本文
猿沢池の南の南北道路に西面して建つこの町家では、代々古着商が営まれてきました。嘉永七年(安政元年、1854)の地震の後に建てられたと伝えられており、敷地南側には地震の備えとして間口1間の空地を設けています。
正面に出格子、格子戸、出格子窓を構え、庇上のつしと呼ばれる部分は壁で、両脇に袖卯建(そでうだつ)を付けています。建築当初は、揚げ店(あげみせ)や蔀(しとみ)、丸太格子(奈良格子)などによる古式の表構えでしたが、戦後に商売をやめた後、現状の姿に改修されました。
つしが低い点は年代の古さを示しており、戦後に改修された表構えも含めて、奈良の伝統的な町家の姿をよく留めています。

坂本家住宅主屋 外観
| 件名 | 坂本家住宅主屋 |
|---|---|
| かな | さかもとけじゅうたくおもや |
| 数量 | 1棟 |
| 登録(分類) | 登録有形文化財(建造物) |
| 登録日 | 平成22年4月28日 |
| 所在地 | 奈良市勝南院町 |
| 所有者 | 個人 |
| 小学校区 | 椿井 |
| 構造形式 | 木造平屋建、瓦葺、建築面積73平方メートル |
| 年代 | 江戸末期/昭和中期・平成18年改修 |