本文
この樹は名勝月瀬梅林の中でも最もよく知られ、「白髭(しらひげ)の梅」とよばれています。
地表近くで東と西に向かって伸びる二幹に分岐し、西方に伸びる幹は地表0.5mで南北に二分岐しています。東方に伸びる幹は枯れていますが、西方の幹は白い花をつけます。樹齢約400~500年と推定され、月ヶ瀬地区に残る古木として貴重です。
月ヶ瀬桃香野(ももがの)の歴史を物語る名木としても知られています。明治37年(1904)刊行の塚田武馬『月瀬道の栞』には、「其(その)実桃の風味ありとて桃香の梅ともいふ、盖(けだし)地名の起因なるべし」と記されています。
もとは現在地(「湖畔の里つきがせ」)より北東の川沿いにありましたが、昭和43年(1968)に高山ダム建設にともない八幡橋の東に移植され、平成13年(2001)の「湖畔の里つきがせ」建設時にその正面に植え替えられました。