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木奥家住宅は、奈良町中心部にあって、道に東面して建つ桟瓦葺、平入の大規模な町家です。建設開始時からの棟札(むなふだ)が複数枚残り、建築年代と増築過程が明瞭となっています。寛政4年(1792)建設の町家を改修した南側の座敷、中央の文政3年(1820)建設の主棟、北側の増築部からなります。特に主棟は、表屋造(※)として奈良町最古とみられるだけでなく、全国的に見ても古例です。正面は長大なつし2階建てで、下屋(げや)を通して一体感のある表構えとし、出格子を4箇所に構え、庇上は黒漆喰壁に虫籠窓(むしこまど)を設けています。
旧奈良町内の伝統的な町家の姿をよく留めており、風格ある構えの大型町家として地域景観の形成の上で重要な位置を占めています。
※表屋造(おもてやづくり) 町家の形式の一つ。表通りに面して店を構え、その奥に居住用の建物を別の棟として建てたもの。
木奥家住宅主屋 全景 南から(奈良県文化財保存課 提供)
木奥家住宅主屋 全景 北から(奈良県文化財保存課 提供)
件名 | 木奥家住宅主屋 |
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かな | きおくけじゅうたくおもや |
数量 | 1棟 |
登録(分類) | 登録有形文化財(建造物) |
登録日 | 平成25年12月24日 |
所在地 | 奈良市芝新屋町 |
所有者 | 個人 |
小学校区 | 済美 |
構造形式 | 木造2階建、瓦葺、建築面積374平方メートル |
年代 | 寛政4年(1792)/文政3年(1820)・安政5年(1858)・明治期増築 |