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富雄丸山古墳出土木棺の保存処理と共同調査研究について(令和8年4月9日発表)
ALL奈良体制で「宝」を護る!
奈良市教育委員会が令和5年12月4日から令和6年7月9日に実施した富雄(とみお)丸山(まるやま)古墳範囲確認発掘調査(第7次調査)で造出(つくりだ)し埋葬施設から出土した割(わり)竹形(たけがた)木棺(もっかん)について、奈良市教育委員会と公益財団法人元興寺文化財研究所、独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所、奈良県立橿原考古学研究所の四者で保存処理と共同調査研究を実施することになりましたので、下記の日程で報道関係者に発表いたします。
1.報道発表の概要
- 日 時 令和8年4月15日(水曜日) 15時30分開始
- 場 所 〒630-8577 奈良県奈良市二条町2-9-1 奈良文化財研究所 大型遺物処理棟
- 内 容 富雄丸山古墳出土木棺の保存処理と共同調査研究について
- 報道解禁日時
ラジオ・テレビ・ネット:令和8年4月15日(水曜日)18時00分~
新聞:令和8年4月16日(木曜日)付朝刊
2.木棺保存処理の経過
- 令和6(2024)年6月
第7次調査時に埋葬施設から木棺を取り上げ。
木棺を奈良市埋蔵文化財調査センターへトラックで搬出。 - 令和6(2024)年7月
奈良市埋蔵文化財調査センターにて木棺を梱包。
この間、木棺のモニタリング・保存処理方法の検討。 - 令和7(2025)年12月
木棺の梱包を解体し、木棺の劣化状況を確認。
伸縮、劣化、カビの発生などは確認されず。 - 令和8(2026)年1月
木棺表面に付着する土や汚れのクリーニング作業。 - 令和8(2026)年2月
輸送に向け、木棺の養生・保護材、保護枠の作製作業。 - 令和8(2026)年3月
奈良文化財研究所に木棺を輸送。
3.木棺の共同調査研究の意義
富雄丸山古墳の造出し埋葬施設から出土した割竹形木棺は、身(み)の残存長が5.54mで、全体の7割ほどが残存しており、土中で消失することの多い木棺としては極めて良好な保存状態で見つかりました。また、足側小口には縄(なわ)掛(かけ)突起(とっき)が2本残存し、小口板・仕切板が立てられた状態を保って出土するなど、腐食によって分からないことの多い木棺の構造を詳細に把握できる非常に貴重な資料といえます。
一方で、木棺には腐食による脆弱箇所が多数認められ、万全の体制で保存処理を行いながら慎重に調査研究を進めることが必要です。
大型でかつ重要な資料であることから、奈良市教育委員会と、専門的な知見と技術を有する公益財団法人元興寺文化財研究所が業務委託を締結して木棺の保存処理を行い、独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所・奈良県立橿原考古学研究所が協力し、オール奈良体制で共同調査研究を進めることが決定しました。
今回の本格的な保存処理の開始は、富雄丸山古墳出土木棺の価値を長期にわたって保護し、学術的な活用を最大化するために非常に重要な取り組みとなります。
4.今後の保存処理スケジュール
- 令和8(2026)年4月
保存処理薬剤(PEG:ポリエチレングリコール)の含浸工程に着手。 - 令和8(2026)年11月
含浸工程完了。木棺を真空凍結乾燥機へ搬入し、乾燥・固化工程に着手。 - 令和9(2027)年2月
乾燥・固化工程完了。 - 令和9(2027)年3月
表面処理・仕上げのため元興寺文化財研究所へ輸送。
5.今後の展望
木棺の保存処理および今回締結した共同調査研究の成果については適宜公開し、学術研究の進展と文化財の保護に寄与してまいります。また、将来的な展示・公開も視野に入れ、木棺の価値を広く発信していくことを目指します。
リリース資料
【リリース資料】富雄丸山古墳出土木棺の保存処理と共同調査研究について [PDFファイル/855KB]
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