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薪御能

更新日:2021年1月27日更新 印刷ページ表示

 薪御能は、貞観11年(869)に始まったという興福寺修二会に付随する「薪猿楽」(たきぎさるがく)に由来する行事です。能楽の隆盛にともない、大和猿楽四座の参勤が義務づけられ、中・近世を通じて幅広い人気を博しました。
 現在の行事は、明治以降断続的に行われていたものを、昭和35年(1960)に主催者を薪御能保存会とし、期日も5月に固定して整備したもので、近世期の行事内容を概ね踏襲するかたちで行われています(但し、期日は異なります)。
 今日、薪能の名称で行われる演能会は数多くありますが、本来、薪能といえば興福寺薪能のことであり、現行の薪御能はその系譜を引くものです(単に「薪能」と呼ばれる場合もあります)。能楽史上、能の始源を考えるうえで重要な位置を占める行事で、広く市民に親しまれている年中行事としても貴重です。

薪御能
写真:桑原英文(奈良市観光協会提供)

 
件名 薪御能
かな たきぎおのう
指定(分類) 奈良市指定文化財(無形民俗文化財)
指定日 平成2年4月11日
所在(有) 薪御能保存会
小学校区 椿井・鼓阪
内容 ・5月第3金曜日 咒師走り(しゅしばしり)の儀(春日大社舞殿)、南大門の儀(興福寺南大門跡)
・5月第3土曜日 御社上り(みやしろあがり)の儀(春日大社若宮社拝舎)、南大門の儀(興福寺南大門跡)