本文
小倉八柱神社は奈良市小倉町の集落の西南方に鎮座する神社で、集落の東南の壇の山から集落に向かう尾根の先端頂部、標高520mの地点にあります。社叢は、社殿背後の標高495mから520mの尾根南斜面に広がり、アカガシを主体としてヒノキ、スギを伴う、樹種の安定した極相林です。
森林の高木層はヒノキ、アカガシ、スギで構成されており、樹高は20mほどあります。亜高木層はヤブツバキ、アカガシ、ヒノキ、コシアブラ、ヒメシャラなどからなり、低木層はアオキが優占種で、ヤブツバキ、サカキ、ウラジロガシ、ヤツデ、ヒサカキ、ブナ、オオカメノキが生育しています。草本層にはミヤコザサ、ベニシダ、ヤブツバキ、ナガバジャノヒゲ、ヤブコウジ、ヒサカキ、カラタチバナ、チャノキ、フモトシダ、シシガシラなどが生育しています。
また、削平された社殿右前方には、地上1mの高さでの幹周4.12m、樹高15mのアカガシが、岩塊を抱き込むように根を張ってそびえ、独特の境内の景観を呈しています。
山間部の社叢はニホンジカの食害によって植物相が変化している場合が多いのですが、この社叢は食害を受けておらず、自然性の高い植生を残す稀な存在です。
件名 | 小倉八柱神社社叢 |
---|---|
かな | おぐらやはしらじんじゃしゃそう |
指定(分類) | 奈良市指定文化財(天然記念物) |
指定日 | 平成19年3月6日 |
所在地 | 奈良市小倉町291の一部 |
所有者 | 八柱神社 |
小学校区 | 都祁 |