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手向山八幡宮の御田植

更新日:2021年1月27日更新 印刷ページ表示

  この行事は一年のはじめにあたり、神(仏)に対して最も望ましい稲作の過程を演じてみせて、その年の豊作を祈るもので、一般に御田植・オンダ(御田)・田遊びなどと呼ばれているものです。
 手向山八幡宮の御田植行事は、田主を中心に苗代の水口祭から田植えまでが演じられます。田主は謡曲風の詞章を地揺と掛け合いで唱えながら演じます。途中、犂(すき)を使う場面では牛役の男子(牛童)が、田植えの場面では早乙女役の女子が参加します。行事は全体的によく形式が整えられていて、使用する用具・面なども銘のあるものや特色あるものが伝来しています。
 同社に伝わる『平城八幡宮御田植神事之図』(文政元年〈1818〉)によると、行事の中心である御田植えの所役・用具は現在のものとほぼ同じであり、この頃には現行のような行事内容が整えられていたことがわかります。また永禄11年(1568)に御田が延引されたことがあるとも記しており、既に16世紀後半には、この行事が行われていたらしいことも窺えます。
 奈良市内に伝承される御田行事のなかでも、よく形式の整ったものであり、代表的な御田行事として貴重です。

水口祭の画像
水口祭

牛使いの画像
牛使い

肥使いの画像
肥使い

たねまきの画像
種蒔き

田植えの画像
田植え

御田植用具
御田植用具(農具一式)

 
件名 手向山八幡宮の御田植(オンダ)
 付 「平城八幡宮御田植神事之図」 1巻
   「八幡宮御田式次第書」 1冊
かな たむけやまはちまんぐうのおたうえ(おんだ)
 つけたり へいじょうはちまんぐうおたうえしんじのず はちまんぐうおんだしきしだいしょ
指定(分類) 奈良市指定文化財(無形民俗文化財)
指定日 平成7年4月12日
所在(有) 奈良市雑司町434 手向山八幡宮
小学校区 鼓阪
形状等 毎年2月3日に行う。田主(1名、翁面を着ける)、牛童(1名、牛面を被る)、早乙女子(数名)、地謡・囃方(白丁姿ほか数名)が謡をうたいながら境内を一周し、楼門から入って拝殿にのぼる。御田植は次のとおり行われる。
(1)水口祭と称して、田主が本殿前の玉垣の門の両側の柱の元に小幣を立て、キリコ(切餅)と大豆、籾種を三盛供えて鼓とスリガネ(土拍子)を2回ずつ3度打つ。その後、田主が主体となり地謡と応答する形式で御田植の所作を行う。
(2)鍬初め - 田主が鍬で打ち起こす。
(3)牛使い - 牛童に犂をつけ拝殿を廻る。
(4)エブリ使い - 田主がエブリで均す。
(5)肥使い - 松葉や「うらじろ」などで作った肥草と呼ぶ作りものを担いで拝殿を廻る。
(6)種蒔き - 田主が桶をかかえてキリコ、大豆、籾などを四方に蒔く。
(7)見廻り - 田主が苗を見廻る。
(8)早乙女招き - 田主が扇で四方を指し示しながら早乙女を招く。
(9)田植え - 早乙女が松苗を供える。
行事が終わると松苗は氏子に配られ、苗代作りの時に水口に立てて祭る。