀頃から供養塔に納骨孔をあける例があり、この塔も供養塔として造られたと考えられます。当地域の塔造立と葬送儀礼の歴史を知る上で興味深い資料です。
 この塔は、奈良市東部地域の宝篋印塔の中でも優れた作風を示しています。市内の同時期の遺品に全体が完存する例は他にないことからも貴重です。

青龍寺宝篋印塔

 
件名 青龍寺宝篋印塔
かな せいりゅうじほうきょういんとう
数量 1基
指定(分類) 奈良市指定文化財(建造物)
指定日 平成23年3月3日
所在地 奈良市藺生町276
所有者 青龍寺
小学校区 都祁
構造形式 総高289.5cm 塔高224.5cm 花崗岩製
年代 鎌倉時代後期