法華寺旧境内 阿弥陀浄土院跡は法華寺町に所在する奈良時代の寺院跡で、平城京の条坊復原では左京二条二坊十坪にあたります。天平宝字4年(760)に没した光明皇太后(聖武天皇の皇后)の追善供養を行うため法華寺に造営された子院で、翌5年には皇太后の一周忌の斎会が行われました。『続日本紀』には「その院は法華寺の内、西南の隅にあり」と記されています。
現地には「浄土尻」という地名が残るとともに花崗岩の大きな立石があり、阿弥陀浄土院に設けられた庭園の景石とみられています。平成12年(2000)に行われた発掘調査で奈良時代の庭園の園池と考えられる石敷や石列、建物の礎石、池岸と中島を結ぶ橋の柱跡と考えられる遺構がみつかり、池の形や施設などからこの庭園はその名が示すとおり極楽浄土の世界を表現した浄土庭園と考えられています。
阿弥陀浄土院跡は考古学的にも庭園史的にも極めて貴重な遺跡であることから法華寺の現境内とともに国の史跡に指定され、保護が図られています。
史跡 法華寺旧境内 阿弥陀浄土院跡
阿弥陀浄土院跡の庭園の景石と伝わる立石
件名 |
法華寺旧境内 阿弥陀浄土院跡 |
かな |
ほっけじきゅうけいだい あみだじょうどいんあと |
指定 |
史跡 |
指定日 |
平成13年1月29日 (追加指定 平成17年3月2日、平成27年3月10日) |
所在地 |
奈良市法華寺町 |
小学校区 |
佐保川 |
年代 |
奈良 |
交通
近鉄奈良駅から奈良交通バス「大和西大寺駅(航空自衛隊)」行きで「法華寺」下車、徒歩約10分。
近鉄大和西大寺駅から奈良交通バス「JR奈良駅西口」行きで「法華寺」下車、徒歩約10分。
近鉄新大宮駅から北西へ徒歩約20分。
地図情報