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酒造業・酒類卸業を営んでいた小川又兵衛が建てた町家です。棟札(むなふだ)から大正15年(1926)の上棟(じょうとう)とわかります。その頃道路を拡げる計画があったため、敷地前面から3メートル程奥に建っています。
店舗兼主屋は、前方の奥行きの浅い店舗部(表屋)、後方の居室部、両者をつなぐ玄関部からなる、表屋造(おもてやづくり)と呼ばれる形式です。浴室や便所を設けた渡廊下を後方に接続し、奥の内蔵とつないでいます。店舗部と居室部の間や、居室部と内蔵の間には、趣ある中庭があります。近代の商家らしく、通り土間から敷地奥までトロッコのレールが続いています。
丁寧に造られた上質な建物で、年代も判明し、貴重です。後世の改造も少なく、奈良町の伝統的な町家の構成をよく伝えています。
小川又兵衛商店店舗兼主屋 外観
小川又兵衛商店店舗兼主屋 店舗
件名 | 小川又兵衛商店店舗兼主屋 小川又兵衛商店渡廊下 小川又兵衛商店内蔵 |
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かな | おがわまたべえしょうてんてんぽけんおもや おがわまたべえしょうてんわたりろうか おがわまたべえしょうてんうちぐら |
数量 | 各1棟 |
登録(分類) | 登録有形文化財(建造物) |
登録日 | 平成21年8月7日 |
所在地 | 奈良市鵲町 |
所有者 | 個人 |
小学校区 | 椿井 |
構造形式 | 店舗兼主屋:木造2階建、瓦葺、建築面積144平方メートル 渡廊下:木造平屋建、瓦葺、建築面積37平方メートル 内蔵:土蔵造平屋建、瓦葺、建築面積32平方メートル |
年代 | 店舗兼主屋:大正15年(1926) 渡廊下:大正15年(1926) 内蔵:大正15年(1926) |