現在、国において進められている「第5期科学技術基本計画」(平成28~32年度)において、現代社会は、人類がこれまで経験したことのない急激な変化、変革を前にしており、
- 未来に果敢に挑戦する研究開発と人材の強化
- 世界に先駆けた「超スマート社会」の実現(Society 5.0※)
- 「超スマート社会」における競争力向上と基盤技術の戦略的強化を掲げています。
また、文部科学省においても平成30年6月5日に「Society 5.0に向けた人材育成~社会が変わる、学びが変わる~」(Society 5.0に向けた人材育成に係る大臣懇談会新たな時代を豊かに生きる力の育成に関する省内タスクフォース)として学びの在り方、求められる人材像などが示されています。
奈良市では、「教育におけるICT活用は今後必要不可欠なものになる」との認識のもと、平成25年度から26年度の2年間にわたり、学識経験者からアドバイスを受けながらICT整備に向けて検討を重ねるとともに、モデル校にタブレット端末を配備しICTを活用した効果的な授業の研究を進めてきました。
平成28年度からは、デジタル採点やAI的な分析による個別最適化学習として「学びなら」事業を立ち上げ、さらには、海外の講師から学ぶ遠隔授業「オンライン英会話」など、ICTを効果的に活用する取組が大きく広がりました。
そこで今回、児童・生徒を守る取り組み等も合わせ、奈良市教育の今を知り、みなさんとともに奈良市の未来型教育について考えていただく場として、本セミナーを開催するものです。
※Society 5.0
狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)に続く、新たな社会を指すもので、第5期科学技術基本計画において我が国が目指すべき未来社会の姿として提唱され、「サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)」を指す。
トピックス
- 奈良市で授業にICT(情報通信技術)を活用した結果、理解度などの情報共有をリアルタイムで行うことができることで、教員が児童・生徒の学習状況を素早く把握し、より個々に応じた指導が可能となった。また、児童・生徒の学習意欲や学力の向上などの効果が見られた。
- 人工知能(AI)やビッグデータは、教育や子どもたち一人一人の学びの在り方にも変革をもたらすと言われており、奈良市の取組の中で集積されたスタディ・ログ(学習履歴など)の蓄積を教育用AIで活用し分析することで、データに基づいたきめ細かな指導につなげていく。
- このような奈良市の「Society 5.0」に向けた取組と今後の「未来型教育」の可能性を、市民、保護者、学校関係者等を対象に、ともに考え、深める機会とする。
1 日時
平成31年3月3日(日曜日) 正午~午後4時15分
2 場所
奈良市教育センター(はぐくみセンター) 8F・9F
〒630‐8122 奈良市三条本町13番1号
3 参加対象
市内保護者・教員等学校関係者・一般市民
4 内容
※詳細は下記「教育セミナー ブース体験内容と事業の概要」のとおり
【体験ブース及び展示見学】(正午~午後2時)
- 学びなら
- 未来の教室
- スマートスクール
- オンライン英会話
- プログラミング教育
- stop it!(いじめ対応)
- ICT教育の今
- 学校給食の今
- ツイタもん(安全対策)
- 学習支援サービス(不登校対応)
- ジュニアインターンシップ(キャリア教育)
※上記時間帯で各ブースを自由に見学
【開会行事】(午後2時~午後2時15分)
市長あいさつ 等
【基調講演】(午後2時15分~午後2時45分)
テーマ 「教育にデータを使う」
専門の経済学から、データに基づき奈良市の教育についてわかりやすくお話します!
