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新型コロナウイルス対策強化のため臨時休園しておりましたが、令和3年6月1日(火曜日)から再開園します。
ご見学の際には、新型コロナウィルス感染防止対策にご協力くださいますようお願いします。
奈良市大安寺四丁目
杉山古墳は、5世紀後半(古墳時代中期)に造られた前方後円墳で、奈良時代には大安寺の境内に取り込まれていました。平城京造営の際に取り壊されなかった数少ない古墳で、当時の大安寺の記録である『資財帳』には、「池并岳」と表現されています。
古墳は、前方部を南に向け、くびれ部には造り出しと呼ぶ方形の区画があります。平成5年度の調査で、墳丘長約154m、後円部の直径約80mで、周囲に濠が廻っていることがわかりました。周濠を含めた全長は200mを超えます。
昭和30年の調査の際に、後円部頂を発掘していますが、埋葬施設はわかっていません。
保存整備は、奈良時代に「池并岳」であったとする記録にしたがい、墳丘には手をいれず、周濠を平面で、くびれ部を葺石で復原しました。
杉山瓦窯跡群は、平成5年度の杉山古墳の発掘調査の際に前方部の南斜面でみつかった6基の瓦窯です。燃焼室、焼成室、煙道からなる構造で、一度使用したとみられる瓦(あるいは塼)を利用して、構築しています。出土した瓦などからみて、奈良時代末から平安時代にかけて、大安寺の修理に使用された瓦を焼いたものとみられます。
寺の造営の際にも、前方部から土砂や葺石が運び出されたとみられ、その跡地に瓦窯は築かれています。杉山古墳は大安寺の資材調達の場でもあったようです。
保存整備は、瓦窯のある箇所の明示をし、構造の判明した2号窯は、ガイダンス施設で、復原模型を展示しています。
火曜日・木曜日・土曜日・日曜日の午前9時~午後5時
(月曜日・水曜日・金曜日、および1月1日~1月3日は閉園)