ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 分類でさがす > 奈良市の魅力 > 文化財 > 文化財 > 文化財 > 奈良町にぎわいの家主屋、離れ、待合、蔵

本文

奈良町にぎわいの家主屋、離れ、待合、蔵

更新日:2021年1月27日更新 印刷ページ表示

主屋

 大正期に骨董商の住宅として建てられた町家で、奈良町の中心部にあります。通りに面する店舗(表屋)と奥の居住空間を別棟とする、表屋造(おもてやづくり)の形式です。敷地南寄りにあり、北側は全て庭になっています。
 正面(東面)はつし2階の形式で、格子を構え、入口は桔ね上げ戸(はねあげど)とし、2階の軒は出桁(だしげた)で受けています。表屋の奥は、南側が坪庭で、北側に玄関と茶室があります。その奥は、南側は通り土間で、北側に居室が並びます。2階に北側や西側を眺望できる座敷がありますが、屋根は別棟となっています。
 北側全面を庭とする点や、2階座敷を別棟とする点は、奈良の町家としては特異で、伝統にとらわれず自由な発想により生み出された大正期の町家として、価値の高い建物です。

離れ

 敷地奥にあります。10畳の座敷の前後に、庭に面して縁を設けています。正面の円窓や手摺り付の縁、座敷の花頭窓(かとうまど)などにみられる瀟洒(しょうしゃ)な意匠が、近代町家の離れの姿をよく伝えています。

待合

 奈良の町家では、通りに面する高塀に潜門(くぐりもん)を設けて、露地(茶室の庭)への入口とする例が多くみられます。奈良町にぎわいの家もその例で、高塀の潜門のすぐ奥に待合があります。丸太、竹、杉皮などを用い、土壁に円窓や菱窓をあしらった、瀟洒(しょうしゃ)な建物です。
 高塀や主屋の茶室とともに茶の空間を構成し、奈良の茶文化の一端を伝えています。

 離れの南にある2階建の土蔵です。防火のため、入口に両開きの土塗戸を構え、さらに内側に片引きの戸を入れています。柱や梁などの表面は平滑でなく、蛤刃(はまぐりば)と呼ばれる円弧状の刃先の手斧(ちょうな)で仕上げられていることから、年代の古さが窺われ、江戸中期以前に遡る可能性もあります。
 奈良町における古い蔵の例で、町家の伝統的な屋敷構えを伝えています。

奈良町にぎわいの家 主屋 正面外観の画像
奈良町にぎわいの家主屋 正面外観

奈良町にぎわいの家 主屋 広間および仏間の画像
奈良町にぎわいの家主屋 広間および仏間

 
件名 奈良町にぎわいの家主屋
奈良町にぎわいの家離れ
奈良町にぎわいの家待合
奈良町にぎわいの家蔵
かな ならまちにぎわいのいえおもや
ならまちにぎわいのいえはなれ
ならまちにぎわいのいえまちあい
ならまちにぎわいのいえくら
数量 各1棟
登録(分類) 登録有形文化財(建造物)
登録日 平成29年5月2日
所在地 奈良市中新屋町他
所有者 奈良市
小学校区 椿井
構造形式 主屋:木造2階建、瓦葺、建築面積203平方メートル、高塀付
離れ:木造平屋建、瓦葺、建築面積49平方メートル
待合:木造平屋建、瓦葺、建築面積2.8平方メートル
蔵:土蔵造2階建、瓦葺、建築面積26平方メートル
年代 主屋:大正6年(1917)/昭和後期・平成27年(2015)改修
離れ:大正2年(1913)/平成27年(2015)改修
待合:大正6年(1917)頃/平成27年(2015)改修
蔵:江戸後期/大正前期・平成27年(2015)改修