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南明寺の四天王立像は、現在、本尊の木造薬師如来坐像(重要文化財)を囲んで安置されています。腕や持物を欠失していますが、姿勢や体色等により、本尊からみて左側前方より右回りに持国天、増長天、広目天、多聞天と推定できます。
台座を含む主要部を各一材から丸彫りしていて、平安時代前半の彫像に多い簡古な構造です。頭部の大きな、幼児を思わせるような均斉を示しており、顔立ちも目鼻や口を大きく誇張していて、忿怒の相を表す表情は至ってユーモラスです。また肢体の動きは力感あふれ、それに応じて体躯の量感も的確であり、肉付きの張りも充実しています。こうした顔立ちや体躯の力強い表現には平安前期(9世紀)の特徴が受け継がれているものの、甲冑や着衣などの細部の表現は簡略化されていて、造立年代は平安中期(10世紀)頃と考えられます。
市内寺院に伝わる平安時代の四天王像の中でも古例に属し、群像としての構成も優れており、美術史的価値が高いものです。
(広目天・増長天・持国天・多聞天)
件名 | 木造四天王立像 |
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かな | もくぞうしてんのうりゅうぞう |
数量 | 4躯 |
指定(分類) | 奈良市指定文化財(彫刻) |
指定日 | 平成24年3月6日 |
所在・所有者 | 奈良市阪原町1005 南明寺 |
小学校区 | 興東 |
形状等 | (持国天)像高69.1cm 総高88.0cm (増長天)像高76.2cm 総高92.4cm (広目天)像高69.4cm 総高84.4cm (多聞天)像高69.4cm 総高82.3cm |
備考 | 平安時代 |