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嶋田神社本殿

更新日:2021年6月1日更新 印刷ページ表示

 嶋田神社は、奈良市南郊、奈良盆地東縁の八島町にあります。神武天皇の皇子である神八井耳命(かむやいみみのみこと)と崇道天皇(早良親王)が祭られています。本殿は、春日大社本社本殿と同規模・同形式の春日造の建物です。史料から、宝永6年(1709)に春日大社本社本殿として建てられ、その後当地に移されたことがわかります。
 春日大社の本殿は、幕末までほぼ20年ごとに建て替えられてきました。これを式年造替といいます。建て替えの際、旧本殿は近畿一帯の神社に払い下げられました。当社本殿もそのひとつです。部材に「三之御殿」と記した墨書があるので、4棟ある本社本殿のうちの第三殿であったことが確認できます。
 この建物は、享保12年(1727)頃、崇道天皇社本殿として現在の八嶋陵(崇道天皇陵/八島町所在)の地に移築されました。さらに、明治19年(1886)、八嶋陵の整備にあたって同社は嶋田神社に合祀され、本殿は、嶋田神社本殿として現在地に移築されました。
 嶋田神社本殿は、春日大社の式年造替に伴い各地に譲渡された旧本社本殿のひとつで、建立や移築の経緯が明らかな、当初形式をよく残す、貴重な建物です。

嶋田神社本殿の写真(神社の木々に映える朱色の本殿)
嶋田神社本殿

 
件名 嶋田神社本殿
かな しまだじんじゃほんでん
数量 1棟
指定(分類) 奈良市指定文化財(建造物)
指定日 昭和57年3月1日
所在地 奈良市八島町325
所有者 嶋田神社
小学校区 東市
構造形式 一間社春日造、銅板葺
年代 宝永6年(1709)建立 享保12年(1727)頃移築 明治19年(1886)再移築