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松山家住宅主屋南棟、主屋北棟、渡廊下、麦蔵、米蔵

更新日:2021年1月27日更新 印刷ページ表示

主屋南棟

 松山家は奈良町の中心部で戦前まで米問屋を営んでいました。南北通りに東面して2軒の町家が雁行して建っており、独特の景観を形成しています。
 南側の主屋南棟は、平屋建、切妻造桟瓦葺で、正面に格子を構えています。軒の高さが低い点や、2階に居室を設けない点など、全体的に北棟より古い形式を示して、18世紀に遡り得る古い町家の例として価値があります。
 現在は豆腐料理の店として親しまれています。

主屋北棟

 北側の主屋北棟は、主屋南棟より後退して建つ、つし2階建、切妻造桟瓦葺の町家です。正面に丸太格子を構え、庇上に虫籠窓(むしこまど)、両端に袖卯建(そでうだつ)を設けます。内部は、南側は通り土間で、北側に3室を1列に並べます。棟札(むなふだ)により建築年代が明らかで、奈良町の近世町家の基準作ともなり、歴史的景観の形成に大きく寄与しています。
 昭和63年(1988)のなら・シルクロード博を機に民間資料館「奈良オリエント館」となり、平成12年(2000)から同27年(2015)までFM放送局として利用されるなど、広く親しまれています。

渡廊下

 主屋北棟の後方に続く、平屋建、切妻造桟瓦葺の建物です。北側の中庭に面して廊下を配し、その南に浴室や便所を並べます。黄色の壁に下地窓を入れ、意匠の整った手摺りを付けた、瀟洒な建物です。中庭側には柱を立てず、開放的な空間を生み出しています。奈良町家の伝統的な中庭空間をよく示しています。

麦蔵

 渡廊下の後方に南面して建つ、桁行約7メートル、梁間約5メートル、切妻造桟瓦葺の土蔵で、正面に庇が付きます。外壁は白漆喰を基調とし、両側面と背面は竪板張、正面の足下はモルタル塗とします。内壁は中塗り仕上げとし、荷摺木(にずりぎ)を取り付けます。奈良町において米問屋を営んだ商家の穀物蔵として、旧状をよく伝えています。

※荷摺木(にずりぎ)…蔵などの内部で、穀物のような重量のある荷物が壁に当たったときに、内壁が傷つかないように取り付ける部材のこと。

米蔵

 敷地西奥に東面して建つ、桁行約8メートル、梁間約6メートル、切妻造桟瓦葺の土蔵で、正面に奥行きの広い庇が付きます。麦蔵と同様に内部に荷摺木(にずりぎ)を取り付け、また規模が大きく、米問屋としての盛期を伝える建物です。
 昭和63年(1988)に展示室になり、平成12年(2000)からは飲食店として利用されるなど、米蔵の空間を活かした活用が図られ、親しまれています。

松山家外観
松山家住宅 主屋南棟(中央)と主屋北棟(右奥)

松山家中庭
渡廊下(左手)と麦蔵(奥)が奈良の町家の伝統的な中庭空間を構成

 
件名 松山家住宅主屋南棟
松山家住宅主屋北棟
松山家住宅渡廊下
松山家住宅麦蔵
松山家住宅米蔵
かな まつやまけじゅうたくおもやみなみとう
まつやまけじゅうたくおもやきたとう
まつやまけじゅうたくわたりろうか
まつやまけじゅうたくむぎぐら
まつやまけじゅうたくこめぐら
数量 各1棟
登録(分類) 登録有形文化財(建造物)
登録日 平成27年11月17日
所在地 奈良市西新屋町
所有者 個人
小学校区 済美
構造形式 主屋南棟:木造平屋建、瓦葺、建築面積97平方メートル
主屋北棟:木造2階建、瓦葺、建築面積97平方メートル
渡廊下:木造平屋建、瓦葺、建築面積26平方メートル
麦蔵:土蔵造平屋建、瓦葺、建築面積45平方メートル
米蔵:土蔵造平屋建、瓦葺、建築面積71平方メートル
年代 主屋南棟:江戸後期/平成12年(2000)改修
主屋北棟:文政12年(1829)
渡廊下:昭和前期
麦蔵:昭和前期
米蔵:昭和前期