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旧市街である奈良町地区にある町家です。南隣に奈良県指定有形文化財・細川家住宅がありますが、森家住宅はもとは細川家の隠居所であったと伝えられています。形式・手法から、明治20年代(1887-96)頃の建築とみられます。
南側を通り土間とし、北側に4つの居室を1列に並べています。通り土間は居室部より奥行が短く、屋根が一段低くなっています。正面の丸太格子は奈良の町家にみられる特色のひとつで、「奈良格子」とも呼ばれます。
居室は、壁を青竹色の色土(いろつち)で仕上げ、ミセノマを網代(あじろ)天井として茶室風に造り、床柱(とこばしら)等に皮付き丸太を用いるなど、随所に数寄屋(すきや)趣味が見られます。奥の庭に面するザシキの西と南に縁を設け、南縁上方の屋根を入母屋造としています。
平成23年(2011)に半解体修理工事が竣工し、丸太格子や通り土間が復原されるなど、ほぼ建築当初の姿がよみがえりました。
森家住宅 北東から撮影
(左奥は県指定有形文化財・細川家住宅)
件名 | 森家住宅 |
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かな | もりけじゅうたく |
数量 | 1棟 |
指定(分類) | 奈良市指定文化財(建造物) |
指定日 | 平成16年3月3日 |
所在地 | 奈良市南城戸町 |
所有者 | 個人 |
小学校区 | 椿井 |
構造形式 | 桁行5.8m、梁間15.5m、正面庇付、切妻造段違、背面一部入母屋造、桟瓦葺 |
年代 | 明治20年代頃 |