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山崎家住宅主屋

更新日:2024年2月22日更新 印刷ページ表示

 旧市街地である奈良町の北部では、京街道沿いに伝統的町並みが続いています。その北端部にある奈良豆比古神社の正面で、伊賀・伊勢からの街道も合流します。付近は、物資の集散地として、戦前まで問屋や市場もあり賑わったといいます。
 山崎家(※1)も青果問屋を営んでいました。主屋は、棟札(※2)や鬼瓦銘(※3)から文久2年(1862)の建築とわかります。当初は通りに面して建ち、表側の間口9メートル、奥行3メートルほどの土間で商いをしていたとみられます。
 昭和15年(1940)頃、後方に大きく曳家(※4)し、前方を露天の市場としましたが、戦後間もなく商いをやめました。平成19年(2007)の修理の際、再びやや前方に曳家しています。
 年代が明確な町家として貴重です。奈良町の最北端部に位置し、市場の賑わいもあった地域の歴史を伝える建物としても高い価値があります。

※1 「崎」の右上は「立」。

※2 むなふだ。棟上げの際などに願文、年号、施主、大工などを記す板。屋根裏などに取り付ける。

※3 おにがわらめい。鬼瓦に記された銘文。焼成前の柔らかい粘土の状態でへらで記すため「へら書き」ともいう。

※4 ひきや。建物を解体せずに移動させること。

 

山崎家住宅主屋の外観
山崎家住宅主屋

 
件名 山崎家住宅主屋
かな やまざきけじゅうたくおもや
数量 1棟
登録(分類) 登録有形文化財(建造物)
登録日 平成17年2月26日
所在地 奈良市奈良阪町
所有者 個人
小学校区 鼓阪北
構造形式 木造平屋、瓦葺、建築面積134平方メートル
年代 文久2年(1862)