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菅原東遺跡は、奈良市菅原東町を中心に広がる、主に古墳時代の遺跡です。平成2年(1990)の発掘調査で古墳時代後期(今から約1500年前)の埴輪を焼いた窯跡がみつかりました。
かつてこの地には「土師(はじ)」と称する豪族が住んでおり、古墳造りに関わる仕事をしていたと考えられています。土師氏は、後に地名にちなんで姓を「菅原」と改めています。この菅原で古墳に立てる埴輪を焼いた窯跡が見つかったことは、こうした歴史を裏付ける証拠となります。
この遺跡では6基の埴輪窯がみつかりました。いずれも「登窯(のぼりがま)」とよばれる斜面を斜めに掘りぬいたトンネル状の窯です。窯の中に堆積した土の様子から、操業時に何度も崩れては改築していたことがわかります。
発掘調査後、窯跡2基と灰原(はいばら)、溝状遺構は原位置で保存し、移設保存された残りの4基のうち1基は発掘時の状況が見学できるように整備しました。「菅原はにわ窯公園」という名称で市民に親しまれています。
件名 | 菅原東遺跡埴輪窯跡群(移設窯跡を含む) |
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かな | すがはらひがしいせきはにわかまあとぐん |
指定(分類) | 奈良市指定文化財(史跡) |
指定日 | 平成12年3月1日 |
所在地 | 奈良市横領町403-2 他 (奈良市西大寺国見町3丁目9 他) |
所有者 | 奈良市 |
小学校区 | 伏見 |
年代 | 古墳 |