大竹 文雄 氏(大阪大学大学院経済学研究科教授)
大阪大学大学院経済学研究科教授
経済学博士、専門は行動経済学、労働経済学。
NHK Eテレ「オイコノミア」などテレビにも多数出演。
【シンポジウム】(午後2時50分~午後4時)
テーマ 「Society5.0時代の教育の未来」
コーディネーター 大竹 文雄 氏(大阪大学大学院経済学研究科教授)
パネリスト 小柳和喜雄 氏(奈良教育大学教職大学院教授)
パネリスト 中室 雄俊(奈良市教育長)
【閉会行事】(午後4時~)
6 その他
取材希望がある場合は、事前に奈良市教育センター(0742-36-0401)までご連絡ください。
教育セミナー ブース体験内容と事業の概要
学びなら
- AI的な学力データ分析を用いて学習状況を客観的に把握する「個別最適化された学び」につながる奈良市独自の学習システム。
- 小学校算数科において、何が身に付いているのかいないのかという児童のつまずきの指導の手立てをAI的な分析によって科学的に「見える化」し、一人一人が効率的に復習できるプリントを提供するもの。
このことで児童自身が自分の個々の課題に気づき、効率的で主体的な学びを目指す。
- 若手教員が増加している中、経験豊富な教員のノウハウ(経験や勘)を若手教員が十分に受け継ぐことが難しくなっている。
そこで、このシステムを活用して、エビデンスに基づき児童の見取りや教員の指導法の改善につなげていく。
未来の教室
- 経済産業省の「未来の教室」実証事業として、奈良市教育委員会と委託企業が共同で実施。
- 本取組は、保護者の同意を得て民間教育機関と連携し、学校で学習した復習プリントと学習履歴を共有し、民間教育機関が個別学習指導を行う新たな学習スタイルの実現性を確認するもの。
オンライン英会話
- 通話アプリケーションを使用し、海外の英会話講師と子どもたちがコミュニケーションを通して英語を学ぶ。
- 教科として学ぶ英語から一歩前進し、英語によるコミュニケーションを通して自分の思いを伝え、表現できる能力の育成を図るもの。
- 各中学校1~3年生対象。生徒4名(中3は2名)に対して、海外の英会話講師1名が対応して実施。各自ヘッドホンを装着し、PC画面を通して英語を学ぶ。
スマートスクール
- 文部科学省「次世代学校支援モデル構築事業」及び総務省「スマートスクールプラットフォーム実証事業」。
校務に関する情報と学習に関する情報の連携により、従来以上の個に応じた学びを実現しながらエビデンスベーストの学校運営及び各種施策の改善等を実施する枠組みを構築するもの。
- 学校現場においては、セキュリティを確保しながらデータを活用できるスマートスクールプラットフォームを構築し、学習記録データ等の可視化、分析を通じて児童生徒の振り返りや教員の指導支援を可能としていく。
学習支援サービス
- 民間教育機関が提供する、WEBを利用した教科書準拠のデジタルドリルサービス。
小学校(5教科)、中学校(9教科)の学習を一人一人のペースに合わせて「基本・標準・挑戦」の3段階で支援。
- インターネット環境がある場所なら、学校での授業のまとめや放課後学習、家庭学習など様々な学びの場で利用可能。
- 現在は、来年度実施に向け、適応指導教室にてモデル的に実施。
ジュニア・インターンシップ
- ジュニア・インターンシップとは、探求型職場体験学習のこと。
- 奈良市では、子どもたちが自分の将来の生き方や進路を考えながら、社会をたくましく生き抜く力を身につけていくことをねらいとし、教育活動全体を通じてキャリア教育を推進している。
- その一環として、各中学校において、地元の企業や地域と連携し、ジュニアインターンシップ(探求型職場体験学習)を実施。
- その成果を「ポスターセッション」という形で、子どもたちがプレゼンテーションを行う機会をつくり、コミュニケーション力や課題対応能力の向上を目指すもの。
ICT教育の今
- ICTを効果的に活用した授業は、児童生徒の学習への関心・意欲及び学力の向上に効果があるという成果が得られている。
- 奈良市では、各学校に必要なICT環境を整備し、維持管理とセキュリティの対策を継続しながらICTの活用を推進している。
- ICT環境に対する理解や具体的な活用方法については、各種研修の実施や教員用クラウドコンテンツの充実をとおして教員支援を実施
プログラミング教育
- 学習指導要領に規定されるプログラミング教育は、「子どもたちに、コンピュータに意図した処理を行うように指示することができるということを体験させながら、プログラミング的思考などを育成するもの。
- プログラミング教育教材『Switched on Computing(SOC)』をモデル的に活用。
指導案、指導書、掛図、ワークシート等がセットになっており、授業ですぐに活用できるもの。
今年度市内8小学校4年生において試験的に活用。
「Stop it !」(いじめ相談アプリ)
- いじめの相談・報告が匿名で行えるアプリを昨年9月に導入。メッセンジャーを使ってチャット形式での相談もできる。
市のいじめ相談ダイヤル(24時間対応)と連携し、緊急事案にも対応。
- アンケート調査によると、スマホ所持率小学校高学年で約40%、中学生で約60%。
また、スマホがなくても、インターネット接続できるゲーム機やPCがあれば接続可能なことから小学校5年生から導入。
ツイタもん
- 「NPO法人ツイタもん」が提供する学校防犯システム。
ICタグを持って児童が登下校すると、校門通過時刻と映像が記録される。保護者に通知されるシステムも有料で申込可。
- 奈良市では子どもたちの安全確保の対策として、ICTを活用した安心安全なまちづくりを進めており、その一環として実施。
学校給食の今
- これまでの学校給食の取組をパネル展示。
- 過去5年間の給食ベスト5のパネル展示。
※各ブース運営は、関連事業者の協力のもと実施
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お問い合わせ
学校教育部 教育支援課
電話番号:0742-36-0401
<外部リンク>
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